プログラム

6月15日(金)

第8回社員総会

13:00~14:30

開会式

14:45~15:15

四国ブロック企画 シンポジウム①
 「対人支援職者の倫理的行動と倫理観の構造:チーム医療の推進に向けて」

15:30~17:00

座長:北川 裕美子(四国学院大学)

シンポジスト:吉田 浩子(人間総合科学大学)
         竹下 啓(東海大学)
         福永 ひとみ(川崎市立看護短期大学)
         和田 有加(香川県医療ソーシャルワーカー協会会長)

<内容>
 医療の高度化とニーズの多様化に伴う保健医療福祉サービス提供者側の多職種連携・協働の機会が増加し、医療現場における「チーム医療」の重要性とその実践が強調されるようになった。その中で、「チーム医療」を推進することの困難さもまた指摘されている。医療の現場における専門職者間の価値観・信念等の違いから生じる葛藤に対する問題意識は、各専門職者それぞれの立場から表明されている。このような「価値観の相違」を前提とする「チーム医療」の推進の際に必要な具体的手法に関する論考も多くなされ、情報共有、良好なコミュニケーション、合意形成といった様々なコンピテンシーが示されている。
 しかし、手法以前の各専門職者の価値観の一致・不一致に関する客観的かつ実証的なデータが、ケース報告以外はほとんど示されていないこともまた確かである。患者やその家族を含むカンファレンス等で提供される医療の方向性に対する合意が図られることの有用性は言うまでもないが、医療の当事者である患者を全人的に捉えることが最善であるとするなら、その前提である「専門性が異なると価値観が異なる」という医療専門職者の「常識」が改めて検証される必要がある。各専門職者の専門性の違いの上に立脚する価値観あるいは倫理観の違いが存在すると仮定するのであれば、各専門職者に同様の事項に関する価値判断を求め、実証的に整理する必要がある。 
 そこで、本シンポジウムでは、2017年に医師、看護師、医療ソーシャルワーカーを対象に行われた「職務上の倫理的葛藤」に関する質問紙調査結果を共有し、そこから提示された新たな課題について、シンポジストが各専門職者の立場から討議する。

ワークショップ
「実践スーパービジョン ―福祉・保健・医療のクオリティーを高める―」 

15:30~17:00

福山和女(ルーテル学院大学)、 浅野正嗣(ソーシャルワーカー・サポートセンター名古屋)
佐原まち子(WITH医療福祉実践研究所)、小原 眞知子(日本社会事業大学)

<はじめに>

ソーシャルワーク実践においてスーパービジョンは不可欠なものとして認識されつつある。しかしながら、それを体系的に理解し、実践する必要があることは言うまでもありません。対人援助の実践現場において、援助者は、クライエントや家族が抱える複雑な問題や課題が山積するなか、対応に多大なエネルギーを費やして、解決や達成が不可能なものに取り組み努力をしていますが、その成果を出すことのできない限界があり、疲弊感におびやかされている現状が見受けられます。このような現状に対応することもまたソーシャルワークのスーパービジョンの一つになります。

さて、周知のとおり2014年にソーシャルワークグローバル定義の採択以降、ソーシャルワーカーが果たすべき役割や機能が変化してきました。これまでの問題解決志向を援用しその解決をクライエントと共に取り組むことから、人々の生活課題、「life challenge」と取り組むことであり、人が生きていく上での課題を達成することへの援助です。その成果はミクロから、マクロへと相乗効果を出すことに焦点がおかれています。

一方、我が国においては、昨今の「地域共生社会」の理念は、社会福祉士・精神保健福祉士にとってその専門性を発揮すべく時を迎えています。これまで以上に地域で活躍するソーシャルワークへの期待は高まり、また専門的機能と役割が求められています。さて、このような状況の中で、我々ソーシャルワーカーは社会に対して何を提示してきたのであろうか、その専門性と固有性が問われています。

これからのソーシャルワーカーは、創造性と想像性の力量がますます問われ、限界を理解した上での取り組みや工夫が求められています。その機能を遂行するには、専門職としての業務遂行が求められ、現場という組織からの認めやバックアップが必要であり、そこにスーパービジョンの必要性があるといえます。

日本医療社会福祉協会は、これまでソーシャルワークスーパービジョンの知識と実践との関係を理解するための方法を検討してきました。この度、会員の協力を得て、実践スーパービジョンに関する著書としてまとめることができました。今ワークショップでは、ソーシャルワークスーパービジョンを理論と実践の双方から捉え、効果的スーパービジョンのあり方について会員の皆様と共有することをめざします。

 

