会長あいさつ

この度、第157回日本獣医学会学術集会を、平成26年9月9日(火)から9月12日(金)までの4日間、北海道大学のキャンパスを会場として開催することになりました。長年、日本獣医学会学術集会は年2回開催されてきましたが、今回から年1回の学術集会として新たに生まれ変わります。今まで3日間の日程で終了するように企画されていましたが、さらに半日延長するとともに、場合によっては夜の部もできるように準備したいと考えています。また、平成26年9月11-12日は北大キャンパス内で北海道獣医師会三学会も開催されますので、共催シンポジウム等を行うと共に北獣三学会とはプログラムが重複しないように企画したいと思います。獣医学会会員並びに獣医師会会員など、多くの皆様が気軽に参加し、討論できるような学術集会にしたいと思っております。是非とも多数ご参加いただきたくご案内申し上げます。

ご承知のように近年、動物由来感染症・人獣共通感染症の制圧、食の安全・安心の確保、獣医療の高度化さらに動物を用いたライフサイエンス研究の進展など、獣医学領域には様々な課題が存在します。従って、このような社会的な問題に即応できるような獣医学教育の充実と強化が喫緊の課題になっています。学術集会が年一回開催になりますので、それぞれの分科会が直面している重要課題を精査し、その分野の研究を効率的に進展させることができるようなシンポジウムを企画していただければ幸いです。獣医学教育の分野では、この数年の間に獣医学教育モデルコアカリキュラムが設定され、獣医学共同教育課程が発足し、またコアカリキュラムに準拠した共通テキストの編集が急速に進んでいます。さらに、共用試験や第三者評価に関する検討も大詰めを向かえていますので、濃密で広範な議論の場を提供できればと考えています。

一方、文部科学省からの予算は集中化と大型化が進んでおり、これらを獲得するためには、組織をまとめ連携しながらプロジェクト等を構築する必要があります。他とは一線を画した独創的なプログラムを構築でき、かつ様々な対立を調和させ、それを組織力に変換できるようなリーダーシップが問われています。このような点に焦点を当て、主宰機関のシンポジウムを組みたいと考えています。この北海道大学で開催する日本獣医学会学術集会が、日本の獣医学の教育研究の充実と発展に少しでも寄与できればと願っております。

北海道の9月は、山の中に少し入れば、すぐそこまで秋が来ていることを身近に感じることができます。本州のような残暑はなく、まだ観光シーズンが続いていますので、早めにホテルの手配をしていただければと思います。多くの皆様に札幌にお越しいただき、北海道大学で行われる獣医学会学術集会に参加していただきたく重ねてお願い申し上げます。

第157回日本獣医学会学術集会
会長 伊藤 茂男
         (北海道大学大学院獣医学研究科特任教授)

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