会長挨拶

　このたび「第３回日本老年療法学会学術集会」を2024年の8月に札幌医科大学（北海道札幌市）を会場として開催することになりました。2021年7月に設立した日本老年療法学会は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士をはじめとしたリハビリテーション関連職種の他、老年学に関わる療法士、専門職、研究者が連携し、日本のみならずアジア諸国における高齢者のリハビリテーション、障がいの一次、二次予防、そして心身機能の保持や改善に貢献することを理念としております。2022年10月に第1回学術集会を沖縄県恩納村、第２回を鹿児島県奄美市で開催し、老年療法学の確立を目指して多くの参加者が活発な討論を行いました。

 

　3回目となる今回は、過去2回の議論をさらに発展、深化すべく、テーマは「Well-beingな未来を創造する～老年療法学の挑戦～」といたしました。Well-beingは身体的な健康だけではなく、感情や人との関係性、人生の意味などの様々な側面を包含した中で人が人生を前向きに、あるいは良い状態として捉えることを意味しています。したがって、このテーマには障がいを抱える人々、あるいは終末期にある人々のWell-beingに、老年療法学がどう貢献できるのかという問いも含まれています。他国に先駆けて超高齢社会となった日本において、日本老年療法学会がこのテーマに取り組む意義は大変大きいものと考えております。

 

　今学術集会では、一般演題の他、特別講演、大会長講演、シンポジウム、企画セミナ―等の様々なプログラムを予定しております。学会会員のみならず、関係する保健医療福祉関係職種のご参加を得て、自然豊かな北の大地で未来につながる様々な議論・交流が生まれることを願っております。