日本医療ソーシャルワーカー協会会長あいさつ
第69回日本医療ソーシャルワーカー協会全国大会(千葉大会)によせて
公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会
会長 早坂 由美子
このたび第69回日本医療ソーシャルワーカー協会全国大会、第41回日本医療社会事業学会がここ千葉県で開催されることとなりました。
当協会は、今年4月に「公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会」と名称を変更し、今回は変更後初めての記念すべき大会となります。リモート開催という初めての方法による開催であり、多くの困難があったと思いますが、お忙しい中ここまで準備をしてくださった柳田会長を始めとする千葉県医療ソーシャルワーカー協会の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
このコロナ禍の中、皆さんは日々様々な課題にとりくんでいらっしゃることと思います。患者さんやご家族との面接や関係者とのカンファレンス等では、コミュニケーション方法に配慮をされていることと思います。不安を持つ患者さんの気持ちを受け止め、寄り添うという基本的なソーシャルワーカーの姿勢は何より大切です。加えて皆様の所属している医療機関等がその機能を十分に発揮することが重要な課題だと思います。コロナ患者さんを受け入れている病院やその後のリハビリを担当する病院では病床の確保のための入退院支援、またワクチン接種を担当する医療機関ではスムーズな接種に向けた市民への支援等が、今私たち医療ソーシャルワーカーに求められている役割だと思います。
この先には、また違った様々な問題が生じてくると思われます。患者さんの受診抑制による病状悪化や活動の低下によるフレイルの進行、経済的に困窮、家庭内の暴力等、それ以外にも予測できない様々な心理的社会的な問題が起こることが予想されます。それらの問題に対応するべく医療ソーシャルワーカーとして力を蓄える必要があります。
今回の大会テーマである「ありのままの生き方を支える~夢を描ける社会につなぐソーシャルワークの可能性」は私たちが胸に刻むべきテーマだと思います。ありのままに生きることを尊重し、支えることの大切さを学び、暗い世の中だからこそ夢を描けるように、医療ソーシャルワーカーという仕事を通して何ができるかを考える機会になると思います。千葉大会は素晴らしいプログラムが満載です。ここで学んだことを今後の実践に生かしていただき、来年こそは皆様と顔を合わせて一緒に学び、語らい、笑い、食べて、飲む時間をもてるよう心から願っております。