ミニワークショップ・ワークショッププログラム

 学術集会への事前参加登録をされた方は、ワークショップ(以下WS)・ミニワークショップ(以下MWS)の事前申込をウェブサイト上で受け付けます。申込フォームに必要事項を入力し申込みしてください。

 満席に達していない企画については、当日受付もいたします。参加証と一緒に渡されますWS・MWS申込みチケットにて、WS・MWS受付にてお申込みください。受付はすべて先着順となります事をご了承ください。なお、開始時間から5分を過ぎてもご来場されない場合は、キャンセルとみなされますことをご了承ください。

WS・MWS事前参加申込締切日:2017年5月26日(金) 受付終了

※ こちらの参加申込フォームは、
ワークショップ・ミニワークショップへの参加申込のためのものであり、
日本精神保健看護学会第27回学術集会・総会への参加登録ではありません。

都合により下記のワークショップのワークショップ番号と開催時間が
変更になります。

変更前
 WS-04 1日目6月24日(土)14:00〜15:20 研修室305
 表情看護(その4) 表情理論と実践の統合
 WS-17 1日目6月24日(土)16:50〜18:10 研修室305
 アディクション問題を抱えた患者に対する介入を考える―事例検討会―

変更後
 WS-04 1日目6月24日(土)14:00〜15:20 研修室305
 アディクション問題を抱えた患者に対する介入を考える―事例検討会―
 WS-17 1日目6月24日(土)16:50〜18:10 研修室305
 表情看護(その4) 表情理論と実践の統合

5月8日(月)以前に、旧WS-04・WS-17を申し込みただきました皆様には、
大変恐縮ではございますが、再度参加申込フォームより申し込みをお願いいたします。

ミニワークショップ 第1日目 6月24日(土) 11:30-12:30

MWS-01 研修室301

地域で出来る認知行動療法的看護活動
中野 眞樹子1)、石川 博康2)、冨樫 剛清3)
1)合同会社エムエムIMS 笑む笑む訪問看護ステーション、2)都立松沢病院 看護部 訪問看護、3)碧水会 長谷川病院
 認知行動療法(以下CBT)は、日常生活の些細な出来事を「今、ここで」の問題に焦点を当てるとしていることから、生活援助に重点を置いた治療ケアを得意とする看護師には馴染みやすい精神療法であり、また介入しやすい。
 欧米では、交通の便の悪い地域や費用面などの問題から受診出来ない患者や医療サポートの低い地域での看護、また予防医療の側面からも地域看護でCBTの実践場面は多い。  本ワークショップは、都立松沢病院で入院中にCBTの心理教育を行い、退院後から地域で継続看護をし、患者様の病状をサポートしている現状の報告。カウンセリングや在宅で看護師がCBTを実践し、効果を得ている実践報告とその介入方法をご紹介し、地域看護の技術として、CBT介入方法をご提案・ご紹介していきたい。

MWS-02 研修室302

精神科領域における感染対策に関するワークショップ
桑門 昌太郎1)、加藤 紘子2)、糠信 憲明3)
1)医療法人社団碧水会 長谷川病院、2)国立病院機構 久里浜医療センター、3)広島国際大学 看護学部 看護学科
 感染対策は安全な医療を提供するうえで不可欠の要素であり、その重要性は精神科病院においても変わるものではありません。むしろ精神科病院では長期入院をしている高齢の患者さんも多く感染対策の重要性は高いといえます。また、精神科病院では閉鎖病棟や隔 離室といった感染が拡大しやすい構造上の特性や、安静や行動制限の指示が守れず徘徊したり咳エチケットや手指衛生を行うことが難しかったりと、個人衛生行動が難しい患者さんも少なくありません。こういった点を踏まえると、精神科病院においては一般科で行なっている対策をそのまま適用することはできず、精神科ならではの特殊性を勘案した対策が重要であると考えられます。とはいえ精神科病院ではスタッフ数の少なさや臨床検査技師がおらず細菌培養検査の結果を活用するのが難しい状況なども存在します。本WSでは話題提供・活動報告に続いて参加者同士の情報共有や意見交換を行いたいと考えています。