<対象者>

医療ソーシャルワーカー(初任者、中堅者、指導者)、ソーシャルワークを学ぶ学生

<プログラム> 講義とグループディスカッション

  • 現場においてスーパービジョンの意義を考えてみる (福山)
  • スーパービジョンの概念には何が含まれているのか (小原)
  • スーパーバイジーとスーパーバイザーの協働作業とは (佐原)
  • スーパービジョンにおいて倫理が必要な理由 (浅野)
  • 効果的スーパービジョンを考える (福山)
  • まとめ
シンポジウム②
「身元保証人問題を考える」

17:00~18:30

座長:池田恵理子(あい権利擁護支援ネット)

シンポジスト:熊田 均(熊田法律事務所)
         對馬 清美(半田市包括支援センター)
         伍賀 道子(城北病院)
         不動 宏平(真栄病院)

<内容>
私たちソーシャルワーカーの現場では身元保証のない患者への支援が増加しています。身元保証がない人が入院すると、入院手続き等の事務手続きに難儀するほか、保証人がいないことを理由に次の療養先が見つからないなどの平等性を欠く問題が起こっています。このような現状を踏まえて、2017年より社会貢献部では身元保証委員会を組織し、この問題の解決に向けた先駆的な取り組みを収集、検討を行い、ミクロ・メゾ・マクロの各領域で身元保証問題についての解決に向けた取り組みを1冊のガイドブックにまとめ今春発刊しました。そこで、今回は、このガイドブックの執筆者をシンポジストに、より具体的なガイドブックの活用方法と身元保証がない人でも安心して入退院できる仕組みづくりについて検討するシンポジウムを企画しました。今、私たちの現場で起こっていることを共有し、解決に向けたソーシャルアクションの方法について会員の皆様と共有したいと思います。

<対象者>
医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所等に勤務する者、ソーシャルワークを学ぶ学生

<プログラム>
1. 「身元保証がない方の入退院支援ガイドブック」活用法
2. 質疑応答
3. 全体討議「身元保証がない人でも安心して入退院できる仕組みをどのように作るか」

シンポジウム③
「災害拠点病院のソーシャルワーカー支援を考える」

17:00~18:30

座長:笹岡 眞弓(日本医療社会福祉協会災害支援チーム統括責任者/文京学院大学)

シンポジスト(被災県ソーシャルワーカー):
宮城県:伊藤 茂樹 氏(石巻赤十字病院)
茨城県:冨田 明子 氏(総合病院 水戸協同病院)
福島県:鈴木 幸一 氏(公益財団法人ときわ会 常磐病院)
熊本県:園山 和明 氏(桜十字病院)

<内容>

当協会の石巻市での災害被災者支援活動は8年目に入りました。この4月から市から1名増員を要請され5名体制で仮設住宅から復興公営住宅への移行を含む自立支援事業に取り組んでいます。

一方、東日本大震災・熊本地震の際には、早期から協会関係者を現地へ派遣していたにも関わらず、被災された現地の医療ソーシャルワーカーへの支援(応援SW)は何もできませんでした。発災直後に、現地の医療機関(特に災害拠点病院)が混乱している中、応援SWは、直接的な支援は困難であっても、現地の医療ソーシャルワーカーの補助的な役割・間接的な支援は担えるのではないかとの思いがあります。

今回のシンポジウムでは、地域で災害を経験し、自院で懸命な支援をされてきた医療ソーシャルワーカーの方々をシンポジストにお招きし、支援の実際をお話しいただいた上で、発災時の災害拠点病院や現地の医療ソーシャルワーカー支援について忌憚のない意見交換ができることを期待します。

第21回全国医療ソーシャルワーカー協会会長会会議

18:30~19:50

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6月16日(土)

記念講演「生きる 生きよう」

11:15~12:15

樫原禅澄(総本山善通寺第五十七世 前法主 真言宗善通寺派管長 大僧正)
座長:佐藤 貴之(香川県医療ソーシャルワーカー協会副会長 まるがめ医療センター)
シンポジウム④
「包括ケアのなかの分野をつなぐMSWに期待すること」

12:30~14:00

司会:多田羅 喜代美(香川労災病院)

発表者:藤本 俊一郎(香川県厚生農業協同組合連合会代表理事理事長)
     大原 昌樹 (綾川町国民健康保険陶病院院長)

【要旨】

2005年11月に「施設間におけるヒューマンネットワークを構築し、患者中心の質の高い連携を目指す」ことを目的として、香川シームレスケア研究会が設立された。地域連携パスを広域で運用することで、医療機関間の情報共有の様式の統一を行いスムーズに情報を受け渡しすることを目的とした。また当初より、医療から生活の場へとつなぐことを目的としており介護施設やケアマネージャーへも情報を提供できる地域連携パス様式の作成をおこなった。

