公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会 平成28年度全国教職員研修会

プログラム

【大会1日目10月26日(水)会場:鳳凰の間(5F)】

11:30~13:30   受付
12:00~13:00   【説明会】
「平成27年度今後の介護福祉士養成教育と養成施設のあり方に関する検討会報告」
「事務局からの連絡・報告」
13:30~14:00   【開会式】
14:15~15:15   【基調講演】
「介護福祉士養成の現状と展望について」
厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室
15:30~17:00   【特別講演】
「より良い授業(教育)を目指して~教師は授業のデザイナー~」
熊本大学大学院教授 鈴木克明氏

■内容
近年生じている介護福祉士養成教育の転換・改変並びに入学者の激減に際し、いろいろな意味で苦しい状況ではありますが、養成施設の第一の使命は、質の高い教育による有能な人材の輩出にあることを忘れてはなりません。改めて、養成施設が存在する意義とは何か、時代変化が生じても揺るがない教育の根幹とは何かを問うたとき、原点に立ち返り、よりよい教育の充実をはかるために、私たち教職員の教育力を常に磨いておく事が重要と考えました。今回、熊本大学大学院教授鈴木克明先生をお招きし、授業設計の考え方について講演して頂き、教育力への一助となることを期待しております。

18:00~20:00   【懇親会】会場:鳳凰の間

★大会期間中の全日程、大会会場となります江陽グランドホテル5F受付付近におきまして、『機器展示』を開催いたします。

■会場ご出展予定企業様(順不同・敬称略)
株式会社進研アド、花王プロフェッショナル・サービス株式会社、公益財団法人 日本レクリエーション協会、株式会社京都科学、日総研株式会社、中央法規出版株式会社、株式会社メヂカルフレンド社、株式会社 明石スクールユニフォームカンパニー

【大会2日目10月27日(木)会場:各分科会・共催セミナー会場】

9:00~12:00 【分科会】

 研修第1日目の基調講演、特別講演を基調とし、具体的な教育方法、教授方法等の観点から「インストラクショナルデザイン」「マインドマップ」「学力評価」「コーチング」「ワールドカフェ」をキーワードに授業の悩みや課題の解決、学生の主体的な学びを創造することの一助になることを期待し、以下の分科会を設けました。

分科会①

「魅力ある授業づくり ~インストラクショナルデザインの考え方を踏まえた授業づくり~」
講師:鈴木克明先生(熊本大学大学院教授)

【内容】
魅力ある授業とはどんな授業なのでしょう?「学生が主体的に学ぶ授業」「学生が分かる授業」に向けて、日々試行錯誤しながら取り組んでおられることと思います。前日の特別講演を踏まえたかたちでインストラクショナルデザインの手法に習い、魅力ある授業をつくるために必要なプロセスや要素について、演習をまじえながら具体的に教授していただきます。日々の授業を見直し、授業力の向上につながる事を期待しています。

分科会②

「授業にいかすマインドマップ」
講師 佐藤好彦先生(日本コーチ協会東北チャプター公認コーチ) 

【内容】
マインドマップは、英国の教育者トニー・ブザンが開発した創造的な思考技術で、脳に 本来備わる情報処理プロセスを活用した思考法です。アクティブラーニングを深めるツールとしても注目されおり、学生のみならず私たちの思考を整理したり、広げたり深めたりする手法として興味深いものです。マインドマップについて見識を得、授業に役立てるヒントが得られることを期待しています。

分科会③ 

「学力評価システムの有効活用」 国試を見据えて授業力の向上
講師 大橋正行先生(学力評価試験委員会委員長)・他

【内容】
介養協の学力評価委員会では、養成校における国家試験受験義務化に備え、作問をはじめ試験の評価・分析を行っています。平成26年度より導入したCAI(Computer Assisted Instrauction)システム(仮称)の概要及びデータの見方・活かし方について理解を深めることは、効果的かつ効率的な学習支援に役立てられるものと考えます。試験を実施する意義に立ち返り、養成校が単に国試の予備校化することなく、授業力の向上、国家試験合格率の向上に寄与するために如何にすべきか提言していただきます。

分科会④

「学習支援に役立てるコーチングの理論と実際」
講師 田渋あづさ先生(日本コーチ協会東北チャプター副幹事)

【内容】
コーチングは、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であり、自発的な行動を促すことにも貢献できる人材開発の技法の一つです。
多様に変化している学生とのコミュニケーション、個々に応じた学習や成長を促し支援する技法を学ぶことは、ティーチング同様に重要なものと考えます。コーチングの理論と実際について演習をまじえながら教授していただきます。学生との向き合い方を再考し、教員自身のコミュニケーション力の向上につながることを期待しています。