MWS-03 研修室401

メリデン版訪問家族支援が目指すこと ~当事者・家族のまるごとリカバリー~
吉野 賀寿美1)、小松 容子2)
1)医療法人社団 五稜会病院、2)宮城大学 看護学部 看護学科
 メリデン版訪問家族支援は、イギリスのバーミンガム&ソリハルNHSで行われている行動療法的家族療法で、当事者・家族・専門家の3者のパートナーシップの関係を大切にしている「単家族」へのケアマネジメントをベースにした「訪問型」の家族支援モデルです。
 日本における家族支援の主流は、「複合家族」に対する「来所型」の集団家族心理教育となっており、各々の家族のニーズに対する支援が難しかったり、病状の悪い当事者本人を家において来所することが出来ない家族にとっては手の届かない支援となっています。このような状況にチャレンジし、重度の精神疾患を抱える当事者を支える家族も含んだ「まるごとリカバリー」を目指そうと、現在メリデン版訪問家族支援の日本での普及を目指しています。今回のワークショップでは、メリデン版訪問家族支援の概要と技術の説明、DVDによる実践の紹介と日本での試行の実践報告を行います。是非、ご参加ください。

MWS-04 研修室402

不眠に対する認知行動療法
香月 富士日1)
1)名古屋市立大学 看護学部
 認知行動療法は、うつ病やパニック障害で効果が確立されているが、不眠症に対する認知行動療法も高い治療効果を示している。企画者らは、うつ病薬物療法後も改善がない難治性の不眠持つ患者に対し,認知行動療法を行い,不眠・うつに及ぼす効果、患者の生活の質に及ぼす効果について検証し、有用な結果が得られた。
 不眠の認知行動療法は60分4回セッションで、第1セッションでは、睡眠日記の書き方と睡眠衛生に関する心理教育、第2セッションでは、不眠行動モデルの共有と睡眠制限法、刺激コントロール法の導入、睡眠スケジュールの作成を行う。第3セッション、第4セッションは、1週間の睡眠効率を見ながら次の1週間の睡眠スケジュールを調整し、最後に不眠の再発予防について話し合う。今回のミニワークショップでは不眠に対する認知行動療法の効果と各セッションの内容を紹介する予定である。

MWS-05 研修室403

精神科病棟でストレングスモデルを取り入れるために・・・笑抱の会@JAPMHN27
片岡 三佳1)、福山 敦子2)、安里 順子3)、薮田 歩4)、渋谷 隆幸5)
1)三重大学大学院、2)神戸女子大学、3)ねこのて訪問看護ステーション、4)神奈川県立保健福祉大学、5)リンクよこはま訪問看護ステーション
 近年、ストレングスモデルの看護実践は、地域のみならず病棟での実践報告もされるようになり、確実な広がりをみせています。Rapp(2014)は、ストレングスを基盤にした実践が拡張されていることは喜ばしいとしながらも、伝統的なアプローチにストレングスをメッキして、「ストレングスアプローチ」というラベルを貼っても、それは新しいボトルの中の古びたワインにすぎない…と、そこに潜む危険性を示唆しています。福祉領域で発展してきたストレングスモデルを看護で活用するとき、真のストレングスモデルをめざし、どのように取り入れていくか…を考える必要があります。
 そこで、病棟でストレングスモデルに基づいた看護実践を目指して取り組んでいる佐藤晴久さん(藍里病院)の話題提供から、病棟でストレングスモデルを展開するための壁には何があるかを整理し直し、その壁を越えていくための知恵を、ご参加いただいたみなさんともに探っていきます。

MWS-06 研修室303

精神疾患患者ががんになったとき がん看護から学ぶ精神看護・精神看護から学ぶがん看護
加藤 郁子1)、佐藤 忠2)、田中 久美子3)、佐藤 郁美1)、大川 貴子1)
1)公立大学法人福島県立医科大学 看護学部、2)福島県立矢吹病院、3)訪問看護ステーションなごみ
 以前から精神疾患患者の長期入院や、入院患者の高齢化が問題になっています。年齢が高くなるにつれ、がんを発症する患者も増加することが予測されますが、患者は精神症状等の影響からがんの早期発見や早期治療が難しいのが現状です。がん対策基本法では、がん予防や早期発見、がん医療の均てん化が挙げられていますが、精神科入院中の患者はがん検診を受ける機会を逃すことも多いです。また終末期の療養の場が精神科病院でよいのだろうかとジレンマを感じながら患者と関わる看護師も少なくありません。
 ワークショップでは、がんを発症した精神疾患患者を取り巻く課題につて、精神看護とがん看護の視点から報告し、患者に必要なケアを提供するために、精神看護とがん看護がどのように連携し、どのような取り組みが可能なのかを参加の方々と一緒に考えてきたいと思います。精神科病院だけでなく総合病院や地域など、様々な立場の方々の参加をお待ちしております。

