ご挨拶

うつ病リワーク研究会の第7回年次研究会を札幌で開催させて頂くことになりました。当研究会設立のきっかけとなった会議は2007年に札幌で開催されていて、7年かけて大きく成長して札幌に戻ってきたことを設立当初からの関係者の一人として嬉しく思います。

うつ病リワーク研究会に所属できる施設は医療としてリワークプログラムを提供している施設のみに限定されています。リワークという言葉が一般的に広まってきましたが、各都道府県におかれている障害者職業センターが行っているリワーク支援もありますし、各職場が復職してきた職員をスムーズに受け入れるために用意している段階的復職などがリワークと呼ばれることも増えてきました。その様な状況の中で、各々の役目を的確に果たし、より良いリワークを目指すことが必要だと思われます。

医療リワークを提供している我々ができることは何か、なすべき事は何なのかと考えると、それはリワークプログラムを行う場での高度な専門性に裏打ちされた診断と治療です。これは、障害者職業センターや職場ではできないことで、それらのリワークを否定しているのではなく、一人の休職者が回復して復職していく様々な段階で役割分担をする事が重要で、その中で医療リワークプログラムを提供している我々の役目が診断と治療だということです。

医学的な診断は最終的には医師が行うものですが、医療リワークプログラムの中で患者と日々接触している全ての職員が、自分の専門性に基づいてアセスメントを行っています。「元気そうだな」、「今日は何だが口数が少ないようだ」等というちょっとした観察が既にアセスメントのきっかけとなっています。「何か違うぞ」という視点はとても重要で、例えば医療リワークに参加して診断がついた双極性障害や発達障害の患者の診断のきっかけはスタッフの観察によることが多いものです。個々のスタッフがアセスメントした内容が医師に伝えられて、より精度の高い診断が可能となり、治療に反映されるのです。

全ての参加者がアセスメント能力を向上させられるような総会にしたいと願っております。また、産業保健スタッフ向けの講演などもありますので、医療リワーク以外の現場の方も是非お越し下さい。初夏の札幌で皆様のご参加を心よりお待ちしております。

当番世話人 横山 太範
(さっぽろ駅前クリニック北海道リワークプラザ)

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