ご挨拶

東京大会運営委員会より、ホームページをご覧の皆様に、ご挨拶申し上げます。

本学会は、食糧生産に深く関係している土壌学、肥料学、植物栄養学に加えて環境科学の分野に関わる大学・研究機関の教育・研究者、国・県などの技術行政担当者など、幅広い分野の2,700名余の会員から構成され、世界的には人口増加、土壌劣化、地球温暖化などの問題の中での食糧の持続的生産、国内的には自然生態系の土・水・大気・植生・景域を保全・調和させる環境保全型農業生産に関わる課題を掲げて、様々な研究活動・技術開発を行っております。

とくに、毎年開催される全国大会では、土壌の物理・化学・鉱物・生物、植物栄養、環境、物質循環から文化土壌学までの21の部会に分かれて、多数の口頭・ポスター発表やシンポジウム、研究会・小集会が行われ、会員諸氏による有意義な意見・情報交換や交流、課題の解決や、研究・普及活動の深化・拡大にも大きく寄与しております。

農業・環境の生産・供給現場を取り巻く状況には厳しいものがあり、数多くの課題の解決が求められております。とくに、東日本大震災、福島原発事故による農地および周辺自然生態系の放射能汚染は、発生してから3年目の春を迎えることになりましたが、農業の生産・供給現場に求められている「農産物の安全・安心・安定的生産・供給に関する課題」は、早急な解決が求められているにもかかわらず、未だ多くの課題が解決されておりません。福島県はもとより、このような「農産物の安全・安心・安定的生産・供給に関する課題」が現在の土壌肥料学会に対して、強く求められ、かつ、課せられております。今回の東京大会では、放射性物質や海水などで汚染された農地における汚染物質の挙動や植物への影響、対策に関する会員諸氏からの一般講演発表に加えて、これまでの研究成果を取りまとめたシンポジウム、講演会を行う予定です。

東京大会は、今秋9月の9〜11日に東京農工大学小金井キャンパスで開催されます。一般講演、ポスターセッション、シンポジウムは工学部のある小金井キャンパスで開催されますが、植物工場見学および前日の研究会・小集会は農学部のある府中キャンパスに、総会・学会賞授与式・記念講演および懇親会は立川市の市民会館および立川パレスホテルに、それぞれ会場を移して行う予定です。

緑濃き武蔵野の地、東京農工大学で開かれる東京大会に、本学会の会員の皆様はもとより、非会員の皆様も多数ご参加いただけますことを、運営委員一同、心からお待ち申し上げております。

日本土壌肥料学会2014年度東京大会
大会運営委員会委員長
鈴木 創三 (東京農工大学)