ラウンドテーブルセッション

第33年会では、以下6件の「ラウンドテーブルセッション」を予定しております。

ラウンドテーブルセッション 1 Round Table Session 1

「経皮適用製剤技術の発展における薬剤学と香粧品科学の相乗的効果を考える」

オーガナイザー
徳留 嘉寛 (城西大学 薬学部)

藤井 まき子 (日本大学 薬学部)

薬剤学、特に経皮吸収に関係する分野の一つとして化粧品・香粧品分野が挙げられます。化粧品や経皮適用製剤は皮膚に塗布した後に効果を期待するので、皮膚浸透性、有効性を薬剤学や皮膚生理学(生化学)的に議論し、総合的に考える必要があります。今まで、この領域の研究者が同時に議論する場所が少なかったのが現状です。今回は、これら領域の研究者と直接的または間接的に関わり合い、薬剤学、香粧品科学の発展につなげるためにラウンドテーブルを開催したいと考えております。

「環境因子が皮膚に及ぼす酸化ストレスとその生理学的意味」
正木 仁 (東京工科大学)
「水による角層構造の変化と機能への影響」
岩井 一郎 ((株)サティス製薬)
「ヒアルロン酸を経皮吸収させる新剤形」
徳留 嘉寛 (城西大学 薬学部)

ラウンドテーブルセッション 2 Round Table Session 2

製剤処方検討に最適な実験動物を考える 〜Dog or other animals?

オーガナイザー
近藤 啓(静岡県立大学)
山下 伸二(摂南大学 薬学部)

現在まで、多くの企業において経口剤の処方検討にはイヌが繁用されてきた。その最大の理由は、ヒト臨床試験で用いる製剤と同じサイズの製剤の投与が可能となるためであるが、イヌとヒトにおける消化管内での製剤の挙動や、製剤からの薬物吸収性は必ずしも一致しないことが知られている。そのため、イヌにおいて良好な吸収プロファイルが得られた場合でも、ヒト試験に進む際には一定のリスクを伴うことになる。一方、イヌに代わる製剤試験用の動物種として、サルやミニブタなどが検討されてきたが、いずれも一長一短であり、ヒトを反映する最適な動物種とは言い難い。本セッションでは、これまで蓄積されてきた科学的・経験的な情報に基づき、製剤処方検討における動物試験の在り方を考えるとともに、in silico技術の併用による効率的な製剤開発についても議論を行う。

「はじめに」
山下 伸二(摂南大学 薬学部)
「In silico M&S技術と動物実験に基づく経口投与製剤の設計」
室 篤志(アステラス製薬(株))
「製剤開発のための動物実験法〜イヌの胃酸度調整法の新提案〜」
村野 美佳(大日本住友製薬(株))

ラウンドテーブルセッション 3 Round Table Session 3

「経口吸収研究の未来予想図〜Keep Running & Challenging〜」

オーガナイザー
片岡 誠(摂南大学 薬学部)
亀井 敬泰(神戸学院大学 薬学部)

現在、生理活性ペプチドなどの生物学的医薬品の投与ルートは非経口が主流であるが、QOL等の観点から経口製剤化が望ましいと考えられる。しかしながら、そのような医薬品が有する潜在的な問題(生体膜透過性や消化管内での安定性等)により経口投与製剤化には高いハードルが存在している。そこで本ラウンドテーブルでは、経口吸収研究の未来予想図と題して、当該分野に関する経口吸収研究の今後について現状と最新の研究を交えて活発な議論を交わしたい。なお、若手研究者だけでなく、これまで多くの経験を有しているシニア研究者の方々にもご参加願いたい。また、薬物動態学/製剤学を含めて様々な視点から討論したい。

「タンパク質・ペプチド薬物の経口吸収促進戦略」
亀井 敬泰(神戸学院大学 薬学部)
「バイオ医薬品の経口投与型DDS開発を目指した小腸透過性環状ペプチドの同定と有効性評価」
伊藤 慎悟(熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系))
「微粒子キャリアによる高分子医薬の経口デリバリー」
田原 耕平(岐阜薬科大学)

