学術シンポジウム

学術シンポジウム 1 Symposium 1

「DDS製剤臨床応用のデスバレーをいかに埋めるか」

オーガナイザー:丸山 一雄(帝京大学薬学部)
近藤    啓(アステラス製薬(株))

我が国ではDDS製剤の基礎研究は非常に盛んであるにも関わらず、医薬品として上市されている品目が欧米に比べて少ないのが現状である。なぜだろうか?優れた基礎研究の成果が必ずしもヒトで臨床応用に結び付かない現状を打破するために、薬剤学分野に身を置く我々にできること、しなければならないこととは何だろうか?本シンポジウムでは、基礎研究成果を臨床応用に繋げる橋渡し研究を推進し、DDS製剤を製品としてユーザーに届けるための道のりに存在する“デスバレー”を埋めるうえでポイントとなる幾つかの切り口から話題を提供いただく。話題の中から臨床応用実現に向けた課題について整理し、今後の展開を推進するための討議をしたいと考えている。

「バイオナノカプセル技術をコアとして大学発ベンチャー経営を振り返って」
黒田 俊一(名古屋大学大学院生命農学研究科)
「ベンチャーキャピタルから見たDDSビジネス」
長谷川 宏之(三菱UFJキャピタル(株))
「機能的価値と顧客価値を考慮したDDS製剤開発」
近藤 啓(アステラス製薬(株))
「アカデミア研究を臨床試験、実用化に繋げる」 
友平 裕三(大塚製薬(株))

学術シンポジウム 2 Symposium 2

「薬物の肺吸収と投与システムの最適化」

オーガナイザー:高野 幹久(広島大学大学院医歯薬保健学研究院)
岡本 浩一(名城大学薬学部)

経肺投与製剤(低分子医薬、高分子医薬)の開発が世界中で活発におこなわれている。全身作用を期待する経肺投与製剤の場合、肺から循環血中への薬物吸収が重要であるが、そのためには肺の生理機能、特に物質輸送機能について理解する必要がある。あわせて経肺吸収に適した製剤やデバイスの開発とその評価法の確立が求められる。本シンポジウムでは、薬物動態並びに製剤学的観点から経肺投与研究の最前線を紹介し、新たな投与ルートとしての肺の可能性について議論を深めたい。

「肺胞上皮細胞の分化転換と薬物輸送機能」
高野 幹久 (広島大学大学院医歯薬保健学研究院)
「輸送体による薬物および内因性物質の肺動態調節」
中西 猛夫 (金沢大学医薬保健研究域 薬学系)
「ヒト吸入パターンを考慮した吸入製剤設計」
岡本 浩一 (名城大学 薬学部)
「経肺吸収製剤の評価法」 
吉田 寛幸 (国立医薬品食品衛生研究所)

学術シンポジウム 3 Symposium 3

「進化するDDS」

オーガナイザー:小暮健太朗(京都薬科大学)
奥   直人(静岡県立大学薬学部)

DDS製剤、標的化製剤は薬効の増強や副作用の軽減など多くの利点を有する。特に超高齢社会を迎えている我が国や、今後高齢化が進む世界各国において、薬の有効性のみならず、副作用が少なくQOLを高く保てる製剤が望まれる。本シンポジウムでは、機能性を追求した斬新なDDSツールや新たなDDS素材の開発・応用に焦点を当てたシンポジウムを企画した。まだ基礎研究の段階にあるが次世代型のDDS製剤としての可能性を考えた取り組みを中心に、いろいろな角度からご講演をして頂き、新たなDDSの方向性について討議したいと考えている。

「VEGF結合能をもつナノ粒子の開発と抗腫瘍新生血管療法への応用」
小出 裕之(静岡県立大学 薬学部)
「標的に応じた構造特性を有する癌治療DDS」
濱 進(京都薬科大学)
「生体内分子機械からなるナノチューブをキャリアとするATP応答性DDSの可能性」
相田 卓三(東京大学大学院工学系研究科)
「新規バイオナノトランスポーターの設計とDDS」 
秋吉 一成(京都大学工学研究科)

学術シンポジウム 4 Symposium 4

「効率的な製剤開発を見据えた原薬物性評価」

オーガナイザー:寺田 勝英(東邦大学薬学部)
川上 亘作(物質・材料研究機構)

一般的な製剤では開発が困難な候補化合物についても、近年は固体分散体やナノ粒子製剤など、それを克服するための様々な選択肢が用意されている。ただし特定の化合物に各技術すべてが適用できるわけではなく、それぞれの技術の特徴をよく理解したうえで、化合物がその技術に適性を持つかどうか判断しなければならない。また適用する技術によって、物性評価の手法や優先度にも違いが生じるため、できるだけ早期からそれを意識することが、その後の研究開発の円滑な遂行に繋がる。本シンポジウムにおいては、最近の原薬物性評価の手法や進め方について、企業研究者を演者に招いて上記の視点から議論をおこなう。

「効率的な製剤開発を見据えた原薬物性評価」
川上 亘作(物質・材料研究機構)
「物性評価とプレフォーミュレーション研究による製剤戦略」
山本 克彦(武田薬品工業(株))
「難水溶性候補化合物の物性評価とナノ化製剤の適用」
真野 高司(小野薬品工業(株))
「創薬段階における固体分散体化を考慮した原薬形態検討」 
我藤 勝彦(アステラス製薬(株))
「DDS製剤の処方設計と原薬物性」 
石原 比呂之(エーザイ(株))

学術シンポジウム 5 Symposium 5

「システム指向科学に基づくPKPDモデリング&シミュレーションの新展開」

オーガナイザー:山下 富義(京都大学大学院薬学研究科)
楠原 洋之(東京大学大学院薬学研究科)

薬剤学では、従来から医薬品の体内動態予測ならびに薬効や有害事象予測に利用するためのモデル開発がおこなわれてきた。近年、in silico, in vitroデータさらにはオミクス情報までをシステムとして統合し薬物の作用を考究する、quantitative systems pharmacology (QSP)に対する関心が高まり、疾病の進行に伴う生体システムの変動をも考慮した医薬品開発が進められている。本シンポジウムでは、システムを指向したモデリング&シミュレーション研究で、第一線で活躍されている先生方に講演いただき、最新の成果と今後の展望について議論したい。

「フィジオームを指向した階層的モデリング/シミュレーション基盤」
浅井 義之(沖縄科学技術大学院大学)
「Cluster Newton Methodを用いた薬物間相互作用の統合的解析」
前田 和哉(東京大学 大学院薬学系研究科)
「定量的システム薬理(QSP)モデルを活用した創薬と医薬品開発:現状と展望」
川合 良成(第一三共(株))
「アルツハイマー病の進行とアミロイドβの蓄積」
樋坂 章博(千葉大学薬学部)
「ネットワーク解析によるドラッグリポジショニング」
山西 芳裕(九州大学生体防御医学研究所)

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