大会長あいさつ

第86回日本寄生虫学会大会を平成29年(2017年)5月28日(日)と29日(月)の両日、北海道大学学術交流会館(札幌市)で開催することになりました。

日本寄生虫学会大会の札幌市での開催については、北海道大学獣医学部家畜寄生虫病学教室を主宰した山下次郎先生が昭和35年に第29回大会を、大林正士先生が昭和61年に第55回大会をそれぞれ主催されました。今回は31年ぶりの開催であり、北海道大学にとっても私達にとっても大変光栄なことであります。

北海道大学は、明治9年(1876年)札幌農学校として開校しましたが、1910年に獣医学講座が開設され、1913年には獣医学部の前身の畜産学科第二部が設置されました。1952年には獣医学部として農学部から独立し、その後1995年より北海道大学大学院獣医学研究科となりました。2005年に連携部局として人獣共通感染症リサーチセンターが新設され、2013年には動物医療センターを新築するなど、本研究科は教育、研究、社会貢献および国際連携の各分野において発展してきております。

年に一度の日本寄生虫学会大会は、研究成果の発表の場であるとともに会員相互の情報交換や懇親の場でもあります。若手研究者からは意欲的な研究を募り、第11回ベストプレゼンテーション賞を設けます。教育講演として、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター統括の喜田宏先生に「人獣共通感染症としてのインフルエンザ」について解説して頂きます。また、大会長講演に引き続き、記念講演として、獣医学・畜産学の分野から寄生虫学の発展に貢献されてこられた五十嵐郁男先生と中井裕先生にそれぞれの研究成果や研究人生についてご講演いただきます。科学技術の進歩と社会構造の変化に伴って、寄生虫学研究も多様化していますが、一方で、寄生虫の発見や個々の研究の歴史を学問的に振り返ってみることも重要なことと思われます。これらの講演が、会員各自の学術的視野を広めることに貢献し、さらなる研究進展の機会になることを願っています。

北海道は、地域ブランド調査2015都道府県別において魅力度が1位でありました。札幌市は、明治2年(1869年)の開拓使設置以来、北海道開拓の拠点として発展し、現在は全国5番目の都市(人口190万人超)に成長し、観光拠点としても進化しています。海の幸、山の幸、畜産品、ビール・日本酒・ウイスキー、ラーメン、カレー、スイーツなど、どれをとっても満足のいくものを楽しむことができます。大会の懇親会では北海道の名物料理と北海道大学の蛮カラ校風をお楽しみいただきます。

大会会場の北海道大学学術交流会館は、JR札幌駅から歩いて5分の至便な位置にあります。多数の皆さまにご参加いただき、本大会が盛会となりますよう、お待ち申し上げております。

第86回日本寄生虫学会大会
大会長 片倉 賢
(北海道大学大学院獣医学研究科寄生虫学教室 教授)