大会長あいさつ

地域まんでがんソーシャルワーク

地域まんでがんソーシャルワーク~生活することを支えるために~

大会長 和田 有加(屋島総合病院、香川県医療ソーシャルワーカー協会会長)

この度は、日本一小さな県「香川県」において長年の念願であった、第66回公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会、第38回日本医療社会福祉事業学会ならびに四国ブロック大会が開催されることを心より喜ばしく思います。

さて、香川県においては「まんでがんソーシャルワーク」といったテーマを銘打って開催することとなりました。「まんでがん」とは、香川の方言で「すべてを含む(包括)」といった意味があります。

私たちは、日々、支援の専門家として医療分野における職務を遂行しています。そのミクロからメゾへの支援の中で展開されるソーシャルワークが「人と人」「組織と組織」をつなぎ、地域での様々な取り組みやシステムの構築につながる働きをしてきました。2018年度は医療・介護の同時改定もあり、2025年に向けて長期的な体制や機関を超えた広域でのあり方が問われる整備がさらに急がれています。そのような状況の中、私達においてはソーシャルワークの基盤の上でさらなる広い視野での視点と取り組みが求められ、マクロに働きかけていく地域でのソーシャルアクションも期待されています。患者・家族の生活を支える為の包括的支援は「地域」における他領域、他分野との連携・協働において成し得ることだと思います。

四国は、弘法大師(空海)が開設された札所を巡る『お遍路』の文化が色濃残っています。この『お遍路』文化は、札所めぐりの自己覚知の旅であり日常と離れた内省を基に生き方を再構築される時間を生きる旅なのです。また、各地にはお遍路を支える「お接待の文化」が残っています。他者を利己にとらわれずありのままを受け入れ送り出す、人として豊かな温かみのある暮らしが残っています。まさに、我々の目指すソーシャルワークが黙々と穏やかに培われているところなのです

飛び交う情報や増加する業務と細分化されつつあるソーシャルワークを、全国の皆様と語り明かし、より高みを目指し自己覚知のため切磋琢磨のきっかけになれば幸いです。

「うどん県。それだけじゃない香川県!」

四国ブロックの会員一同、心からお接待いたしますので、全国の皆様のご参加をお待ちしています。