香川シームレスケア研究会の活動の中で、医療・介護・行政を含む多職種で連携を行う経験を積み、相互の話し合いの中で連携に必要とする情報の共有の在り方や連携の方法を構築してきた。地域連携パスの広域での運用で、医療機関間の共通言語や認識の統一から転院調整を行う際には、各機関の強みや特色を理解し地域医療連携に有用な様式を作成することで、転院調整が効率的に行われるようになってきている。そこには、地域の力の格上げにもつながってきたと感じている。

医療計画の中で、循環型地域医療連携から地域包括ケアとしての医療・介護・福祉の一体化した連携を進めるために、各分野をつなぐ役割がそれぞれに必要となってきている。地域での連携を先駆的に構築していった両先生に、このような連携をつなぐ役割について医療ソーシャルワーカーに期待することをご教示いただくこととする。

シンポジウム⑤
「平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定~医療ソーシャルワーカーとして、どのように対応するべきか~」

12:30~14:00

座長 鈴木 幸一(日本医療社会福祉協会副会長 常盤病院)

演者1 「入院時支援加算の新設を契機とした入退院支援体制構築に向けた取り組み~苫小牧市立病院における実践報告~」
  梅木 秀俊 (苫小牧市立病院) 

演者2 「がん患者の治療と仕事の両立に向けた支援の充実-これまでとこれから-」
  坂本 はと恵 (国立がん研究センター東病院)  

演者3 「診療報酬改定から見た小児期の支援とその多様性を考える」
   福田 育美 (四国こどもとおとなの医療センター)

演者4 「地域包括ケアシステムにおける大規模多機能老健の役割と居宅介護支援について」
 中本 雅彦 (介護老人保健施設リゾートヒルやわらぎ)

【内容】

平成30年度、6年に1度の同時改定(診療報酬・介護報酬)が行われた。
今後の人口減社会をみすえて、入院医療の抜本的な見直しが行われ、高度急性期、急性期、回復期(回復期、地域包括ケア病棟)、慢性期の地域医療構想との整合性がより図られてきたと考えている。その中で介護医療院の創設やオンライン診療等の新たな取り組みも入った。数年後の医療・介護を取り巻く環境は大きな変化をするのではと感じた改定内容であった。

われわれ医療ソーシャルワーカーが主に業務として担っている退院支援も「入退院支援」として、入院前からの取り組みが評価される仕組みが入った。「平常時」「緊急時」「退院時」といった状況に応じた連携がより求められる。また就労支援や小児医療といった分野にも医療ソーシャルワーカーの活動が評価されつつある。

そして介護報酬改定では、居宅介護と医療機関の連携の在り方が変化しつつある。カンファレンスの評価が進む一方、連係のみではなく連携の評価になったと感じている。

本シンポジウムでは、入退院支援、就労支援、小児支援、介護保険(老健と居宅介護を中心に)の4名の報告とフロア討論により、同時改定での医療ソーシャルワーカーとしての対応を皆さんで一緒に考えていきたい。

シンポジウム⑥
 「人生最終段階における意思決定とは?またその支援とは?~ソーシャルワーカーに期待すること~」

14:15~15:45

コーディネーター:
  早坂 由美子(日本医療社会福祉協会会長、北里大学病院)
  西出 真吾 (日本医療社会福祉協会理事、オレンジホームケアクリニック)

  

シンポジスト:
  金子 稚子 (ライフ・ターミナル・ネットワーク代表)
  清水 哲郎  (岩手保健医療大学学長)
  岩田 太 (上智大学法学部教授)
  紅谷 浩之 (オレンジホームケアクリニック代表)

 最近、医療現場では「意思決定支援」「アドバンスケアプランニング(ACP)」 という言葉が多く聞かれるようになりました。平成30年度の診療報酬改定でも、療養病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料等の施設基準に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン等の内容を踏まえ看取りに対する指針を定めていること」とあります。そもそもソーシャルワークの原則はクライエントの自己決定の尊重することであり、これまでもずっと行ってきた事です。今後はより一層、治療方針の検討に際し、人生観や価値観に基づいた支援が求められることになると思います。迷いの中にいる患者や家族に寄り添い、繰り返し想いを聞くこと、本人の価値観に基づき残された人生を歩んで頂くために、私たちソーシャルワーカーの姿勢はより重要になると思います。医療現場で働くソーシャルワーカーとして、ここでもう一度「意思決定」について学び、より望ましい支援を実践していただきたいと思っています。
 今回ご登壇いただくシンポジストの先生方は、厚生労働省で開催された「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」の構成員の皆様で、患者・家族の立場から、倫理の立場から、法律の立場から、医療の立場から、意思決定支援を実践されている方々です。医療の現場における意志決定支援はもちろんのこと、今後の我が国における意志決定支援の在り方についても、多角的に議論いただく予定です。シンポジストの議論の中から実践に活かせる知見を得られるだけでなく、新たな気づきも発見できることと思い、このシンポジウムを企画致しました。

