日本植物学会第77回大会

シンポジウム

「RAD-Seqが切り拓く植物研究―栽培種から野生種まで」

オーガナイザー:永野 惇 (京都大学生態学研究センター・JSTさきがけ)
荒木 希和子 (京都大学生態学研究センター)

RAD-Seq (Restriction site-associated DNA sequencing)は、次世代シーケンサーを用いて、ゲノム中の数千〜数万の領域を多検体についてシーケンスする手法である。このRAD-Seqを用いた最新の研究事例を紹介し、植物学研究へのさらなる活用可能性を探る。具体的には,栽培種や非モデル植物でのマッピングやゲノミックセレクション、野生植物での種内・種間の多様性、集団内多型から系統地理まで、多岐にわたる研究例を紹介し、この手法の有効性や発展性について議論する。

「RAD-Seqをゲノミックセレクションに利用する:作物育種の大幅な加速化に向けて」
岩田 洋佳 (東京大学大学院農学生命科学研究科)
「RAD-Seqを用いたニホングリ高密度標準連鎖地図の構築」
寺上 伸吾 (農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所)
「アサガオのゲノム情報整備におけるRAD-seqの活用」
星野 敦 (基礎生物学研究所)
「野外植物集団における遺伝構造のRAD-Seqによる解析」
辻本 典顕 (京都大学生態学研究センター)
「小笠原諸島に生育するテンノウメ属固有分類群の集団ゲノミクス解析」
海野 大和 (京都大学農学研究科)
「大量塩基配列を用いた分子系統地理学−ゲノムワイドな変異解析で野生生物の分布変遷を探る」
岩崎 貴也 (東京大学大学院総合文化)
「チャルメルソウ属雑種F2集団を用いた生殖隔離形質および生活史形質遺伝子群のマッピング」
奥山 雄大 (国立科学博物館)

「環境変動への植物の呼吸の応答:ミクロからマクロまで縦断的な理解に向けて」

オーガナイザー:野口 航 (東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻)
伊藤 昭彦 (国立環境研究所 地球環境研究センター)

陸上植物の呼吸量は光合成による総CO2固定量の約半分(人為的放出の約6倍相当)を占め、温暖化などの環境変動に敏感に応答することが知られている。しかし、研究者人口が少ないこともあり、植物の呼吸のミクロからマクロまでの縦断的な理解やモデル化にはほど遠い状況である。本シンポジウムでは、植物の呼吸に関してスケールやアプローチの異なる講演をしていただき、その包括的な理解・モデル化に向けて分野を超えた共同研究の契機を作ってもらいたいと考えている。

「ミトコンドリアにおけるシアン耐性呼吸酵素(AOX)の構造と機能」
伊藤 菊一 (岩手大学農学部 寒冷バイオフロンティア研究センター)
「アンモニア分析からわかってきた植物の窒素利用と光呼吸との関係」
宮澤 真一 (農業生物資源研究所)
「落葉広葉樹の枝呼吸の空間的なバラツキと、梢端部の葉特性との関係について」
飯尾 淳弘 (静岡大学農学部)
「根を含む実生から巨木までの植物個体呼吸スケーリング」
森 茂太 (山形大学農学部食料生命環境学科森林科学コース)
「群落スケールの生態系呼吸 ー炭素循環および熱循環の視点からー」
斎藤 琢 (岐阜大学流域圏科学研究センター)
「地球環境研究のための植物呼吸モデルの高度化」
伊藤 昭彦 (国立環境研究所 地球環境研究センター)

「植物学から見た琉球列島−新しい知見と今後の課題−」

オーガナイザー:横田 昌嗣 (琉球大学理学部海洋自然科学科)
宮本 旬子 (鹿児島大学大学院理工学研究科)

