『総合旅程管理主任者研修 2017 in 香港』レポート

 

ツアーコンダクター(添乗員)になるために「総合旅程管理主任者」の資格が必要になります。
この研修ではその資格を取得する為、「国内での5日間の講義・試験」・「3日間の香港での実務研修」を行ないました。
香港での実務研修の様子をお伝えします。

 

1日目

総合旅程管理主任者研修(ツアーコンダクター研修)2017 in 香港では参加学生自身が添乗員となり、グループごとに3日間の行程の中で順番に添乗員としての“業務”を学びます。
1日目は関西国際空港に7:00集合、その少し前から学生添乗員の仕事は始まっていました。センダ―との打ち合わせから、お客様(学生)に搭乗までの流れの説明を、そして実際にお客様を搭乗ゲートまで誘導するなど、プロの添乗員監視の下ではありますが、学生添乗員が自ら考えて行動しました。ただ、旅行慣れしている人からすれば何気ないことも、海外が初めてのお客様からすればセキュリティーや出国審査などは初体験。お客様がどのような情報を求めているかの先読み、また、そこまで知っておく必要があるのかというくらいの事前準備の大切さを痛感したとのことです。

<関西空港集合>

香港国際空港到着後は学生添乗員の誘導により専用バスに乗車しました。現地ガイドとも合流して、バス車内での初めてのアナウンスに苦戦しながらも、第一目的地「黄大仙」に到着。「添乗業務では、お客様が求めるもの・情報・を先読みして言われる前に伝えることが大切」というプロ添乗員のアドバイスから、学生添乗員が現地ガイドにトイレの場所や喫煙所、飲み物が買える場所など、質問攻めしていました。
自由散策中も、お客様から目が届くところに立ったり、迷子にならないように学生添乗員がポイントごとに立つなど、何が起きうるかを先読みして行動していました。
その後、ホテルへ到着。ホテルのチェックインは学生添乗員が英語で行ないます。ただチェックインを済ませるだけでなく、お客様にご案内するために電話のかけ方、テレビ(日本のNHK)案内、モーニングコール、朝食の時間や場所などフロントの方に尋ねることはたくさんあります。
夕食までの各自部屋での休憩時間でも、学生添乗員は部屋に置かれているアメニティーが有るか、シャワーのお湯が出るかなど、休みなしで各部屋をまわって確認して走り回っていました。
北京料理レストランで夕食を済ませた後は、オープントップバスに乗車して、女人街にて市内散策。香港のデザートなどを食べることができ、学生は大変満喫した様子でした。

2日目


<文武廟にて>


<レストランにて夕食のアナウンス>

2日目は学生添乗員が前日にホテルに依頼していたモーニングコールで起床。近くのレストランにて中華粥の朝食を済ませた後、文武廟、アバディーン、レパルスベイ、ガーデンオブスターズといいった香港の観光名所を、現地ガイドと連携を図りながら学生添乗員の案内で巡りました。昨日のプロ添乗員からのアドバイスを活かし、先読みしながら必要な情報や注意すべきことをお客様にアナウンスしていました。

昼食で飲茶(ヤムチャ)を食した後、アウトレットモールへ足を運びました。ここで、みんなは日本へのお土産を主に買っていました。「今まで特に何も考えずに観光したり、お土産を買っていたが、この研修ではお客様の立場に立って観光してる意識を持つことで、お客様が何を求めているかを知ることが出来る。」という学生の言葉もありました。 夕食後も、シンフォニーオブライツ鑑賞、ビクトリアピークから「100万ドルの夜景」鑑賞など、香港の夜を満喫しました。

3日目

3日目も学生添乗員がフロントに依頼していたモーニングコールで6時半に起床。この日の朝食はホテルでとりましたが、学生添乗員は1番乗りで待機して、1番最後に食事会場を後にしました。チェックアウトでは、個人精算が必要なお客様がいる可能性がある為、その確認をフロントで行いますが、個人精算の単語が英語で分からず、何度もフロントに聞き返され、お客様を何分も待たしてしまいました。その後、対応していた学生に話を聞くと、自分の英語力、そして臨機応変に対応する力の無さを改めて見つめ直すことができ、今後何をすべきかはっきりと分かる良いきっかけになったと話してくれました。


<ホテルにてフロントとのやりとり>

3日目は、2つのホテルと香港現地事務所の視察を行いました。香港現地事務所では、日本人スタッフから海外で働くとは、香港のツーリズム業界についてお話をして頂きました。学生からは、海外で働きたいが今から何をすべきか、日本で働くのと大きく違う点などの質問があり、ご丁寧に対応して頂きました。

その後、香港国際空港を向かい空港内で各自昼食をとりました。出発ゲートの前で再集合をし、最後のブリーフィングを添乗員(学生)から、そして3日間のまとめをプロ添乗員から行ない、日本へ向けて出国しました。しかし、これで学生添乗員の仕事は終わりません。今回の研修では、なんと台風接近の為、1時間ほど到着が遅れました。そのため、最終電車に乗れない可能性のある学生が。しかし、3日間もなれば慣れた手つきでプロ添乗員と相談しながら対応していました。最後の最後まで充実した3日間だったと思います。


<現地日本人スタッフのお話>


<香港国際空港にて>

日本中、世界中の好きな国や場所を訪れることができ、華やかだと言われている添乗員。華やかな仕事の裏に隠された莫大な情報量の準備、そして普段なら目につかない小さなことにまで目を向けなければならない苦労を知ることができたかと思います。この経験を活かして残りの学校生活、そして今後の人生で大きく活躍されることを願っております。

 

 

「「総合旅程管理主任者研修」は、もちろん、旅行会社で働きたい、添乗業務を仕事にしたい人には必要な研修ですが、この研修を通じて、

  • 社会人としての基本のマナー
  • 1つの団体をマネージメントしていく力、発信力(情報を伝達する)
  • 理解力
  • 先を読む力
  • 想像力
  • 危機管理能力 など
これらの重要性、また自分に何が不足しているかを実感するに違いありません。 添乗業務にかかわらず、社会で働く上で必要な力といえます。 学生の皆さんには、「総合旅程管理主任者研修」を通して、社会で働くということを体感していただき、今後の人生の1つの道標にしてもらいたいと思っております。

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