シンポジウム⑦
「ACPに基づいた高松市在宅医療コーディネーター養成研修会の紹介」

16:00~17:30

講師
大橋 英司 (高松市医師会 理事・大橋内科胃腸科 理事長)

シンポジスト
・大川 裕子 (高松医社会福祉協議会)
・原田 愛  (訪問看護ステーション福)
・石井 侑衣子 (えむ調剤薬局)
・和田 有加 (屋島総合病院)

今後、高齢化社会が進むと、買い物弱者や貧困老人等の通院困難者が増加することが予測されます。認知症患者も、病識に乏しく、地域に置き去りにされるケースが増えてくると想定されます。患者の意思決定を尊重し、地域での医療・生活の場を提供できなければ、退院しても直ぐに急性期病院に戻ってしまいます。患者の意思決定に基づく、医療・介護連携の構築(地域包括ケア)が必要と考えます。

地域住民は、医療・介護の問題をどこに相談したら良いか分からず、どんな制度があるか知らない方も多くいます。患者は、どのように気持ち・考えを整理し、医療者に伝えれば良いか(意思決定の仕方)が分かりません。ソーシャルワーカーは、社会制度は知っていますが、医学的なことには弱く、また病院勤務されている方が多く、現状では地域に出向けません。つまり、生活の場を知りません。また、ケアマネージャは、介護制度は知っていますが、後見人制度等の社会制度や医療知識に詳しい方は少なく、質にばらつきがあるのが現状です。医師・看護師は、医療的知識はありますが、介護・社会制度・地域のリソース等の認識が低く、生活支援や介護に対する関心があまりありません。医療者と介護者とのコミュニケーションが円滑に図られておらず、総合的にマネージメントできる人材を養成する必要があります。地域完結型医療を行うためには、慢性期の患者の医療・生活を担保しない限り、成り得ないと考えます。

今回、IC(インフォームドコンセント)とACP(アドバンス・ケア・プランニング)の違いを説明し、ACPに基づいた高松市在宅医療コーディネーター養成研修会が始まった経緯と位置づけ、そして養成研修会の内容を報告させていただきます。最後に、研修修了者にシンポジストとして登壇していただき、ディスカッションしたいと思っています。

第38回日本医療社会事業学会

第1分科会 09:30~11:00

第2分科会 09:30~11:00

第3分科会 09:30~11:00

第4分科会 14:15~16:00

第5分科会 16:00~17:45

第6分科会 16:00~17:45

第1分科会「業務分析・業務開発Ⅰ」

座長:岡本健志(KKR高松病院)

1-1 Evidence Based Practiceに基づく平均在院日数短縮の試みの評価:退院支援計画書の作成processにおける介入方法の工夫
三谷勇一 中間的就労研究所/八尾徳洲会総合病院
1-2 三次救急病院における救急認定ソーシャルワーカーの役割
澤井彰 仙台市立病院
1-3 相談支援記録の共有化とデータベースの構築~多職種との協働に向けて~
東秀彦 大阪府済生会吹田病院
1-4 退院支援加算1の算定率向上の取り組みについて
音部奈緒 小林記念病院
1-5 インフォームドコンセントにおけるソーシャルワーカーの必要性
高橋昌也 三井記念病院

第2分科会「業務分析・業務開発Ⅱ」

座長:島影俊英(四国学院大学)

2-1 災害支援対策委員会の意義と課題~発足から7年目を経て~
加藤淳 東京都医療社会事業協会
2-2 東京都医療社会事業協会による医療と福祉110番実践報告
冨士川泰裕 康明会病院
2-3 高齢者施設への再入所が困難な患者への退院援助に関する一考察(第2報)
城みさき トヨタ記念病院
2-4 医療・介護分野でのICT施策と医療ソーシャルワーカー~私たちのつなぐ役割~
中辻康博 豊島区医師会
2-5 糖尿病患者教育における医療ソーシャルワーカーの役割
稲垣いづみ 公立陶生病院
2-6 地域包括ケア時代のMSW~急性期病院における外来ソーシャルワーク
堀越由紀子 東海大学

第3分科会「教育・スーパービジョン、ソーシャルワークリサーチ」

座長:小原 眞知子(日本医療社会事業大学)

