『総合旅程管理主任者研修 2016 in 台湾』レポート

 

ツアーコンダクター(添乗員)になるために「総合旅程管理主任者」の資格が必要になります。
この研修ではその資格を取得する為、「国内での5日間の講義・試験」・「3日間の台湾での実務研修」を行ないました。
台湾での実務研修の様子をお伝えします。

 

1日目

台湾実務研修では学生全員が行程の中で順番に添乗員役となり、添乗員としての“業務”を学びます。関西空港での添乗員(学生)は緊張しながらもお客様へのブリーフィングを終え、ほっとしたのも束の間、プロの添乗員からの指摘を沢山受けていました。それを聞いていた他の学生もしっかりとその言葉を受け止め自分のモノにしているように感じました。

<関西空港集合>

台北桃園空港到着後は添乗員(学生)の案内により迎えの専用バスに乗車しました。現地ガイドと合流をし、バス車内での初めてのアナウンスに苦戦しながらも、第一目的地「永康街」に到着。初めての添乗業務では、自由散策の時間設定さえも難しくアドバイスをもらいながら添乗員(学生)が設定しました。「この場所が目当てできた人もいれば、この場所に全く興味がない人もいる。そこを考慮しなければならない。それを知るにはお客様とのコミュニケーションが不可欠。」プロの添乗員の言葉が印象的でした。

<台北空港到着>

<バスの中で>

その後、台北101での自由散策を済ませ、夕方4時頃にホテルへ到着。ホテルでのチェックインは添乗員(学生)が英語で行ないました。ただチェックインを済ませるだけでなく、お客様にご案内するために電話のかけ方、テレビ(日本のNHK)案内、モーニングコール、朝食の時間や場所などフロントの方に尋ねることはたくさんあります。

<チェックイン>

市内レストランで夕食を済ませた後は、士林夜市散策へ向かいました。風景が似たような士林夜市で迷いそうになりながらも学生は大変満喫した様子でした。
1日目は朝の集合時間も早かったことから、予定より1時間早くホテルにもどりました。

 

 

2日目

添乗員(学生)からの6時半のモーニングコールで起床。各自、ホテルで朝食を取り忠烈祠、故宮博物院、龍山寺と観光名所をプロの添乗員の案内で巡りました。あいにく、故宮博物院では目玉の白菜と角煮の置物が見れませんでしたが、しっかりと情報を得ていたプロ添乗員からは説明がなされました。お昼ご飯を挟み午後から十份、九份まで足をのばし、十份では天灯上げを体験しました。途中で立ち寄ったお土産店では日本の免税範囲についての注意がありました。国内講義で覚えた免税範囲の他に、プロ添乗員から案内すべき点について注意があり、その言葉を学生たちは必死にメモを取っていました。十份では学生はそれぞれランタンに願いを、九份では自由散策を楽しんでいました。

 <十份にて>

夕食に立ち寄った九份でのレストランでは、添乗員から誕生日が近い学生へのサプライズ演出がされました。お客様をどんな形でも喜ばせ、楽しませるのが添乗員の業務です。

 

 

3日目

3日目の朝も添乗員(学生)からのモーニングコールで6時半に起床。この日の朝食はホテルではなく市内レストランでした。朝食会場で添乗員(学生)は各テーブルを回って飲み物の注文をとります。その後、台北市内2ヶ所のホテル視察へ向かいました。
スタッフのホテルについての英語で説明を、添乗員(学生)はその場で即座に訳しお客様へと伝えなければなりません。無事に大役を終えた添乗員(学生)は安堵の表情を浮かべておりました。近畿日本ツーリスト現地手配会社の假日旅行社へ移動し、台湾のツーリズム業界についてお話をして頂きました。学生から飛び交う質問にもご丁寧に対応して頂き ました。

<ホテル視察>

1日目には十分に時間がなかったとの声もあった為、プロ添乗員と相談した添乗員(学生)判断で再度、台北101を訪れました。各自昼食をとり、台北桃園空港へ向けて出発。
チェックインを済ませた後、スターバックスに行きたいというお客様を添乗員(学生)が連れていく場面も。出発ゲートの前で再集合をし、最後のブリーフィングを添乗員(学生)から、そして3日間のまとめをプロ添乗員から行ない、日本へ向けて出国しました。
3日間ご指導頂いたプロ添乗員の言葉に学生は真剣に聞き入っていました。
普段なら目につかない小さなことにまで目を向けなければならない添乗員の業務に、大変苦労した3日間だったかもしれません。
しかしそれ以上に得るものが多かったと思います。

<最後のブリーフィング>

 

 

「総合旅程管理主任者研修」は、もちろん、旅行会社で働きたい、添乗業務をしたいという人に必要な研修ですが、この研修を通じて、
・社会人としての基本のマナー
・1つの団体をマネージメントしていく力 ・発信力(情報を伝達する)
・理解力 ・先を読む力・想像力 ・危機管理能力  等々 の必要性を実感するに違いありません。
これは、業種にかかわらず、社会で働くうえで必要な力といえます。
大学生のみなさんには、「総合旅程管理主任者研修」を通して、社会で働くということを体感していただき、自分の可能性を発見していただきたいと願っています。