ラウンドテーブルセッション

第32年会では、以下5件の「ラウンドテーブルセッション」を予定しております。

ラウンドテーブルセッション 1 Round Table Session 1

「最新の医療ニーズからの科学的課題の発掘」

オーガナイザー
佐々木忠徳(昭和大学病院)
原田    努(昭和大学薬学部)

個別化製剤FGでは、患者個別の課題を考える上で、研究者が患者ならびに医療者のアンメットメディカルニーズを知ることが研究活動の原点と考えている。そこで昨年、大学病院で5日間の実習を企画し、医療現場の課題を知る機会を企業研究者に提供した。  本セッションでは、研修参加者が抽出した薬剤学的な問題を紹介し、企業が取り組むべき科学的課題について検討する。さらに、日本病院薬剤師会の「医療上必要な薬剤の市販化に向けた調査検討会」委員長の渡辺先生を招き、研究者および薬剤学会に期待することについて提言いただく。企業研究者と医療者が相互に理解を深め、患者個別の課題に対して薬剤学会としてのソリューションについて議論する。

「企業研究者が耳を傾けるべき声〜医療現場とのギャップとそのソリューションに向けて〜」
  飯田(梅本) 香 (小野薬品工業(株)CMC研究統括部)
「医療現場の現状と製薬企業に求められる課題−臨床薬剤現場研修を通じて−」
  本庄 達哉    (東和薬品(株)製剤技術本部)
「医療上必要な薬剤の市販化に向けた取り組みと課題」
  渡辺 享平    (福井大学医学部附属病院 医学研究支援センター)

ラウンドテーブルセッション 2 Round Table Session 2

「核酸・遺伝子医薬の臨床応用に立ちはだかる障壁について考える」

オーガナイザー
大河原 賢一(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
根岸  洋一(東京薬科大学薬学部)

革新的医薬品の臨床応用には、「@基礎研究で生まれたシーズ」のみならず、それらを臨床に橋渡しをする「Aトランスレーショナル研究」と、品質・安全性を評価するための「Bレギュラトリーサイエンス研究」が不可欠です。これまでDDS製剤臨床応用FGでは、我が国の先駆的なDDS研究の成果の臨床応用を促進することを目的とし、関連する研究領域の現状と課題を明確にしてきました。そこで、本ラウンドテーブルセッションでは、核酸・遺伝子医薬FGと協同し、核酸・遺伝子医薬の臨床応用に必要な@〜Bの要素について、各演者から話題提供を頂き、それらを受けた多面的な議論を展開いたします。さらに核酸・遺伝子医薬シーズの実用化におけるボトルネックとその解決策、および今後の展開について具体的な議論を行い、核酸・遺伝子医薬の開発環境の改善に向けた契機にしたいと考えています。

「多機能性エンベロープ型ナノ構造体の創製とナノ医療への展開」
  原島 秀吉 (北海道大学大学院薬学研究院)
「核酸医薬DDS製剤のレギュラトリーサイエンス研究」
  加藤くみ子 (国立医薬品食品衛生研究所)
「遺伝子・核酸医薬開発における非臨床から臨床へのトランスレーションの実際」
  山本 利憲 (アンジェスMG(株)研究開発本部)

ラウンドテーブルセッション 3 Round Table Session 3

「原薬と添加剤の複合体は、原薬?製剤? ―原薬と製剤の融合技術とレギュレーション―」

オーガナイザー
米持 悦生(星薬科大学薬学部)
山本 浩充(愛知学院大学薬学部)

これまで薬理活性化合物の物理化学的性質改善を目的とし、フリー体や塩といった原薬に関する研究および固体分散体やシクロデキストリン等を用いた製剤に関する研究が広く行われてきた。近年ではより難しい化合物の増加に対応すべく原薬物性研究と製剤化研究の連携が重要視され、原薬と製剤の垣根が低くなってきている。一方で何が原薬であり、何を製剤として扱うか?はレギュレーションの観点から重要であり、共結晶については2016年5月の物性・前臨床FGジョイントセミナーにおいて活発な意見交換がなされた。本ラウンドテーブルでは承認されている複数の特殊な薬剤および新しい技術として注目を集めるcoamorphousやionic liquidなどについて、レギュレーション面も含めた研究成果について共有し、どのように原薬と製剤を区別することが適切であるのか議論する。