3-1 新人、若手MSWの育成にSOBOS(Scale of Operation Burdens on Social workers)を用いる有用性
関澤真理 岩手県立宮古病院
3-2 医療アクセスを阻害する家族の生活問題
田中聡子 県立広島大学
3-3 新人MSWが社会福祉士実習指導に参画することによって得られる「MSWとしての成長」に対する効果
伊藤隆博 主体会病院
3-4  MSWルーブリック評価作成のプロセス―実践能力の可視化を目指して―
楢木博之 身延山大学
3-5 スーパービジョン実践における試み 組織内でのスーパービジョンの定着をめざして
阿部邦子 盛岡赤十字病院

第4分科会「ソーシャルワーク実践Ⅰ」

座長:水野 茂樹(国立病院機構神奈川病院)

4-1 地域へ出る医療ソーシャルワーカーのフィールドワーク実践報告~地域で活動している染色体異常を持つ子どもの親の会に参加して~
冨永千晶 賛育会病院
4-2 障害者基幹相談支援センターへの支援から、有機的な支援ネットワーク構築に至った事例に関する一考察~ミクロ・メゾソーシャルワークの視点から~
中尾智子 横浜市総合リハビリテーションセンター
4-3 医療機関が実施する地域サロン活動の現状と課題
梁井雄太 高良台リハビリテーション病院
4-4 無料低額診療事業の利用終了事例から見えるMSW支援の考察
田中典仁 安房地域医療センター
4-5 当院の小児在宅支援から地域とのネットワークシステムを考える
森口小津恵 東京女子医科大学八千代医療センター
4-6 地域包括ケアシステム時代における療養病床でのMSWの役割についての考察
長谷川知美 長岡病院
4-7 地域における医療ソーシャルワーカーの役割についての考察 石巻での災害支援活動を通して
金崎慶大 日本医療社会福祉協会

第5分科会「ソーシャルワーク実践Ⅱ」

座長:小林 哲郎(国家公務員共済組合連合会名城病院)

5-1 急性期病院におけるアルコール関連疾患患者への支援に対する一考察
髙場麻希 トヨタ記念病院
5-2 多職種協働に向けMSWだからできること
河岸真子 姫路中央病院
5-3 看看連携を取り込んだ退院支援システムへの取り組み~SWからのアクションプランを展開して~
郡章人 徳島県鳴門病院
5-4 周産期メンタルヘルスにおける当院での取り組みと課題
西野美樹 藤田保健衛生大学病院
5-5 見えてきた産婦人科MSWの役割~配置から8ヶ月の報告~
山口恵子 第二協立病院
5-6 アスベスト関連疾患患者にとってのソーシャルワーカーの役割
福神大樹 兵庫医科大学病院
5-7 透析導入患者への支援~新人ソーシャルワーカーの実践を振り返る~
渡邉真未 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

第6分科会「がんとソーシャルワーク」

座長:田村 里子(WITH医療福祉実践研究所)

6-1 災害エスノグラフィーを活用した研修の意義と今後の課題
島村敏文 徳島赤十字病院
6-2 A病院における「がんサロン」普及活動
熊谷幸広 総合南東北病院
6-3 がん患者の療養環境調整を早期に開始する重要性の院内周知がMSWへの依頼時期に与える効果についての検討
松永直子 国立がん研究センター中央病院
6-4 がん患者の就労支援~ネットワーク構築に向けた浜松地区地域がん診療連携拠点病院の取り組み~
島田綾子 聖隷浜松病院
6-5 乳腺外科患者の外来支援~外来化学療法カンファレンス参加の効果と今後の課題~
阿部靖子 東京医科歯科大学医学部附属病院
6-6 外来ソーシャルワークの必要性~呼吸器内科悪性腫瘍終末期患者の現状分析を通して
畑中眞優子 愛媛県立中央病院
認定制度の全体像と当協会が抱える課題について

11:15~12:15

報告者:日本医療社会福祉協会認定事業部

≪はじめに≫

2007年の「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案」の附帯決議から議論の始まった専門社会福祉士の創出が、その後の検討で、「専門社会福祉士とは、分野を超えて法に定める相談援助を行う者であって、福祉についての卓越した技術を用いて、倫理綱領に基づく高い倫理観をもって個別支援、連携、調整及び地域福祉の増進等に関して質の高い業務を実践するとともに、人材育成において他の社会福祉士に対する指導的役割を果たし、かつ実践の科学化をおこなうことができる能力を有することを認められた者」と定められた。そして「分野に関する熟達した能力をもつ社会福祉士を経て、分野を超えた専門社会福祉士が育成される」との認識の下、そこに至るまでの中間的な存在として2010年度より「認定医療社会福祉士制度」が、2012年度より「認定社会福祉士制度」がスタートした。