2013年1月に奄美・琉球が我が国の世界自然遺産暫定リストに掲載されることが決まりました。奄美諸島・琉球諸島を含む琉球列島は植物地理学の全北区と旧熱帯区の境界に位置し、高い生物多様性と固有性を持つことで知られているものの、その植物相や生態系については未解明の点が多く残されています。このシンポジウムでは、琉球列島の植物に関して近年の研究で明らかになった新知見を紹介するとともに、世界自然遺産指定に関わる課題について考え、琉球列島の植物学上の価値について議論を深めることを目的とします。

「趣旨説明」
横田 昌嗣 (琉球大学理学部海洋自然科学科)
「琉球列島の概要 —自然環境と社会環境—」
宮本 旬子 (鹿児島大学大学院理工学研究科)
「琉球列島の維管束植物相と植物地理」
横田 昌嗣 (琉球大学理学部海洋自然科学科)
「奄美群島の森林生態」
米田 健 (鹿児島大学農学部)
「琉球列島の植物をグローバルにとらえる−他地域との系統分類比較−」
國府方 吾郎 (国立科学博物館植物研究部)
「系統地理学を基盤とした琉球列島の植物の自然史と保全対策について」
瀬戸口 浩彰 (京都大学大学院人間・環境学研究科)
「世界自然遺産候補地「奄美・琉球」の価値と直面する課題」
岡野 隆宏 (鹿児島大学教育センター)

「新世代の画像情報が切り拓く世界」

オーガナイザー:鮫島 正純 (綜合画像研究支援)
大隅 正子 (綜合画像研究支援、日本女子大BIC)

分子の局在をイメージングする技法の発達が、今日の生命科学を発展させてきたが、現在では広範囲な、定量的な、あるいは3Dの新たな画像情報が求められている。本シンポジウムでは、そのような研究として、電子顕微鏡画像の広域取得法と自動画像解析、同位体顕微鏡と二次イオン質量分析による植物組織の元素分析、2光子顕微鏡による光イメージングを駆使した生体レベルでの機能解析を紹介し、植物学研究への今後の展開について議論を深める。
   追記: 以下の共催と後援をいただいております。
            共催 認定NPO法人綜合画像研究支援
            共催 日本植物形態学会
            後援 日本女子大学バイオイメージングセンター

「はじめに」
鮫島 正純 (綜合画像研究支援)
「高圧凍結技法を取り入れた広域透過電顕像撮影システムの開発とその応用」
豊岡 公徳 (理研CSRS)
「電顕画像における注目構造の自動検索法の開発」
桧垣 匠 (東京大・院・新領域)
「同位体顕微鏡システムを用いた植物組織内での元素の直接可視化」
小笠原 希実 (北大・院・農)
「二次イオン質量分析法による樹木内の炭素移動の可視化」
竹内 美由紀 (東大・院・農)
「2光子顕微鏡による深部イメージングで観えてきた植物生殖の実態」
水多 陽子 (名大・院・理、JST・ERATO)
「2光子顕微鏡を用いた生体脳深部観察法 −植物組織・細胞への応用可能性」
根本 知己 (北大・電子科学研、JST CREST)

「アルガルセックス:有性生殖と生活環制御が切り拓く藻類バイオの新戦略」

オーガナイザー:河野 重行 (東京大学・院・新領域)
野崎 久義 (東京大・院理・生物科学)

最近、次世代シーケンスで容易にゲノム解読が可能となっており、非モデル生物の藻類では不可能とされていた遺伝情報を利用することも現実的になった。本シンポでは非モデル生物である藻類のゲノム解読情報を用いて、性の成り立ちとその原理を明らかにし、ブレークスルー研究を開拓する最新の研究、また、これらの知見を基に高炭素固定能力をもつ藻類株の改変から性を活性化し、交配によって高増殖株を育種する研究等を紹介する予定である。

