本学会・研究会について

学会長挨拶

第47回北海道作業療法学会
学会長 吉岡英章(牧田病院)

第47回北海道作業療法学会を平成28年6月4日(土)から6月5日(日)にかけて、札幌コンベンションセンターにおいて開催させていただくことになりました。北海道作業療法士会の会員の皆様、作業療法に関わる皆様に学会長として一言ご挨拶を申し上げます。

本学会のメインテーマは『~に、備える』とさせていただきました。北海道では高齢化が更に進む中で制度の大きな変革がなされており、医療や保険に携わる作業療法士の役割は生活行為に焦点化するようなってきています。また、医療の中でもエビデンスを明確に示し根拠のある介入と効果検証がより求められてきています。更に、発達障害では教育との連携が求められており、学校教育の中に作業療法士の技術が役に立つのか検証が必要となってきています。この様に作業療法士の関わる様々な領域や場面で、社会の変化に対応し作業療法士もその役割を広げ、それに資する実力を備えなければなりません。今その変化の途上にあるという意味で、我々は“様々な変化に、備える”必要があると考えテーマと致しました。理念としては理解できるが実際に何をすべきなのか、今はより具体的なことを考える時期になっていると考え、今回の学会では「~に備える」を根幹に据えた介護予防や災害、これからの作業療法の展開・展望などのテーマでの演題を指定演題として募集することとしました。

さらに本学会では、第50回日本作業療法士学会が9月に札幌で開催されることに伴い会期を6月に変更したため、全道研修会と共同開催となっています。そのため、全道研修会の米坂公基大会長と連携を取り、基調講演では谷川真澄先生に「対象者のその人らしさを重視した具体的な実践と関係職種との連携のコツ」、更に教育講演として神経難病、精神疾患、整形疾患、高次脳機能障害の4領域において臨床で役立つ具体的な取り組みについて企画を立てていただきました。

この様に全道研修会と第47回学会を連携した企画を立てる事で、これまでの学会と比べても遜色のない内容になっていると自負しております。企画運営関係者一同、意義ある学会・全道研修会にするために鋭意準備を重ねております。多数の会員の皆様がお越し下さり、積極的にご参加頂くことを心よりお待ち申し上げます。

大会長挨拶

第5回全道研修会
大会長 訪問看護ステーションのっぽろ 米坂 公基

希望や要望に限りはない。作業療法士と一緒に行う作業場面の中から『やりたいこと、やってみたいこと』を見つけ、そのような生活行為を私達作業療法士と対象者が共に経験していくことは大切である。この言葉は日本作業療法士協会中村春基会長が第3回全道研修会IN函館で講演の際に話された言葉です。あれから2年経過し私自身臨床で出来ているか振り返ると自信はありません。皆さんも対象者が身障であれ、精神であれ、または高齢者、発達分野であっても私と同じ思いをされている方は少なくはないのでしょうか。

そういった自信のなさに対して知識や技術、環境の整備など解決策をいくつか用意しておく事で慌てることなく適切な判断が行え、結果として対象者の生活は改善される。失敗も含めてそういった回数の積み重ねが私達の経験値となるのではないでしょうか。そして、私達はその為に研鑚し続けるのではないかと思います。皆さんの中にも日々の臨床の中で迷いながらも真似ぶ・学ぶ姿勢で、ヒントや自分の中に潜在化されている気づきを目覚めさせたくて研修会に参加される方もいらっしゃるのではないかと思います。

今回私達石狩支部が『私達に現在(いま)必要なことを見つめて~』というテーマで皆さんと一緒に捉えていきたい事は、現在を見つめて未来に必要なことに備えて欲しいという事です。見つめる内容は作業療法士としての見識だけではなく、相手に伝わるコミュニケーション力など多岐にわたります。見つめてみると、意外と足元に発見があるかもしれません。逆に足元だけ見てしまった場合、俯瞰してみると見落している点に気づく体験も皆さんはすでにされていると思います。また、情報を得る方法論も再考の余地がでてくるかもしれません。そして、大切な事はただ見つめるだけでは不十分です。改善策を立てて一歩踏み出さないと、現在を変えないと未来は見えてきません。今日やる事は明日のためでもあるはずです。そうやって壁にあたりながらも歩み続け、助言できる方が現在リーダーとして活躍されているのではないかと感じます。

そういった観点から基調講演は福井県有限会社なるざ代表取締役、作業療法士谷川真澄氏をお招きします。谷川氏は生活行為向上マネジメント(MTDLP)に精通されている方ですがその部分だけであれば、他にも選択肢はあったのかもしれません。しかし、現在対象者の『普通に生きたい』という願いを支えるサービスを地域に根付かせる看護・介護サービスを実践する谷川氏は様々な経験をされています。作業療法士免許取得後、総合病院、介護老人保健施設、こころの病院での勤務経験もあり平成16年に有限会社なるざを設立されました。ご自身の祖母との実体験から、対象者の存在表現を感じ取る、家族に近い存在となること、前を向き直して踏み出そうとする人への敬意を忘れない事。これらは、なるざのホームページに記されていることです。その言葉は私達第5回全道研修会運営委員会の「こういう研修会を企画して全道の作業療法士の皆さんに伝えていきたい」という意見と一致しました。講演は「対象者のその人らしさを重視した具体的な実践と関係職種との連携のコツ」と題し、たっぷり2時間の講演時間をとりました。北海道作業療法士会員の大半が病院、施設勤務であることから成果につながる効果的な多職種連携などを中心に話して頂きたいと考えております。

次に教育講演ですが、石狩支部にある4つの養成校の教員、元教員のお力をお借りして4つの講演を同時に1時間半行います。今までの全道研修会アンケートを参考に神経難病、精神科疾患、整形疾患、高次脳機能障害の方の生活に役立つ作業療法にしました。活動・参加といった生活に役立つ作業療法について講演して頂きます。講師陣は神経難病が加藤恵子氏(北祐会神経内科病院・元日本福祉リハビリテーション学院)、精神疾患は松田竜幸氏(北海道千歳リハビリテーション学院)、整形疾患は金子翔拓氏(北海道文教大学)、高次脳機能障害は澤村大輔氏(北海道医療大学)にお願いする事ができました。この4つの講演を選択して聞く事ができます。経験の若い作業療法士の皆さんにも伝わる内容にしていきますのでご期待ください。

最後に『私達に現在(いま)必要なことを見つめて~』は、北海道作業療法学会のテーマ『~に備える』にも繋がっております。様々な~に備えるには必要な事を見つめる経験値の向上と様々な情報から素早く適切な決断力が現在(いま)求められると考えます。私達石狩支部は現状に満足することなく学ぼうとする、成長したいと思っている皆さんを応援します。運営委員も第5回全道研修会に参加者される皆さんが平成28年6月4日満足して帰途につく姿を常にイメージしながら準備します。ですから第5回全道研修会をぜひ活用してください。何卒よろしくお願いします。

実行委員会

第47回学会組織図

第47回学会組織図

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