分科会⑤

ワールドカフェで考える「授業間連携」
講師 軍司大輔先生(東北保健医療専門学校 専任教員)

【内容】
ワールド・カフェは、あるテーマについてリラックスした雰囲気の中で自由に意見を出し合い、会話(ダイアログ)を行う事によって、お互いの思いや考えの背景について探究し、相互理解を深めることを目的とした話し合いの手法です。ここでは、養成教育の課題の一つである「授業間連携」をテーマとし、参加者が一緒に考えていくワークショップを体験しながら授業に活かせるツールとして理解を深めるとともに、授業関連携に関する多くの知恵や考えを集め、新たな気づきを得る機会としたいと考えています。

13:30~17:00【企業共催セミナー】(2部制)

(第1部13:30~15:00、第2部15:30~17:00)

セミナー1 / 排泄ケア①
共催 白十字株式会社

【内容】
個人の尊厳も羞恥心にも配慮が必要な排泄ケアは明確な知識を学ぶ機会が非常に希薄な状況と感じています。より適正なケア実践には、商品の特徴・機能・構造を理解する事も重要なポイントです。今回、排泄に関する基本的な知識を得ることで、今後の排泄ケアに役立てるようなセミナーを企画致しました。

セミナー2 / 排泄ケア②
共催 白十字株式会社

【内容】
排泄ケアには紙おむつは欠かせませんがどのような基準で商品選択しているのでしょう?タイプやサイズの選び方など基本的な部分を理解しその方の身体状況や排尿量に併せて選ぶ必要性があります。今回、おむつの機能のしくみや選び方について実演を交えながら学習し、適切な排泄ケアに結び付けるような体験型セミナーを企画致しました。

セミナー3 / 食事支援
共催 ニュートリー株式会社

【内容】
高齢社会を迎えた今日、摂食・嚥下機能が低下されている方に対して、QOLを担保しながら安全に「いかに美味しく、食べやすい食事を提供するか」が、大きな課題となっております。今回は、特に「口から食べる」ことをどのように支援するのかを学び、食事支援に役立てるセミナーを企画しました。

セミナー4 / 口腔ケア
共催 T&K ティーアンドケー株式会社

【内容】
口は命の源でありますが、病の入り口でもあり、人にとってデリケートな場所です。しかし、エビデンスの確保された方法に、なかなか至らない現状もあります。この大切なお口のケアが介護の現場でより適切に優しく実施されるように、具体的なケア方法やアセスメント方法等をお伝えするセミナーを企画しました。

セミナー5 / コミュニケーションスキル
共催 日本レクリエーション協会

【内容】
人が集まった時に緊張をほぐして、お互いにコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくることや、ネットワークを構築することは社会生活や業務を遂行する上で重要ですが、具体的な実践はなかなか難しいと思います。今回、対人関係形成の初期段階に求められるコミュニケーションスキルを効果的に適応するためのレクリエーション実践を通して、コミュニケーション能力の向上に役立てられるようなセミナーを企画しました。

【大会3日目10月28日(金)会場:鳳凰の間(5F)】

9:00~10:00【ハイライト講演】

おれんじドア実行委員会代表 丹野智文氏

■内容
39歳で認知症と診断されたトップ営業マン。今も社員として活躍中。
認知症だから何もできないと決めつけず、できないところをサポートして頂き、できることを一緒にして欲しい。「サポーターではなくパートナーとして考えて行動して欲しい」ということを自らの経験を通じてお話して頂きます。

■講師紹介  丹野智文氏
宮城県仙台市在住。ネッツトヨタ仙台在職中。2013年39歳のときにアルツハイマー型認知症と診断される。診断後、会社の理解のもと、営業職から事務職に異動し、勤務を続けている。認知症の本人中心の団体「日本認知症ワーキンググループ」のメンバー。2015年5月、仙台市で認知症患者の悩みに認知症当事者が応じる相談窓口「おれんじドア」を開設。

10:10~11:40 【教育シンポジウム】

■趣旨
介護福祉士養成施設の存在意義を発揮し、教育力の向上に結び付けるためには何が必要でしょうか。今大会では、具体的な教育力向上に向けた方法について研修し、学びを深めて頂く機会を設けました。しかし、介護福祉士養成施設が抱える課題は学生の確保、経営、魅力ある学校づくり等、非常に多様性に富んでいます。これまでの介護福祉士養成施設の取り組みを様々な角度から紹介し、今後あるべき教育の方向性は何かを考えるシンポジウムを開催いたします。

■内容
「教育の方向性について考える」
①学生募集の観点から
②介護現場における人材育成の観点から
③養成施設の特徴、カリキュラムの観点から

11:45~12:00【閉会式】