ラウンドテーブルセッション

第34年会では、以下6件の「ラウンドテーブルセッション」を予定しております。

ラウンドテーブルセッション 1 Round Table Session 1

脳内薬物デリバリーの現状、課題、将来展望について考える

オーガナイザー
近藤  啓  (静岡県立大学薬学部)
大河原 賢一 (神戸薬科大学)

高齢化社会を目の前に控えた日本において、中枢領域の疾患患者が増大することは大きな社会問題の一つとして捉えられている。中枢領域疾患に対する薬物治療を達成するためには、薬物を効率的・効果的に脳内に送達するDDS技術の研究開発の進展がカギを握っているといっても過言ではない。そこで本ラウンドテーブルセッションでは脳内DDS技術をテーマとして取り上げる。薬物の脳内への移行を制限している血液脳関門(Blood Brain Barrier: BBB)を介した物質の輸送について整理するとともに、BBB介在およびBBB非介在での脳内デリバリー技術の研究開発の現状と将来展望についての議論を薬理の専門家を交えて展開する。

脳への薬物送達における課題と解決法
寺崎 哲也 (東北大学大学院薬学研究科)
バブル - 超音波による脳内薬物デリバリー
丸山 一雄 (帝京大学薬学部)
中枢領域における新規創薬開発と脳内送達技術の現状
三原 拓真 (アステラス製薬(株))

ラウンドテーブルセッション 2 Round Table Session 2

QbDに基づいた医薬品開発・製造 ‐ライフサイクルマネジメントにどう対応するか‐

オーガナイザー
宮嶋 勝春 (ナノキャリア(株))
高山 幸三 (城西大学薬学部)

これまで医薬品の品質は、GMPとProcess Validationを通して担保されてきたが、FDAは2011年Process Validationガイドラインを改定し、製品のライフサイクルを通した取り組みをProcess Validationと定義した。一方、2018年承認取得後の変更管理に関するICH Q12 「医薬品のライフサイクルマネジメント」(Draft)が発表された。医薬品の品質はこれまでのような3LotsのValidationや何か1つのイベントで保証するのではなく、製品のライフサイクルを通した取り組みにより保証するという考え方が明確に示されることとなった。こうした取り組みの基本となるのがQbDに基づいた開発であり、本ラウンドテーブルでは、こうした背景を踏まえライフサイクルマネジメントを見据えたQbDの取り組み・考え方について議論し、今後の医薬品開発のあるべき姿を示したい。

QbD アプローチへの規制当局の期待
松田 嘉弘  (独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
医薬品ライフサイクルマネジメントを踏まえた実践的な取り組み
則岡  正  (アステラス製薬(株))
小さすぎて出来ない! Do the small and medium-sized enterprises need to follow the ICH guidelines?
古田土 真一 (GMDPコンサルタント)

ラウンドテーブルセッション 3 Round Table Session 3

経口吸収研究を加速させるモデリング&シミュレーション

オーガナイザー
尾上 誠良 (静岡県立大学薬学部)
上林  敦 (アステラス製薬(株))

医薬品開発研究の難化が進む昨今、その効率化と開発成功確率を向上させる取り組みの一つとしてモデリング&シミュレーションが積極的に開発戦略に導入されており、探索研究から臨床に至るまで開発ステージや目的に応じて幅広く適用されている。特に創薬初期過程の経口吸収予測における活用は創薬成功確率を高めるうえで極めて重要な位置付けにあるものの、そのアプローチや適用目的は各社によって異なっているのが実情である。本ラウンドテーブルでは医薬品開発の最前線でモデリング&シミュレーションを用いた経口吸収研究に従事する企業研究者に登壇いただき、「候補化合物の経口吸収予測」「製剤の吸収性予測(BE 予測を含む)」「ヒト投与量予測」というそれぞれ異なるステージでの適用について概説して頂く。講演後は経口吸収研究におけるモデリング&シミュレーション導入の課題とその解決方法、効果的な活用方法等について網羅的に議論する。

医薬品開発における経口吸収モデリング& シミュレーションの活用
清田 豪志  (アステラス製薬(株))
薬物の経口吸収評価を目的にしたin vitro 細胞透過性試験の新規モデル解
尾関 和久  (中外製薬(株))
臨床投与量およびヒト薬物動態予測へのModeling & Simulation の活用
遠山 季美夫 (武田薬品工業(株))

ラウンドテーブルセッション 4 Round Table Session 4

Special populationの薬物動態・薬効・副作用予測に求められる情報・技術とは?

