本学会について

学会長・大会長 挨拶

学会長・大会長
公益社団法人 北海道作業療法士会
清水兼悦

我が国のリハビリテーション医療におけるOccupational Therapy(作業療法)は、アメリカにおける戦傷者の社会復帰のための職能療法的な専門職教育として導入され、1963年の国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院が開設されたときにはOccupational Therapyの訳語が決まっていないためにOT科として教育が開始され、1965年の身分法で職能療法ではなく、精神科系の生活療法の一環として使われていた作業療法に統一されたと聞いています。

その後、作業行動理論や感覚統合療法などを学んだ先達が、北海道大学医療技術短期大学部(1981開学)や札幌医科大学衛生短期大学部(1983開学)などを中心として、臨床教育・研究センターとして先駆的な取り組みを行ったことにより、作業療法の適用が広がり始め、1986年~1989年の3回にわたる日本作業療法学会で、その手段や過程、効果を含めた専門職としての同一性である「作業療法の核」が問われるまでに発展しました。

一方、北海道作業療法士会は、1969年10月に 故 秋元久實氏を中心に8名の先達が集まり、日本作業療法士協会北海道学術支部として創立されました。それ以来、2019年で設立50周年を迎え、学会(研修会)としても1970年11月に第一回が開催されて以来、50回目の記念大会となります。ちなみに第一回学会の内容は、日本作業療法士協会の初代会長である鈴木明子氏による特別講演「WFOTに出席して」、ADLについての講演、CP児・CVA(その1と2)・上腕義手装具・脊髄損傷及び末梢神経損傷に対するADLといった6名によるセミナーであったと記録されています。それからの北海道作業療法士会や学会が今のような形式に近づいたのは、上述のとおり北海道大学医療技術短期大学部と札幌医科大学衛生短期大学部が揃った1983年の第14回学会からであったと記憶しています。

このように精神障がい者へのアプローチを源流としつつも、労災(戦傷者)や小児、身体障がい者へと医療の進歩とともに適用が拡がり、さらに、1970年の平均年齢は男69.3歳、女74.7歳、高齢化率7%でありましたが、2018年には男81.1歳、女87.3歳、高齢化率28.1%へと飛躍的に高齢化が進んだこともあり、多疾患で重複障がいや認知症を有する高齢者、そして医療保険のみならず介護保険、さらには地域における介護予防にも適用が拡がり、貢献が期待されていることは言うに及ばないことです。

しかしながら、その適用の拡がりには明らかな効果判定が伴っていないことも周知の事実であり、職能団体としても学術団体にしても解決しなければ存続にかかわる重要なことでもあります。

そのような時代背景の中、北海道作業療法士会は次の50年を見据え、従来の士会と学会の関係を、作業療法士の職能と作業療法学の学会として再構築することに着手し、その一環として50周年を記念して学術誌北海道作業療法を、全国・全世界へ発信すべく電子ジャーナル「作業療法の実践と科学」として刊行することとなりました。また、この度の学会を学術大会と研修大会の併催として、テーマを「作業療法の実践と科学 ~拡がる適用 問われる効果~」とし開催することとなりました。

拡がる適用と問われる効果の判定に必要な多くの実践と科学を求め、広く全国の作業療法学を研鑽されているSIGなどにセミナーをお願いし、研修とともに学術の討論ができるようプログラムを作成しております。ご期待ください。

実行委員会組織図

学術大会長・研修大会長

清水兼悦(札幌山の上病院)

副学術大会長・副研修大会長

仙石泰仁(札幌医科大学)

実行委員長

太田久晶(札幌医科大学)

総務部

事務局長 吉岡英章(牧田病院)

文書担当 山口竜矢(牧田病院)

接待担当 前田さゆり(札幌佐藤病院)

財務部

部長 中村充雄(札幌医科大学)

演題抄録部

演題採択委員長 阿部正之 (社会医療法人北斗)

会場進行部

部長 齊藤秀和(札幌医科大学)

会場担当 勝浦駿平(札幌医科大学附属病院)

受付担当 横山和樹(札幌医科大学)