ごあいさつ

第28回日本健康教育学会学術大会を,2019年6月29日(土)~30日(日)に,東京大学本郷キャンパス(医学部研究教育棟・鉄門記念講堂)において開催いたします。

大会のテーマは,「健康教育・ヘルスプロモーションと健康政策-健康寿命の延伸に向けて分野ごとの短期・長期アウトカム評価をどう共有するか-」です。

長寿社会における健康寿命の延伸と健康格差の縮小を図るためには,NCDs(非感染性疾患)予防とフレイルの予防に関する健康教育を含むヘルスケアサービスの充実が必要です。いずれもそのリスクの多くは個人の行動と環境にあるために,行動変容をはじめとする生活習慣の改善に対する計画的なアプローチと共に,健康格差を縮小するための健康的な公共政策と環境整備が求められます。その推進力は,一人一人の「自らの健康とその決定要因をコントロールし改善できるようにするプロセス」自体と多職種連携による支援が重要です。

一方,専門職による支援は,エビデンスに基づく計画と評価の上に行われますが,小児から高齢者に至るライフコースの中で,必ずしもそのアウトカム評価が職種および分野間で共有されているわけではありません。このなかで現在,健康増進法に基づく国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針と具体的な計画である健康日本21(第二次)(2013年~2022年)の中間評価が行われ,データヘルス計画および健康保険における保健事業の充実など政策的枠組みが進展してきています。 このような背景の中で,本大会では,健康政策と評価における健康教育・ヘルスプロモーションに関する最新知識・研究成果と政策動向およびそれらの課題について議論を深めたいと考えております。 大会では,口頭発表やポスター発表,ラウンドテーブルに加えて,多数の企画を考えております。

学会長講演として,健康寿命の延伸と歯科口腔保健に関する内容を予定しています。特別講演は,近藤克則先生(千葉大学)による「健康格差縮小と健康教育・ヘルスプロモーション」を予定しています。また,教育講演は,健康政策の評価と健康教育・ヘルスプロモーションに関する内容となります。シンポジウムは,「健康日本21(第二次)中間評価を踏まえた健康政策の展開(仮)」のほか,「高齢者の健康教育・ヘルスプロモーション」,「口腔と栄養をはじめとする多職種連携」,「健康寿命延伸のためのライフコースアプローチ」などの3題程度を企画します。企画セミナーは,編集委員会・若手の会合同企画で,若手研究者等を対象としたモーニングセミナーを予定しています。

皆様のご来場とご発表を,大会関係者一同,心よりお待ち申し上げます。

第28回日本健康教育学会学術大会
学会長
深井 穫博
(深井保健科学研究所)