ワークショップ(1)WS-01~WS-10 第1日目6月24日(土)14:00~15:20

WS-01 小ホール

ポジティブ心理学を精神看護に活かしてみよう!
秋山 美紀1),2) 、菅原 大地3),4)、近藤 浩子5)、廣島 麻揚1)、金子 眞理子6)
1)東京医療保健大学 医療保健学部 看護学科、2)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究所、3)筑波大学大学院人間総合科学研究科、4)日本学術振興会、5)群馬大学大学院保健学研究科、6)東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部
ポジティブ心理学って何だろう・・名前は聞いたことがあるけど、どんなものかよくわからないという方が多いと思います。ポジティブ心理学は、「何が人・組織・地域を繁栄に導くか」を科学的に考える心理学分野です。毎日をごきげんに暮らすスキルが組み込まれていて、学んでいるうちにワクワクしてくる学問です。セルフコンパッションとは何か、それを高めるためにはどうしたらよいかを一緒に考えていきたいと思います。また、フレドリクソンの拡張‐形成理論を、自分のメンタルヘルスに、患者さんのケアに、病棟の運営に使っていきませんか。このワークショップでは、ポジティブ心理学での理論や技法を説明して、実際にワークを行うことによって、精神看護のどんなことに使えそうか皆さんと意見交換して、各々がこれから精神看護にポジティブ心理学をとりいれていこうというモチベーションを高めることを目的にしています。皆様のご参加をお待ちしております。

WS-02 研修室301

「慢性期にある統合失調症患者の看護と退院促進を考える“多飲症・水中毒症状を呈する患者の看護について語ろう”
小池 正美1)、茂木 泰子2)、宮田 欽章3)、仲根 とし子4)、千葉 のり子5)、澤見 一枝6)、高松 みえこ3)、野尻 陽子3)、西田 和幸1)、剣持 明彦7)、柴 裕子2)、小椋 みづえ8)

1)桐生大学 医療保健学部、2)中京学院大学、3)茨城県こころの医療センター、4)つくば国際大学、5)豊橋創造大学、6)奈良県立医科大学、7)群馬県立精神医療センター、8)聖十字病院

厚生労働省の平成25年度「病院報告」では、精神科の在院患者数は299,542人であり、平均在院日数は284.7日(一般病床は17.2日)と示されています。自立支援法の改正により、精神科看護領域では、地域支援等も整ってきたとはいえ未だ十分とは言えません。なかでも、統合失調症の長期入院患者は、その1割以上が多飲症から水中毒に至る急激な症状の変化を認める現状があり、隔離室や四肢抑制などの対応を要することも少なくないと言われています。このような慢性期と急性期の双方の特徴を含む精神科看護は、患者は勿論のこと、看護師にとても深刻な問題のひとつになります。そこで、今回は、昨年に続き、これまでに得られた多飲症・水中毒患者に関する研究成果を報告し、それぞれの所属機関で抱えている問題を語ることから、今後の看護実践に向けた示唆を得たいと考えています。