「有性生殖と生活環制御が切り拓く藻類バイオの新戦略」
河野 重行 (東京大・院・新領域・先端生命)
「シャジクモ藻類ヒメミカヅキモの有性生殖制御」
関本 弘之 (日本女子大・理・物生)
「有性生殖過程の細胞骨格基盤—クラミドモナスがもたらす中心子構築機構研究のブレークスルー」
廣野 雅文 (東京大・院理・生物科学)
「群体性ボルボックス目で探る配偶子融合の分子メカニズムとその進化」
豊岡 博子 (東京大・院理・生物科学)
「単細胞紅藻 Cyanidioschyzon merolae における光合成と細胞成長・分裂の協調機構」
宮城島 進也 (国立遺伝研・JST/CREST)
「褐藻の受精 〜走光性、走化性、雌雄認識について〜」
フ ガン (北海道大・北方セ)
「褐藻類の多細胞化・大型化を細胞壁成分、有性生殖様式、生活史型の進化から考える」
川井 浩史 (神戸大・内海域セ)
「褐藻中の機能性脂質成分の解析」
宮下 和夫 (北海道大・院水産科学)

「形態形成研究の新たなるステップ −遺伝子ネットワークから多細胞動態へ−」

オーガナイザー:藤田 浩徳 (基礎生物学研究所)
福島 健児(基礎生物学研究所)

発生における遺伝子間の制御ネットワークが明らかにされる一方で、そのアウトプットである細胞増殖・変形などの多細胞動態に関しては不明な点が多い。多細胞動態は実験的な観測が困難であることから、現状では、多くの研究者が数理モデルやシミュレーションを取り入れたアプローチを模索する段階にある。そこで本企画では葉の発生を話題の中心に、植物発生学者(演者:古谷、川出、中田)と数理生物学者(演者:秋山、中益、奥田)の発表を通して、既知の遺伝子ネットワークと多細胞動態の結び付け方を考える。

「はじめに ー植物形態形成の統合的理解に向けてー」
藤田 浩徳 (基礎生物学研究所)
「ニューベキアの葉の発生過程における表現型可塑性のモデリング」
中益 朗子 (京都産業大学)
「器官発生過程におけるオーキシン極性輸送制御機構」
古谷 将彦 (奈良先端科学技術大学院大学)
「三次元的な組織の形態形成における多細胞ダイナミクスの力学シミュレーション」
奥田 覚 (理研CDB)
「葉の向背パターニングと葉身の成長をつなぐしくみ」
中田 未友希 (立教大学)
「モルフォゲンの凸性に着目した細胞分裂のモデル」
秋山 正和 (北海道大学 電子科学研究所)
「葉原基におけるAN3の発現勾配と細胞増殖活性の時空間分布」
川出 健介 (理研CSRS)
「おわりに ー発生生物学のこれからを考えるー」
福島 健児 (基礎生物学研究所)

「植物の多細胞体制を支える細胞極性とその制御」

オーガナイザー:田中 博和 (大阪大学大学院理学研究科)
楢本 悟史 (東京大学大学院理学系研究科)
古谷 将彦 (奈良先端大学院大学バイオサイエンス研究科)

固着性の生活を営む高等植物は、動物とは異なる独自の多細胞体制を有する。植物組織における物質輸送や、器官の成長の方向性には細胞レベルの方向性が重要であるが、近年、それらの細胞の極性に関与する制御因子の実体が、徐々に明らかになりつつある。本シンポジウムでは、植物細胞の方向性と、それに従った物質の配置のメカニズムの研究を進めている若手研究者に話題を提供して頂き、植物細胞極性の多様性や共通原理に関する議論を深めることを目的とする。

「細胞膜タンパク質の極性局在様式とドメイン構造」
楢本 悟史 (東京大学大学院理学系研究科)
「細胞内輸送因子の解析から探る PIN タンパク質の局在制御機構」
北倉 左恵子 (大阪大学大学院理学研究科)
「PIN タンパク質の細胞膜近傍の動態制御」
古谷 将彦 (奈良先端大学院大学バイオサイエンス研究科)
「ホウ酸輸送体のエンドサイトーシスと細胞膜上極性局在のメカニズム」
高野 順平 (北海道大学 大学院農学研究院)
「環境ストレスに応答する微小管制御」
藤田 智史 (奈良先端大学院大学バイオサイエンス研究科)
「ヒメツリガネゴケを用いた極性研究-植物極性制御の多様性と共通性-」
藤田 知道 (北海道大学 大学院理学研究院)

