大会方針

大会主題

「一人一人のよさや可能性を伸ばし 生きる力を育む放送・視聴覚教育の推進」
         〜豊かな学びをつくる教育メディアの活用〜

主題設定の理由

 平成27年8月に,新しい学習指導要領等が目指す姿,各学校段階・各教科等における改定の具体的な方向性を示した「教育課程企画特別部会 論点整理」において,これからの社会を創り出していく子どもたちが社会や世界に向き合い,自らの人生を切り開いていくために求められる資質・能力とはどのようなものかが示された。今後次期学習指導要領の改定に向けた本格的な議論がますます活発になることが予測される。
 「論点整理」に示された資質・能力とは,「何を知っているか,何ができるか(個別の知識・技能)」「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力)」「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びに向かう力・人間性等)」の三点である。つまり,知識を理解したり暗記したりすることに加えて,得た知識を目的に応じて使う力や学びに向かう力などをそれぞれバランスよくふくらませながら子どもたちが大きく成長していけるようにする役割が期待されている。また「論点整理」では,情報に関して幼児期に育まれた言葉による伝え合い等の基礎の上に,小・中・高等学校の各教科等を通じた情報活用能力の育成についても触れている。これらを基に,確かな学力,豊かな心,健やかな体のバランスのとれた「生きる力」をより効果的に育成していくことが求められている。
 「生きる力」を育成する一つの方策として各学校においては,ICT (Information and Communication Technology)機器を効果的に活用し,指導方法の工夫・改善を図りながら,子どもたちの学力の向上を目指している。文部科学省が平成28年4月に発表した「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会』(中間取りまとめ)」によると,国におけるモデル事業等の実施により先導的な教育環境を構築し,ICTを活用した教育実践も行われているが,学習指導要領と関連付けてどのような資質・能力の育成に効果的か,教員の指導力の向上にどのように結びついているかなどについて十分に検証がされていないことや,第2期教育振興基本計画におけるICT環境整備目標とされる水準について地方公共団体の意識や財政力により差が生じていることも指摘されている。
 そのような中,最近の取組事例からは,ICTを活用することにより,距離・時間の制約を越えた情報の活発な交流や瞬時の共有化,思考の可視化等が可能となることや,課題解決に向けた主体的・対話的・探究的な学びの実現,個々の能力・特性に応じた学びの実現,地理的環境に左右されない教育の質の確保ができることなどが成果として報告されている。
 21世紀を生きる子どもたちを育むために我々がなすべきことは,これからの時代にふさわしい学びや,例えばICT機器の活用を切り口にして,アクティブ・ラーニングを取り入れた授業改善や教科横断的なカリキュラム・マネジメント等も考えていく必要がある。更にはプログラミング・情報モラルを含む情報活用能力の育成も急務である。教育現場には今後ますます学校と教育の情報化の果たす役割をしっかりと認識し,教育実践を重ねていくことが求められている。
 そこで,本大会においては,幼稚園,小学校,中学校,高等学校のそれぞれの発達の段階に沿い,豊かな学びをつくる教育メディアの効果的な活用について研究協議を行う。学校種や発達の段階に則してICT機器や視聴覚教育の推進について協議を深め,一人一人のよさや可能性を伸ばし,これからの時代にふさわしい生きる力を育むことをねらいとして,この主題を設定した。

お問い合わせ

平成28年度関東甲信越放送・視聴覚教育研究大会 山梨大会事務局(甲府市立湯田小学校内)
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