オーガナイザー
内田 信也 (静岡県立大学薬学部)
前田 和哉 (東京大学薬学部)

Special population (SP)では、Phase Iの対象となる健常人と比べ薬物動態が大きく異なることが想定される。しかしSPでの臨床試験はハードルが高く、医薬品の開発初期では、患者集団での薬物動態に関する情報は限られる。生理学的薬物速度論モデルを用いた薬物動態の動的な予測が進展を見せているが、多くはヒト健常成人のデータに基づくものであり、病態や患者背景等を考慮したモデリングは、その必要性は認知されているものの、具体的な方法論は未だ確立しているとは言えない。本RTセッションでは、SPでの薬物動態や薬効、副作用の変動予測における課題を明確化し、その克服に向けて求められる情報収集や解析技術について、産と学・基礎と臨床等、様々な視点から議論する機会としたい。

医療現場で必要とされるSpecial population の情報
大野 能之 (東京大学医学部附属病院薬剤部)
日常診療情報に基づいた母集団解析によるSpecial populationの薬物動態・薬効予測
廣田  豪 (九州大学大学院薬学研究院)
生理学的薬物動態モデリングを用いたSpecial population における薬物動態の予測に関する展望:製薬企業の研究者の立場から
峯松  剛 (アステラス製薬(株))

ラウンドテーブルセッション 5 Round Table Session 5

次世代を担う核酸医薬DDS技術の新領域

オーガナイザー
金沢 貴憲 (日本大学薬学部)
山田 勇磨 (北海道大学大学院薬学研究院)

近年、遺伝性希少疾患に対して核酸医薬品が相次いで承認されており、新たな創薬モダリティとしての期待が高まっている。一方で、現在承認されている中枢疾患や眼疾患に対する核酸医薬品治療は、髄腔内投与や硝子体投与などの侵襲性が高い投与方法に限定されている。また、がんに対する有効な核酸医薬品は未だ実用化されていない。このような背景を踏まえ、本ラウンドテーブルでは、核酸医薬DDSの新たな技術領域を開拓すべく経鼻投与や点眼・吸入といった非侵襲的技術と、免疫チェックポイント阻害療法との併用が期待されるがん免疫にフォーカスを当てて、これらの次世代の核酸医薬DDS技術の有用性について、活発に議論したい。本ラウンドテーブルは、核酸・遺伝子医薬FGの企画である。

中枢疾患を標的とする非侵襲的核酸医薬DDS技術
金沢 貴憲 (日本大学薬学部)
眼・肺疾患を標的とする非侵襲的核酸医薬DDS 技術
田原 耕平 (岐阜薬科大学)
がん免疫療法のための核酸医薬DDS 技術
中村 孝司 (北海道大学大学院薬学研究院)

ラウンドテーブルセッション 6 Round Table Session 6

光老化を防ぐ製剤とその使用法〜サンスクリーン剤の知識と処方設計〜

オーガナイザー
徳留 嘉寛 (城西大学薬学部)
正木  仁 (東京工科大学)

紫外線による肌への影響は「光老化(ひかりろうか)」として知られており、美容の観点ではシミ・シワ・たるみの原因となり、将来的には皮膚がんの誘発につながります。これを予防するために日常的なサンスクリーン製剤の使用が勧められています。サンスクリーン製剤には紫外線吸収剤、紫外線散乱剤が配合され、様々な剤型の利用が可能です。サンスクリーン剤は製剤化が難しいので、その処方設計、さらに皮膚に浸透しない最近の紫外線吸収剤などについても議論します。

(後援: 日本香粧品学会)

紫外線吸収剤を肌に入れない製剤技術
本間 悠太 ((株)成和化成)
サンスクリーン製剤のバリエーションと耐こすれ性に優れた製剤化技術
福井  崇 (花王(株))
サンスクリーン剤の知識と実使用での課題
藤原留美子 (日本化粧品工業連合会 紫外線専門部会)

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