「生存戦略としての細胞リプログラミング」

オーガナイザー:岩瀬    哲 (理化学研究所)
池内 桃子 (理化学研究所)

植物細胞は高い分化可塑性を持ち、外的シグナルに応答して分化運命や発生プログラム、分裂パターンを変更できる。本シンポジウムでは、さまざまな植物種(シロイヌナズナ・ヒメツリガネゴケ・ゼニゴケ・ミヤコグサ) を材料に、外的シグナル(傷害、光、感染)に応答した細胞のリプログラミングに関する最新の知見を発表する。特に、シグナルの受容から伝達、転写制御、細胞分裂再開・細胞運命変換に至る分子機構に関して、共通性と相違点に着目して議論したい。

「ストレスによる細胞リプログラミング」
岩瀬    哲 (理化学研究所)
「シロイヌナズナ傷害誘導カルスにおける細胞周期再開機構」
池内 桃子 (理化学研究所)
「シロイヌナズナ切断花茎の癒合過程における遺伝子ネットワークと植物ホルモンによる制御」
朝比奈 雅志 (帝京大学)
「ヒメツリガネゴケの細胞リプログラミングを誘導する分子機構」
石川 雅樹 (基礎生物学研究所)
「苔類ゼニゴケにおける光依存的な細胞分裂活性制御機構」
西浜 竜一 (京都大学)
「根粒初期発生における細胞リプログラミングの制御機構」
寿崎 拓哉 (基礎生物学研究所)

「珪藻の進化・繁栄の謎を握る未知の藻類:パルマ藻の生物学」

オーガナイザー:桑田    晃 (水産総合研究センター 東北区水産研究所)
佐藤 直樹 (東京大学大学院 総合文化研究科)

珪藻は熱帯雨林と同等の炭酸固定を行う海洋で最も重要な一次生産者であるが、その起源・繁栄機構は依然不明である。我々は珪藻同様シリカの殻を持ちながら、サイズが極微小で培養不能なため全く未知であったパルマ藻の培養に世界で初めて成功し、この藻類が珪藻と極近縁で共通の祖先を持つことを明らかにした。現在我々は、パルマ藻を対象に生態学・生理学・ゲノミクス・生物地球化学的解析を進め、珪藻とパルマ藻の相互比較により珪藻の進化・繁栄機構の解明を進めている。本シンポジウムでは最近の研究成果を紹介し、今後の展望を議論する。

「パルマ藻から珪藻の進化の秘密を探る」
桑田    晃 (水産総合研究センター 東北区水産研究所)
「親潮および親潮-黒潮混合域におけるパルマ藻の分布と季節変化」
一宮 睦雄 (熊本県立大学 環境共生学部)
「パルマ藻から見た珪藻の細胞外被形成の進化」
山田 和正 (福井県立大学 生物資源学研究科)
「生活史からみたパルマ藻の多様性」
河地 正伸 (国立環境研究所)
「パルマ藻のゲノム解析」
佐藤 直樹 (東京大学大学院 総合文化研究科)
「パルマ藻の脂質バイオマーカー:珪藻との関連性」
沢田    健 (北海道大学大学院理学院)

「寒さからの生命系:耐寒性の父・酒井 昭先生」

オーガナイザー:佐藤 利幸 (信州大学理学部)
上村 松生 (岩手大学農学部)

植物の耐寒性に関する研究の第一人者である酒井昭先生は昨年(2012年)92歳で生涯を閉じられた。酒井先生は、作物の冷害・凍害、世界中の木本・草本植物の耐寒性、植物資源の凍結保存など、広く植物の寒冷適応進化にかかわる研究を展開された。酒井先生に影響を受けた国内外の多くの研究者によって、生態学、生理・生化学、分子生物学的手法を介した研究が発展した。本シンポジウムでは、酒井先生から端を発した植物の寒冷適応進化に関する様々な研究成果を紹介する。