WS-03 研修室302

ナースのための家族心理教育入門
香月 富士日1)、石川 恵己2) 、伊藤 環3) 、亀山 麻衣子4) 、児屋野 仁美5) 、澤田 華世1)
1)名古屋市立大学 看護学部、2)特定医療法人共和会 共和病院、3)岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター、4)ほーぷ株式会社、5)四日市看護医療大学看護学部看護学科、
 心理教育には、患者ご本人を対象にするものと家族を対象にするものがあります。どちらも臨床上有用な介入方法ですが、再発予防に対するエビデンスという意味では、家族を対象とした家族心理教育において強いエビデンスが示されています。統合失調症における家族心理教育の効果は大変良いもので、世界中の多くの無作為化割付け試験を用いた研究では、対照群に比較して家族心理教育を行った介入群の方が有意に再発率が下がっています。そして多くのメタアナリシスでは、統合失調症治療において家族心理教育は効果があると結論付け、普及の必要性に言及しており、現在ではいかにひとりでも多く方々に提供するかという普及戦略を練る段階にあります。このWSでは、初めに家族心理教育の理論と実践上でのナースの役割について初心者向けに基礎から話し、その後、統合失調症の家族を対象とした模擬家族教室を行う予定でいます。

WS-04 研修室305

アディクション問題を抱えた患者に対する介入を考える―事例検討会―
松下 年子1)、河口 朝子2)、小林 一裕3)、辻脇 邦彦4)、荒木 とも子5)、内野 小百合6)、谷島 和美7)、早川 麻耶8)
1)横浜市立大学 医学部 看護学科、2)長崎県立大学、3)相模が丘病院看護部、4)東都医療大学、5)埼玉医科大学医学部博士課程、6)防衛医科大学校、7)神奈川県立がんセンター、8)横浜市立大学大学院医学研究科
  現代はアディクショの時代であり、あらゆる対象に依存しながら人は時間を構造化しているといえる。なお、対象特性と依存の程度、他者への支障の程度、他活動とのバランス等によって、病的な対象依存とそうでない依存に区分される。両者に分かれるにあたって、環境要因から受ける影響は大きい。アディクションは社会という環境の病でもある。対策を設けるよりも、依存症を増やすであろう依存対象そのものを存在させないほうが賢明とさえいえる。いずれにせよ個人を変えるよりも、依存の環境要因を調整する方が依存症対策として有効性は高い。以上を踏まえて当日は、日常臨床において、また社会において、対象の精神的、身体的、生活的、社会的側面を医学のみならず学際的観点からアセスメントできるエキスパートである看護職が、アディクション予防のために、環境面に着眼していかなるサービスや調整を提供できるのかを、事例を通じて意見交換したい。

WS-05 研修室401

高度実践看護師としての専門看護師の実践能力開発のための系統的訓練・研究の現状と課題
宇佐美 しおり1) 、川田 陽子2) 、武用 百子3) 、蒲池 あずさ4) 、寺岡 征太郎5) 、栗原 順子6)、 奥野 史子7)
1)熊本大学生命科学研究部、2)医療法人清心会 八尾こころのホスピタル、3)和歌山県立医科大学 保健看護学部、4)神戸市看護大学 精神看護学分野、5)東京医科大学看護学科、6)東京都立多摩医療センター、7)聖路加国際病院
 平成5年に専門看護師制度(Certified Nurse Specialist,以後CNSと呼ぶ)が実施されてから、CNSは1,862名となり精神看護CNSは265名となった。また看護系大学院が急増し、CNSをめざす看護職も増えてきている。CNSの数が増えるにつれ、病院や地域で一定の成果をあげるための実践能力の開発が必要となり、日本CNS協議会では、患者の病状やセルフケア能力の改善、QOLを早期に改善していけるための実践能力開発を目的とした系統的トレーニングを試行的に実施している。特にケア困難患者・家族のセルフケアを推進するため精神療法的アプローチ、患者の状態への適切な診断と治療に(特に処方)に関する理解、組織や集団への介入を可能にするダイナミックコーチング、治療チームへのコンサルテーション、集団認知療法などの必要性を認識し、実践能力を高めるための努力を行っている。このような状況の中、高度実践看護師としての実践能力開発のために、CNSの臨床能力に応じてどのようなトレーニングが必要なのかを明確にすることを目的とし、CNSの実践能力開発のためのトレーニングプログラムについてこれまでの実績をもとに検討することとした。

