日本土壌肥料学会2019年度静岡大会

ご挨拶

時下、皆様方におかれましてはますますご健勝のことと拝察申し上げます。日本土壌肥料学会2019年度静岡大会の開催に当たり、ご挨拶申し上げます。

本学会は、食料の生産に深く関係している土壌学、肥料学、植物栄養学の近代的な理論と技術体系を構築することを目的として、1927年に設立されました。以来約90年、国土資源の保全に関連する環境科学の分野なども取り込み、2006年からは社会・文化土壌学に関する研究部門を加え、現在では約2,500名の会員を擁し研究活動や技術開発の範囲を広げてまいりました。

静岡大会では約1000名のご参加を想定し、土壌物理から、土壌化学・鉱物、土壌生物、植物栄養、土壌生成・分類・調査、土壌肥沃度、肥料・土壌改良資材、環境、社会・文化まで9部門に分かれて、多数の口頭発表やポスター発表、シンポジウム、公開講演会並びに企業展示等を開催し、会員諸氏による有意義な研究情報の交換や、地域や社会への情報提供・普及に大きく貢献する場となるよう、鋭意準備を進めております。また、理科教育における土壌学、肥料学、植物栄養学ならびに環境に関する研究分野の知識拡大を目的として、高校生による課外活動の研究成果をポスターで発表する機会も例年通り設けます。

静岡県は、自動車や食品、化粧品等のものづくりが盛んな一方、お茶、ミカンをはじめ、メロン、イチゴの施設園芸など多様かつ高品質な農産物を生産しています。2013年に「茶草場農法」、2018年に「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定されるなど、自然と調和した栽培方法を護りつつ、一方ではAIやICTを活用した施設栽培技術の開発をすすめるなど、多様で活力ある活動が各地で行われています。また、3776 mの富士山から水深2500 mの駿河湾まで多様な資源も魅力の一つです。さらに、2018年に世界ジオパークに伊豆半島が認定され、温泉だけでなく新たな魅力としてジオサイト・ジオポイントを巡るツアー(ジオツアー)も開催されています。鮪をはじめとする美味しい魚介類、個性豊かな吟醸酒も忘れてはならない静岡の魅力です。

会場となる静岡大学農学部は、静岡駅からはバスで約20分、静岡空港から静岡駅まで高速バスで約60分の近さです。市内には快適なシティホテルやビジネスホテル、近郊には温泉旅館が多数あります。ぜひ静岡でのご滞在をお楽しみ下さい。

なお静岡大会の開催に当たっては、静岡大学のほか、静岡県・静岡市による大きなサポートをいただいております。また企業各社様からのご支援も大きなお力添えとなっており、ここにお礼申し上げます。

最後になりますが、日頃の研究成果に関する多数のご発表とご討論を頂きますよう、多くの皆様方のご参加を運営委員一同、心よりお待ちしております。

一般社団法人日本土壌肥料学会2019年度静岡大会
大会運営委員会 委員長 森田 明雄
(静岡大学 農学部 教授)