「酒井先生の業績と科学的貢献」
佐藤 利幸 (信州大・理・生物)
「細胞膜と寒冷適応」
上村 松生 (岩手大・農・寒冷バイオ)
「器官外凍結と凍結制御」
石川 雅也 (農業生物資源研究所)
「樹木の寒冷適応」
藤川 清三 (北大・名誉教授)
「寒冷環境に生育する植物に対する酸性降下物の影響」
荒川 圭太 (北大・院・農)
「永久凍土と生態学」
露崎 史朗 (北大・院・地球環境)
「まとめ」
吉田 静夫 (北大・名誉教授)

「植物と流れ」

オーガナイザー:寺島 一郎 (東京大学大学院理学系研究科)

ガス拡散や木部・篩部の輸送は古くから研究されてきたが、近年その多くの局面で分子レベルの理解が進んでいる。このシンポジウムでは、講演者の最新のデータも含めてこれらを概観し、今後の展開の可能性を議論したい。

「植物と流れ:Overviewをかねて」
寺島 一郎 (東京大学大学院理学系研究科)
「H+-ATPase 局在化因子 PATROL1 による気孔運動と成長制御」
橋本(杉本) 美海 (九州大学大学院理学府)
「水輸送とCO2輸送の分子基盤:アクアポリン」
且原 真紀 (岡山大学資源植物科学研究所)
「シロイヌナズナ気孔応答変異体の解析から見えてきた気孔コンダクタンスと葉肉コンダクタンスの制御機構」
溝上 佑介 (東京大学大学院理学系研究科)
「原形質連絡による転流の制御」
西田 生郎 (埼玉大学理学部分子生物学科)
「維管束による水輸送:輸送の安全性と適応戦略」
種子田 春彦 (東京大学大学院理学系研究科)

「細胞骨格による植物細胞の成長と形態形成 〜新たなる地平線〜」
Cytoskeleton-dependent plant cell growth and morphogenesis -a new horizon-

共催: 新学術領域「植物細胞壁機能」

オーガナイザー: 本瀬 宏康 (岡山大学大学院自然科学研究科)
橋本   隆 (奈良先端科学技術大学院大学)

細胞骨格、特に微小管は、細胞の分裂や伸長、細胞内輸送、ホルモンや環境への応答など様々な局面で重要な役割を果たしている。本シンポジウムでは、最先端で研究されている方々を演者としてお招きし、主に微小管によって制御される植物細胞の成長と形態形成について見えて来た新たな地平線を概観する。言語は主に英語を用いる。日本語による質問も可能(演者やオーガナイザーが適宜翻訳)。

「Microtubule-mediated endosomal sorting, polar auxin transport and meristem size」
Geoffrey O. Wasteneys (Department of Botany, The University of British Columbia)
「Microtubule nucleation in plants   植物における微小管重合開始」
橋本    隆 (奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科)
「Cytokinesis: Mechanism of phragmoplast expansion 細胞質分裂:隔膜形成体の拡大機構」
村田    隆 (基礎生物学研究所、総合研究大学院大学)
「NIMA-related kinases regulate microtubule organization and cell growth pattern NIMA関連キナーゼは微小管形成と細胞成長パターンを制御する」
本瀬 宏康 (岡山大学大学院自然科学研究科)
「Secondary cell wall patterning by a ROP- and microtubule-driven symmetry breaking  ROP GTPaseと表層微小管による二次細胞壁パターンの構築」
小田 祥久 (東京大学大学院理学系研究科)

「光合成の超分子複合体の構造と動態」
Cytoskeleton-dependent plant cell growth and morphogenesis -a new horizon-

オーガナイザー: 池内 昌彦 (東京大学大学院総合文化研究科)
高橋 裕一郎 (岡山大学)