≪現在までの到達点≫

2016年度で経過措置対応を終えた認定医療社会福祉士制度に続き、認定社会福祉士制度も今年度で経過措置対応による新規申請受付を終了し、初の更新申請を受け付ける時期に入ったことから、両制度の全容は一層明確となってきた。認定社会福祉士の新規・更新申請の中で、認定医療社会福祉士を基礎としたルートが正式に位置づけられたことは、まさに保健医療分野においては、「分野に関する熟達した能力をもつ社会福祉士を経て、分野を超えた専門社会福祉士が育成される」道筋が見えてきたこととなる。先に厚労省社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会が提出した報告書(「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」)では、社会状況の変化やニーズの多様化・複雑化に伴う実践力向上のために資格取得後の自己研鑽の重要性を指摘し、「認定社会福祉士制度の活用」について初めて言及された。目指すべき専門社会福祉士につながる第一歩として、先ずは認定医療社会福祉士の定義にある「保健医療分野における社会福祉実践に関する専門知識と技術」「科学的根拠に基づく業務遂行」「スーパービジョン能力」の獲得に主眼を置く必要がある。中でも「スーパービジョン」については、認定社会福祉士制度において「スーパービジョンを受ける・する」が必須要件の一つとして定められていることもあり、そこに依るところが大きくなっている。

≪説明内容≫

そこで認定医療社会福祉士と認定社会福祉士取得者の状況と、明確となった両制度の概要を説明し、「スーパービジョン」の普及・定着のために、認定社会福祉士認証・認定機構の定めるスーパービジョンの実際を中心に以下の事項について説明を行う。

①認定医療社会福祉士と認定社会福祉士の現状について
②スーパーバイザーを担当する皆さんへースーパービジョンの実際ー
③協会の取り組む方向性と課題
④質疑応答

                                     

以上

都道府県協会研修担当者会議

12:15~14:00

交流会

18:15~20:15

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6月17日(日)

講演
職業生活と治療の両立支援 -聞いてみよう企業の視点・目指そうより良い連携-

9:30~10:30

<コーディネーター>
木川 幸一(北海道がんセンター・日本医療社会福祉協会 副会長)
坂本 はと恵(国立がん研究センター東病院・日本医療社会福祉協会業務執行理事)

<講師>
浅野 健一郎
株式会社フジクラ CHO(健康経営最高責任者)補佐

<プロフィール>
1989年藤倉電線株式会社(現株式会社フジクラ)に入社。光エレクトロニクス研究所に配属され光通信システムの研究に従事。2011年よりコーポレート企画室、2014年より人事・総務部健康経営推進室。2017年12月よりCHO(Chief Health Officer)補佐。現在、経済産業省 次世代ヘルスケア産業協議会 健康投資WG専門委員、厚生労働省 日本健康会議 健康スコアリングWG委員、厚生労働省 肝炎対策プロジェクト実行委員他、経済産業省、厚生労働省等の委員を兼任。

<内容>

現在、何かしらの病気の治療を受けながら仕事をする方は、労働人口の3人に1人を占める割合ですが、病気を理由に仕事を辞めざるを得ない、あるいは仕事を継続していても職場の理解が乏しく仕事のしづらさを抱えている方が少なくないことが明らかにされています。

こうした実態を踏まえ、政策的な整備を行うことを目的とした「働き方改革実行計画」が2017年3月に発表されました。また、その柱となる取り組みとして、①会社の意識改革と受け入れ体制の整備、②主治医、会社・産業医、両立支援コーディネーター(医療ソーシャルワーカー等)のトライアングルサポート体制の構築、③産業医・産業保健機能補強化、が明記され、がん診療連携拠点病院と産業保健センターとの連携等、人的整備を中心に体制が整えられつつあります。更に、平成30年度の診療報酬改定では、「療養・就労両立支援指導料」が新設され、働くがん患者の同意を前提として、産業医と主治医の情報共有が診療報酬評価されたことは、ご存知の通りかと思います。

本来、仕事と治療の両立支援は、がん患者、がん診療連携拠点病院、産業医、といった限定された状況にある療養者に提供されるものではなく、あらゆる私傷病の方に対し、会社の規模に関わらず提供されてしかるべきものです。また、それは医療機関あるいは企業内のみで完結できる事柄ではなく、社会全体の問題として、企業と医療機関、行政、産業保健スタッフの連携が必要不可欠となります。

本企画では、「治療と職業生活の両立の支援対策事業ガイドライン 企業・医療機関連携のためのマニュアル(平成20年3月)」作成に企業人事の立場から携わられた浅野健一郎先生にご登壇いただき、企業の労働者に対する関わりの視点、企業と医療機関の連携のあり方、医療ソーシャルワーカーに期待することについてご講演いただく予定です。

本企画を通して、我々自身が医療機関という特異な文化から視野を広げて、労働者が日々過ごす社会の実態を知るとともに、明日からの実践に行かせる知見を得られることを願っています。