「α-/β-シクロデキストリンによるオパルモン®錠の安定化と機構解明」
  井上 靖雄 (小野薬品工業(株))
「原薬形態としての共結晶と製剤中間体としてのコアモルファス」
  溝口   亮 (アステラス製薬(株))
「Coprecipitaion法で製した固体分散体は原薬か製剤か?」
  白木 広治 (中外製薬(株))

ラウンドテーブルセッション 4 Round Table Session 4

「物理薬剤学と生物薬剤学のタッグによる医薬品のall-in-one体内動態予測
 〜創薬・創剤の最適化に向けて〜」

オーガナイザー
前田 和哉(東京大学大学院薬学系研究科)
内田 信也(静岡県立大学薬学部)

医薬品の体内動態の予測・最適化には、薬物の溶出・溶解挙動やDDSの評価を得意とする物理薬剤学領域の研究者と、トランスポーター・代謝酵素等分子論に長けた生物薬剤学領域の研究者が知を結集する必要があるが、現状では、個々の専門領域内での予測研究にとどまっている。日本薬剤学会は、両者が混在するハイブリッドな知を有する学会であるからこそ、本来は”薬剤からのall-in-one体内動態予測”が可能なはずだが、必ずしもお互いの接点をうまく持ててないのが現状である。そこで、本RTDでは、物理薬剤学と生物薬剤学の研究者が、創剤の予測・最適化に向けて、どのようなsituationで協調しうるか?協調のためにはどのような橋渡しが必要か?について議論を深めていきたい。

「In vitro実験に基づくCYP3A4/P-gp基質薬物の
 消化管アベイラビリティ予測モデルの構築を通じて考えたこと」

  高野 順市 (杏林製薬(株)わたらせ創薬センター 薬物動態研究所)
「小野薬品工業における物性・製剤と薬物動態の連携」
  松村 直哉 (小野薬品工業(株)製剤研究部)

ラウンドテーブルセッション 5 Round Table Session 5

「製剤-動態連携による創薬研究:
        医薬品候補化合物の創出を加速する製剤-動態研究の新地平」

オーガナイザー
白坂 善之(東京薬科大学薬学部)
保地 毅彦(アステラス製薬(株))

微量で高い薬理活性を有する医薬品開発の追及に伴い、リード最適化におけるより精密な体内動態制御が求められている。したがって、創薬における薬物動態研究が、合成、薬効、安全性などの他部門と連携することの重要性は益々高まっている。こうした中、通例、開発ステージに上がった化合物に対して導入される製剤技術を、リード最適化に活用する試みが注目されている。DDSに代表される製剤技術を、候補化合物の体内動態制御に活用できれば、より効率的な創薬研究が可能になる。本セッションでは、製剤-動態連携研究が創薬を加速する新しい可能性として、製剤技術による薬物動態特性の最適化と、薬物動態研究に基づいた製剤設計の最適化の両視点に立ち、合成、動態、製剤の三極による革新的な提案と議論を行う。

「創薬/創剤に挑む製剤-動態連携研究の新志向」
  白坂 善之 (東京薬科大学 薬学部 薬物動態制御学教室)
「製剤・DDS技術活用による創薬研究における新たな価値創造への挑戦」
  近藤   啓 (アステラス製薬(株) 製剤研究所)
「創薬における製剤技術の活用と今後の課題」
  長縄 厚志 (小野薬品工業(株) 医薬品化学研究部)

ページの先頭へ

Copyright © The Academy of Pharmaceutical Science and Technology, Japan All Rights Reserved.