光合成、とくに明反応装置の構造とその反応メカニズムは、最近、非常に進んでいる。また、その活性や装置の形成や回転はさまざまなレベルで制御されており、その動態の解析が大きな展開を見せている。また、このような動態制御は、光合成生産や装置の改変などに新たな視点をもたらすと期待される。本シンポジウムでは、このような趣旨で、高等植物からシアノバクテリアまでの光合成の超分子複合体の動態について、多面的に議論を集約し、将来展望を考えたい。

「葉緑体タンパク質輸送と光合成超分子複合体の形成」
中井 正人 (阪大・蛋白研)
「チラコイド膜タンパク質複合体の機能を支える膜表在性タンパク質の役割」
伊福 健太郎 (京大院・生命)
「光化学系1複合体の構造と分子集合」
高橋 裕一郎 (岡大院・自然科学)
「シアノバクテリアの光化学系超複合体の構造と動態」
池内 昌彦 (東大院・総合文化)
「サイクリック電子伝達による光合成調節」
鹿内 利治 (京大院・理学)
「LHCSR3を結合した光化学系II超複合体によるエネルギー散逸」
皆川    純 (基生研)

「光合成をやめた植物―菌従属栄養植物のたどった進化の道のり」

オーガナイザー: 辻田 有紀 (東北大学植物園)
遊川 知久 (国立科学博物館筑波実験植物園)

光合成により独立栄養を営むことは植物の基本的な特性であるが、菌従属栄養植物は光合成に代わって共生菌から栄養を獲得し生育する。このような植物は一体どのように進化してきたのだろうか?本シンポジウムでは、植物が独立栄養から菌従属栄養へシフトする過程で生じた形質進化と栄養摂取様式の変化に関する最新の知見を紹介する。

「菌従属栄養植物の系統と進化」
遊川 知久 (国立科学博物館筑波実験植物園)
「菌従属栄養植物の受粉様式〜送粉を達成するための特殊な進化」
末次 健司 (京都大学人間・環境学研究科)
「菌従属栄養植物の菌根共生系の多様性」
谷亀 高広 (北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)
「混合栄養植物の発芽生態から見た菌従属栄養性の進化」
橋本    靖 (帯広畜産大学畜産生命科学研究部門
「混合栄養植物における従属栄養性の多様性と進化」
坂本 裕紀 (東北大学大学院生命科学研究科)
「菌従属栄養植物の進化に伴う菌根菌相のシフト」
辻田 有紀(東北大学植物園)

理事会主催シンポジウム

「国外生物試料の研究と生物多様性条約に伴うABS (Access to genetic resources and Benefit Sharing) 問題」

共催: 日本学術会議・植物科学分科会

オーガナイザー: 戸部    博 (京大・院・理)
伊藤 元己 (東大・院・総合文化)

生物多様性条約(CBD)の目的の1つにABS「遺伝資源の利用から生じた利益の公平で衡平な配分」がある。実施国際法として2010年に名古屋ABS議定書(NP)が採択された。現在加盟国は、15カ国であるが、日本でも国内法整備と議定書への加盟を準備しつつある。CBD発効以来、生物多様性へのアクセスには、法的及び倫理的配慮が必要であったが、今後はNPの発効を意識し、学術研究としてルールの遵守が必要となる。遺伝資源の意味を十分に理解するとともに、アクセスする際には、植物学会会員もまた、その法令に沿って契約を結び、利用することになる。学会会員が、講演と討論を通じて、ABSの国内法がどのような形になろうとしているのかを知り、理解を深める。

「生物多様性に関わる国際取り決めと学術研究の関係」
渡邊 和男(筑波大学遺伝子実験センター)
「名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会の検討状況について」
堀上 勝(環境省自然環境局生物多様性施策推進室)
「学術研究分野における名古屋議定書の国内措置検討の課題」
鈴木 睦昭(国立遺伝学研究所知的財産室)
「ABSに係わる日本の国内措置の方向性と多様性植物学分野の調査・研究」
村上 哲明(首都大学東京・牧野標本館)
「自然史資料収集とABS」
西田 治文(中央大学 理工)

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