特別講演「現在、これからの医療と医療ソーシャルワーカーに望むこと」

10:45~11:45

猪口雄二(公益社団法人全日本病院協会 会長)
進行:早坂 由美子(公益社団法人日本医療社会福祉協会 会長 北里大学病院)
集い①「意思決定支援」

9:30~10:30

片山 陽子(香川県立保健医療大学)

「人生の最終段階を自分らしく過ごす」その人らしい尊厳ある生を最期まで生ききるためには、本人の選択・決定が重要で、そのためには本人が自分の価値や希望を基盤にどのように生きたいかを熟考し表現できる意思表明が必要です。自らの価値や生き方を表明することは簡単なことではなく、そのプロセスを支える支援が欠かせません。現在、多くの医療者・ケア提供者は意思表明、意思決定の支援の重要性を認識し、その実践に努めています。しかしながら具体的な支援方法の提示や支援システムの構築は、その取り組みが始まったところであり、日々どのように実践すればよいのか戸惑っている場合も少なくありません。また、意思表明・意思決定の支援は重要であるがゆえに、支援者として葛藤や不安を抱えながら実践していることもあるでしょう。

この集いでは、本人の意思表明を支援するために必要な「対話」や「語りを聴くこと」の大切さとその実践方法、そして日々、意思表明・意思決定を支援している支援者を支える仕組みの重要性について、参加者の皆さまと共に考えたいと思います。

集い②「入退院支援(平成30年診療報酬改定を踏まえて)」

9:30~10:30

岡本 健志(KKR高松病院)
宮野 光喜(高松協同病院)

<内容>

平成30年度の診療報酬改定で、退院支援の更なる推進を図る目的で『退院支援加算』が『入退院支援加算』となった。さらに、予定入院患者への関わりについて「入院加算」が新設された。医療機関における私たちMSWの退院支援や、他の関係機関との連携といった業務が診療報酬で評価され、全国でも数多くの医療機関が算定を行っている。
「クライエントの生き方の支援」を行う私たちMSWとして、患者さんの想いを紡いでいる。ソーシャルワークの実現のために、病院内の職種間相互理解が不可欠であり、院内連携協働を行う必要がある。また、入退院支援加算の運用方法について、参加者がお互いに情報交換できるように、ワールドカフェ方式で交流を図る。
参加者は、名刺を持参し情報交換とともに顔の見える連携を行う。

<対象者>
医療ソーシャルワーカー

<必要物品>
名刺

<プログラム>
1.説明(5分)
2.ラウンド1(15分)名刺交換・アイスブレイク・ディスカッション
3.ラウンド2(15分)名刺交換・アイスブレイク・ディスカッション
4.ラウンド3(15分)名刺交換・アイスブレイク・ディスカッション
5.まとめ(10分)

集い③「MSWよもやま話~本当は〇〇~」

9:30~10:30

~香川大会プロジェクトチーム~

松尾 亜希子(四国こどもとおとなの医療センター)
小田 優子(香川大学医学部附属病院)
楠本 結衣(回生病院)
中村 あゆ美(高松協同病院)
岡本 健志(KKR高松病院)
佐藤 貴之(まるがめ医療センター)

「記録より記憶に残る集いを作ろう」を合言葉にプロジェクトチームで企画しました。

毎日の業務の中で、やりがいや達成感を感じる時もあると思います。しかしその一つのやりがいを感じるために、いくつもの山を越え谷を越え、眠れぬ夜を過ごしたこともあったのではないでしょうか。そんな皆さんの胸に秘めた思いのたけを共有できる時間を作りたいと思っています。

もちろん、言いっぱなしで聞きっぱなし。どこにも記録は残りません。

全国大会最終日、集い終了後には参加してくださった皆さんの爽やかな笑顔に出会えることを楽しみにしています。

<方法>

入口で初回のグループ分けのためのカードをお渡しします。そのカードごとに分かれ、準備したテーマについてグループ内で意見交換をしてもらいます。1グループは多くても6名。参加者の話は否定せず皆さん受容してください。1つのテーマが終わるとグループは解散。そしてまた新しいグループを作ります。解散前にグループ内での名刺交換はお忘れなく。1つのテーマにつき約10分。4つのテーマについて話をする予定です。

<準備物>

名刺(20枚程度)

集い④「後輩育成を考える人集まれ」

10:45~11:45

柳生 梓(西香川病院)
前田 洋子(橋本病院)

〈はじめに〉

香川県企画である集いを計画するなかで新人の集いを例年にならい開催していこうとの案がでました。それならば、新人を教育していく側の集いはどうだろうか?と今回、後輩育成の集いを開催する運びになりました。「教えてもらう」という立場から、年を重ねるごとに「教えていく」という立場に変化し、これでよいのか?分かってもらえているのだろうか?という不安を感じるばかりの日々です。またその反面、後輩のふとした言動に成長を感じ嬉しくなる事も。

