大会長あいさつ

ともに生きる~みらいのソーシャルワークの風をつくる


大会長 水野 茂樹
(独)国立病院機構神奈川病院
(一社)神奈川県医療ソーシャルワーカー協会 会長

第67回(公社)日本医療社会福祉協会全国大会・第39回日本医療社会事業学会(かながわ大会)開催にあたり、大会長としてご挨拶申し上げます。

神奈川県での全国大会は、今回で4回めにあたり、東京に次ぐ開催回数になります。しかし、前回(1992年、パシフィコ横浜)からは27年ぶりとなります。この四半世紀を超える年月において、私たち医療ソーシャルワーカーの立場や私たちをとりまく環境は大きく変わりました。前回の神奈川大会を胸に、万感の想いを馳せる方も数多くいらっしゃることでしょう。そして、再び神奈川の地で全国大会を開催できることを、心より喜ばしく思っています。

今回の大会テーマですが「ともに生きる」という言葉から、2016年7月26日に神奈川県で起きた「津久井やまゆり園」の凄惨な事件を受けて、神奈川県が定めた「ともに生きる社会かながわ憲章」を思い浮かべるかもしれません。しかし実は、私たちは最初から「ともに生きる」をテーマとしていたわけではありません。大会テーマ策定にあたり、当協会の実行組織である「かながわ全国大会みらいプロジェクト(略称:みなプロ)」のメンバーは、幾日も集まって協議を重ねました。神奈川らしさを追及していくと「多様性(diversity)」「共生」「未来志向」のイメージに集約されていきました。しかし、これは神奈川県だけのことではありません。わが国のソーシャルワーカーが、それぞれの活動する地域において、年齢、性別、国籍、出自、病気や障がいの有無等にかかわらず、あらゆる多様性を尊重しながら、ともに生きる社会づくりを促進していく役割を担うものでしょう。また、この役割を積極的にすすめるために、私たちソーシャルワーカーがムーブメントを作っていく必要があると考えました。

そして、この想いを発信するために、さらに言葉を何度も見直して、本大会テーマを「ともに生きる~みらいのソーシャルワークの風をつくる~」とするに至ったのです。

ようこそ神奈川県へ。さて、全国の皆さまは神奈川県にどんなイメージをお持ちでしょうか。みなとみらいに代表されるような港町、横浜でしょうか。歴史ある軍港の町、横須賀でしょうか。サーファーで賑わう、湘南エリアでしょうか。それとも、かつての西の関所であり温泉情緒豊かな、箱根でしょうか。どれも神奈川県です。神奈川県には、自然豊かな海と山、そして近代的な都市すべてがあります。歴史をひも解くと、様々な光と影を背負って今に至っている、奥深さも秘めています。この全国大会を機に、神奈川県の魅力を存分に感じていただけたらと思っています。

神奈川県のソーシャルワーカー一同、全国のソーシャルワーカーの皆さまの積極的なご参加をお待ち申し上げます。私たちは、(公社)日本医療社会福祉協会とともに、大会当日まで、風でセイルをいっぱいふくらませて帆走していきます。そして、参加されました皆さまには、この「かながわ大会」で、みらいにつながるキセキが始まることをお見せしたいと思っています。