WS-06 講堂

【日本版セルフケア・アセスメント・ツール:急性期治療ユニット用】を活用した精神科病棟でのOJT
大竹 眞裕美1)、中山 洋子2) 、馬場 香織1) 、勝尾 亜佑美1)
1)社会医療法人一陽会 一陽会病院、2)高知県立大学大学院 看護学研究科
 今回紹介する「日本版セルフケア・アセスメント・ツール」(以降、J-SCAT)は、平成25年度~平成27年度に日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究(B))の補助金を受け実施した『精神障害者のSelf-care Assessment Toolの臨床活用』(研究代表者中山洋子)の一貫で開発したものです。ワークショップでは、中山からUnderwood博士が米国で開発したSelf-care Assessment Toolから日本版を開発した意図やプロセスを説明し、大竹からは精神科病院で教育プログラムを企画・運営する立場から、セルフケアを基盤にした看護実践を定着させるためにどのような現任教育を行っているのか、馬場と勝尾からは病棟のOJTでJ-SCATをどのように活用しているのかを報告します。そして、参加された方と「セルフケア看護の真髄は何か?」意見を交わしたいと考えています。

WS-07 研修室1402

精神看護領域におけるヘルスプロモーション型看護診断ーストレングスモデルの視点を活用してー
白石 壽美子1) 、安保 敏枝2) 、高野 幸子3) 、寳迫 佳代子4) 、八田 由利子5)
1)桜ケ丘記念病院、2)東京都立南多摩看護専門学校、3)東京都立板橋看護専門学校、4)東京都立北多摩看護専門学校、5)翠会陽和病院
 私たちの研究グループは精神看護領域の看護診断の普及を図り、精神看護に貢献することを目的とした活動をしています。今回のテーマは、昨年に引き続き「精神看護領域におけるヘルスプロモーション型看護診断―ストレングスモデルの視点を活用してー」にしました。ヘルスプロモーション型看護診断は、NANDA-1では、「安寧の増大や人間の健康の可能性の実現に関する意欲と願望についての臨床判断」と定義されており、どのような健康状態にも用いることができます。また、患者がもつ「強み」「意欲と願望」などの健康な部分に着目していけるようストレングスモデルの視点を生かして考えていきたいと思います。講義では、患者の健康増進に焦点をおいた看護診断の有用性について考えると共に、ストレングスモデルの基礎知識について共有化を図ります。その後、事例を用いてグループワークを行い、看護診断を導く過程の理解を深めます。

WS-08 研修室403

精神看護学教育体験について語り合うグループ
榊 惠子1) 、北原 佳代2) 、魚住 圭一3) 、成瀬 治4)
1)昭和大学 保健医療学部、2)横浜中央看護専門学校、3)ハートフル川崎病院、4)東海大学病院
  精神看護学教育に携わっている方々、精神看護学教育に関心をお持ちの方々で集い、語りあうグループです。80分間、日頃の精神看護学への思い、講義や実習で困ったこと、戸惑ったこと、印象に残ったことについて自由に語りましょう。各学校や施設でもさまざまな会議やグループが持たれているとは思いますが、所属の職場を一旦離れた場所で改めて語り合うことで、普段とは異なる刺激を受け、新たな指導や教育への示唆を得ることが可能だと思い企画しました。教育の体験をすべて言語化することは難しいですが、全国から集まった者同士と語り出せば、自分が言葉にし難かったことも、途中から他の参加者が続けて物語が紡がれていくかもいかもしれません。そんななかで、肩の荷が少し下りる体験もできればいいと思います。語ったこと、聴いたことの実感を持って明日に向かうことができればとも思います。ご参加をお待ち申し上げます。

WS-09 研修室303

依存症看護はじめの一歩 いいとこ探し始めませんか?
高野 歩1) 、熊地 美枝2) 、関口 慎治3) 、上野 昭子2)
1)東京大学大学院 医学系研究科 精神看護学分野、2)国立精神・神経医療研究センター病院、3)駒木野病院 アルコール総合医療センター
 このワークショップでは、依存症の問題を抱える方に対するアプローチのエッセンスを体験し持ち帰っていただくことを目的としています。依存症と聞くと、対応が難しそう、普段出会わないから関係ない、と感じる方も多いかもしれませんが、実は依存症治療で用いられているアプローチは様々な精神疾患を持つ方への対応に応用でき、さらに慢性疾患全般のケア、そして普段のコミュニケーションにとても役に立ちます。何より「ケアする側が楽になる」というのが魅力です。ワークショップでは、薬物依存を持つ方への集団療法(SMARPP)の理念を紹介し、動機づけ面接のスキルを「気づくワーク」「探すワーク」「返すワーク」の実践を通して学べる企画を設けました。依存症看護になじみのない方にも依存症看護って案外楽しいかも、意外とできるかも、と思っていただけると幸いです。

