日本土壌肥料学会2010年度北海道大会

今日、世界的には、人口の爆発的増加や土壌の劣化による食糧の持続的生産に対する懸念、酸性降下物、地球温暖化などの環境問題についての関心が高まり、国内的にも、土・水・大気・植生・景域保全との調和を図りながら農業生産の一層の効率化を追及するという、いわゆる環境保全型農業への期待が膨らんでいます。このような問題を解決し、21世紀における人間社会の安定的発展に貢献することを目的とした本学会の役割は極めて大きく、活動成果の輩出が望まれております。このような社会的なニーズに応えるため、日本土壌肥料学会2010年度北海道大会運営委員会では「食料生産と地球環境を支える土」をモットーに2つの企画を用意しました。

一般市民にも参加を呼びかける公開シンポジウムでは、「地球の生命(いのち)を育む土」を大きなテーマに、「土−地球の皮膚−を守る農業」、「北海道における環境保全型農業−クリーン農業の歩み」、「食料生産と環境・生態を調和させる未来の自立型農業」という話題を予定しております。

もう1つはエクスカーションです。この10年間、北海道においては農業の規模拡大が行われ、現在では1戸当たりの農地面積は19.3 haとEUの平均よりも規模が大きく、専業的な営農を展開しています。また、牧草地が約50万ha、畑が約40万haに対して、水田は約半分の23万haとなっており、水田の比重が小さいことも特徴です。北海道の自給率は約200%ですが、外国との自由貿易協定が締結されると壊滅的な打撃を受けるともいわれており、決してしっかりとした基盤の上に立っているわけではありません。エクスカーションでは北海道農業をじっくり見ていただくため、上川地方における良食味米の開発と栽培、網走地方の大規模畑作の土づくり、根釧地域では草地管理と環境保全、乳牛育成牧場等を2泊3日の日程でまわり、JR釧路駅で解散の予定です。

札幌は多くの方にとっては遠方ですが、皆様の貴重な研究成果を発表するために是非足を運んでくださるようお願いします。9月の北海道は本州と比べるとさわやかな気温です。また、収穫の秋ですので、新鮮な農産物、海産物も楽しんでいただきたいと思います。

日本土壌肥料学会2010年度北海道大会
大会運営委員会
委員長 長谷川 周一
(北海道大学大学院農学研究院)

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