大会長あいさつ

第21回全国シェルターシンポジウム2018 in 札幌
実行委員長 山崎 菊乃
(特定非営利活動法人 女のスペース・おん 代表理事)

1995年、北京世界女性会議に参加した女性たちが全国各地で民間シェルターを立ち上げ、女性に対する暴力は社会問題であるという運動のうねりをつくりました。このうねりの中で、1998年に札幌で第1回全国シェルターシンポジウムが開催されました。

1997年、私は3人の子どもを連れて、立ち上がったばかりの民間シェルターに避難しました。法律も制度も何もない中、女性に対する暴力根絶を強く求める女性たちの連携と連帯で私たち親子は守られました。同時に被害当事者を軸とする新たな女性運動は、これまでなかった道を切り開いてもきたのです。

第21回を迎えるシェルターシンポジウムは再び札幌で行います。当時DV被害当事者として傍観していたシンポジウムに主催者としてかかわれるとは、想像もしていませんでした。しかし、これこそが、私たちの運動の本質であると思っています。当事者が声をあげなければ何も変わらないということをこの20年で学ばせてもらいました。

2001年にDV防止法が施行されてから17年がたちました。その間、新たな制度が作られ、被害者支援に対する理解も広がってきました。刑法も110年ぶりに改正されました。しかし、性暴力被害女性に対するバッシングに象徴されるように、日本における女性に対する差別はまだまだ強く残っています。一方諸外国を見ると、クオーター制度など、女性の政治参加が活発な国は女性や子どもへの支援制度がとても整っています。シンポジウムを開催することにより、国内外の情報を共有し、今後私たちは何をなすべきなのか、何が出来るのかを模索していきたいと思います。