ラウンドテーブルセッション 4 Round Table Session 4

「核酸医薬の実用化を加速するデリバリー戦略とレギュラトリーサイエンスについて考える」

オーガナイザー
石原 比呂之(エーザイ(株))
井上 貴雄(国立医薬品食品衛生研究所)

DDSを活用した核酸医薬誕生の黎明期を迎えている現在、日本が世界に伍して優れた核酸医薬を創出していくためには産官学が集って課題を共有し連携を推進することが肝要です。DDS製剤臨床応用FGと核酸・遺伝子医薬FGは、核酸・遺伝子医薬の実用化と開発環境の改善の推進を意図した合同シンポジウムなどを実施してきました。本セッションは、核酸医薬ならびにそのDDS技術に関する最新の開発動向、さらには品質・安全性評価の整備に資するレギュラトリーサイエンスに関する話題提供を通じて、核酸・遺伝子医薬の臨床応用を更に推進する上での課題を整理し、その解決に向けた議論の場を提供することを目的とします。

「核酸医薬開発の現状と趣旨説明」
石原 比呂之(エーザイ(株))
「核酸医薬品の開発動向と課題」
井上 貴雄(国立医薬品食品衛生研究所)
「企業における核酸医薬デリバリー技術研究の変遷と今後について」
菊池 寛(エーザイ(株))

ラウンドテーブルセッション 5 Round Table Session 5

「溶けたらいいってものではない!難水溶性薬物の経口吸収改善を確実に達成するための製剤設計と吸収予測」

オーガナイザー
川上 亘作(物質・材料研究機構)
鈴木 恭介(第一三共RDノバーレ(株))

難水溶性薬物の経口吸収改善には過飽和溶解の利用が極めて有効であることから、本分野における最近の研究進展は目覚ましい。一方で、企業の開発現場においては溶出試験と経口吸収性に相関が認められない例が多く、先進的な研究成果の開発研究への反映が急務と言える。本RTでは過飽和溶解に関する最近の理解をふまえ、いかにそのような知見を製剤開発に活かすかを議論する。なお本発表内容には立命館大学が主催する創剤研究コンソーシアムの活動にて得られた成果の一部を含み、複数の製薬企業が共通の問題解決を目指して連携するコンソーシアム研究の有用性についても触れる。

「非晶質固体分散体の経口吸収予測」
及川 倫徳(沢井製薬(株))
「過飽和状態における液-液相分離と膜透過性の関係」
吹上 雅文(小野薬品工業(株))
「過飽和溶液中における液液相分離現象について」
川上 亘作 (物質・材料研究機構)

ラウンドテーブルセッション 6 Round Table Session 6

「薬物相互作用・個別化医療FGの今後を問う−フォーカスグループへの期待と課題」

オーガナイザー
米澤 淳(京都大学大学院薬学研究科、京都大学医学部附属病院薬剤部)
内田 信也(静岡県立大学薬学部)

2009年にスタートした薬物相互作用FGは次年度(2018年度)から名称を「薬物相互作用・個別化医療FG」と変更し活動を展開する計画である。「薬物動態(または薬効)の個体間変動」を創薬や臨床においてどのように捉え対処すべきかについて、物理薬剤学と生物薬剤学、医療分野の専門家が集う薬剤学会の特色を生かし、いかなる提言ができるかについて考える機会としたい。演者として大学、臨床と企業のそれぞれの立場から、薬物相互作用と個別化医療について注目すべき点を講演してもらい、本FGへの提言を語ってもらう予定である。また本FGの構成メンバーに広く広報し、会員参加型のFGとして本FGの今後の活動について皆でディスカッションする機会としたい。

「薬物相互作用・個別化医療FGに課せられた次の使命は?」
前田 和哉(東京大学薬学部)
「臨床における薬物間相互作用と個別化医療」
米澤 淳(京都大学医学部附属病院薬剤部)
「薬物動態の変動要因としての疾病」
山村 直敏(第一三共(株)薬物動態研究所)
「薬物相互作用に関する定量的予測の現状および今後の課題:開発化合物を例に」
山崎 慎司(Pfizer Inc./La Jolla Laboratories)

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