改めて、教育・指導ではなく育成という視点から悩み、迷い、楽しさを皆さんと一緒に思う存分語り合えればと思います。

皆様の参加を心よりお待ちしております。

〈対象者〉
後輩育成に携わる医療ソーシャルワーカー

〈プログラム〉
1.アンケート報告(10分)
2.アイスブレイク(10分)
 ・自己紹介(名刺交換など・・・)
3.グループディスカッション(30分)
 ・グループ内で、司会 ・書記 ・発表を決めて頂きます。
4.発表(10分)

集い⑤「新人の新人による新人のための集い(in香川)」

10:45~11:45

佐々木 祐希(滝宮総合病院)
池内 佐津紀(滝宮総合病院)
白井 千絵(回生病院)

ソーシャルワーカーになりたての頃、毎日が目まぐるしく過ぎていたことを思い出します。机上では出合うことのなかった出来事に戸惑い、自分に何ができるかもわからず、右往左往する日々でした。

『できないこと、わからないことがあるのは当たり前!』と励まされながらも、自分の役割が何なのかを模索する毎日。 お会いするクライエントは人生の大先輩ばかりで、教えられることも多く、人生ひよっこの自分の言葉が時に気恥ずかしく感じる時もありました。

一言に『ソーシャルワーカー』と言っても所属する医療機関の担う役割によって、その業務内容も専門職としての立ち位置も大きく異なります。けれど「人と向き合う」ということに関しては皆同じです。理想とするソーシャルワーカー像はあるものの、実際の業務とのギャップに戸惑い、他の専門職との意見の相違に思い悩み、葛藤することもあると思います。また、クライエントからの些細な言葉に一喜一憂することもあると思います。

そんな悩みや葛藤、喜びもひっくるめてみんなで共有しませんか?この場に集う仲間たちとそんな想いを言葉にして共有することで心が少し軽くなったり、あなたは1人じゃないと感じてもらえたら・・・全国各地で奮闘する同じ経験年数の仲間だからこそ話せること、共有できることって多くあると思います。

香川大会も引き続き、『新人が主役!』そんな集いにしたいと考えています。

テーマ:『ソーシャルワーカーとして大切にしたいこと』
【ルール説明】
各国旗で分けたグループに5人ずつ座ってもらいます。
テーマについてあなたらしく・自由に・肩の力を抜いて(←ここ重要)話し合って下さい。
時間になると、そのグループの国旗のある席に座る方(大統領)以外の4人(旅人)は別のテーブルに移動してください。この時、重ならないように移動してください。
2ラウンド目のメンバーに、大統領はこのグループで話し合われた内容を簡単に紹介してから2ラウンド目の話し合いを行います。これを3ラウンド行います。 この集いをきっかけに全国で奮励努力するたくさんの仲間と繋がっていただきたいので、名刺のご準備はお忘れなく

集い⑥「治療と職業生活の両立支援」

10:45~11:45

司会: 坂本はと恵(国立がん研究センター東病院)

発表者:福島美幸(四国がんセンター)
前田英武(高知大学医学部附属病院)
有馬信夫(徳島県立中央病院)
伊原志乃(香川労災病院)

要旨

今年3月に閣議決定された「第3期がん対策推進基本計画」においても「がん患者等の就労を含めた社会的な問題」という文言が盛り込まれるなど、近年、がん患者に対する就労に対する支援が注視されています。今年の診療報酬改定においても、「療養・就労両立支援指導料」が新たに追加され、産業医への情報提供、治療計画の見直しを行うこと、またその相談体制を整えていることで、診療報酬上でも評価されることとなりました。また、メディアでも「ながらワーカー」という、治療をしながら仕事をすることの啓発コマーシャルを目にされた方も多いと思います。現在、がん患者の治療と就労の両立支援は国をあげて取り組まれています。

そのような状況の中、現場のソーシャルワーカーは、「やらなければ・・・」との思いを持ちながらも、でも実際にどのように取り組めば良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。所属機関の特性や地域性によりクライエントの年齢層や職業も様々です。また、雇用形態や職場内でのクライエントの立場など、細やかな配慮を要する場合も多く、積極的な関わりにやや尻込みしてしまうこともあるかもしれません。

今やがんは2人に1人が罹る時代です。そして3人に1人が就労可能年齢で罹患し、約30万人以上の方が、がん治療をしながら仕事をされています。サバイバーの仲間もいらっしゃることと思います。

本集いでは、四国4県でそれぞれに取り組まれている活動をご紹介することで、様々な角度から就労両立支援について考えてみたいと思います。

閉会式

12:00~12:30

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