WS-10 研修室304

倫理的な意思決定を支える~精神科看護領域で見られる摂食嚥下機能障害の基礎知識とグループディスカッション~
後藤 優子1) 、勝部 真由1) 、戸原 雄2)
1)碧水会 長谷川病院、2)日本歯科大学
 精神科看護の臨床では、向精神薬の内服や高齢、認知症に伴う運動機能低下などにより摂食嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎や窒息などを起こす患者さんに遭遇します。摂食嚥下機能の障害により機能的には「食べること」に制限をかけたほうがよい場合も出てきます。逆に誤嚥性肺炎の恐れから食事の再開になかなか踏み切れないこともあります。そのようなときに患者さんの思いや決定を尊重しながら、看護師として、医療チームとして状況を査定し、いかに倫理的に意思決定を行うのか、「食べること」を通して「生きること」をどのように考え支えていくのかが精神科看護の中で日々問われています。本ワークショップでは、摂食嚥下機能障害について歯科医師から基礎知識のミニレクチャーを行った後、統合失調症のケースを通してグループディスカッションを行い、患者さんの自己決定を大切にしながら倫理的に意思決定を行うことについて体験し考えていきます。

ワークショップ(2)WS-11~WS-14 第1日目6月24日(土)15:35~16:55

WS-11 研修室402

精神科領域における医療情報を考えるワークショップ
糠信 憲明1) 、桑門 昌太郎2) 、加藤 紘子3)
1)広島国際大学 看護学部 看護学科、2)医療法人社団碧水会 長谷川病院、3)国立病院機構 久里浜医療センター
 今般、精神科病院において電子カルテの運用を開始している施設が少なくありません。電子カルテには様々なメリット・デメリットがあり、精神科においては導入および運用について一般科と異なる点で苦慮することもあります。「精神医療の見える化プロジェクト」においては情報の二次利用の可能性の幅が大きく開かれ、多くの情報をベンチマークとして活用することも期待される。一方、医療観察法病棟では既に病院を超えた共通システムが稼働しており病院を超えた情報共有など大きなメリットがある反面、病院内で複数の看護記録様式を運用しなくてはいけない点や、より一層の個人情報保護の重要性などの課題もあります。そして、精神科病院で実習を行う学生・教員にも電子カルテの導入は種々の影響があり、情報収集の効率化と端末の数による制約などの側面もあります。精神科領域における医療情報は多岐に亘ることから様々な視点から情報交換が出来ればありがたい。

WS-12 研修室403

臨床現場と大学が協働して精神科看護実践を再構築する実験的試み―セミナーや看護研究支援プログラムを通じて
岡田 実1)、東 修1)、有賀 美恵子1)、長南 幸恵1)、森野 貴輝1)、大西 智香2)、鈴木 千穂3)
1)長野県看護大学、2)倉敷中央病院、3)長野県こころの医療センター駒ケ根
 現在の精神医療は,病棟機能の特化と精神科救急・急性期治療の高規格化および地域移行の促進を課題に,これらに対応できる良質かつ適切な治療と看護が期待されています.こうした精神医療のフロントラインに従事している看護師とそのチームに,専門的な実践力が期待されています.そのような人材を養成・輩出する大学教育においても,救急・急性期病棟や地域移行の最新情報を収集し,それを教育に還流させることが求められています.このためには大学と臨床現場間の迅速かつ継続性のある連携が必要です.現在,こうした連携を実現するためにWeb会議システムを用いて実験的に行っています.その運用の実際と課題をワークショップで紹介しながら,参加者の皆様と検討したいと考えています.年間15回開催する精神科中堅・熟練看護師を対象にしたセミナー(SAE),同じく年間15回開催予定の看護研究支援プログラム(SONS)の運用の実際を紹介します.

WS-13 研修室303 受付終了

対人援助職のためのマインドフルネス ―呼吸をしながら、いまの自分の体と心を感じてみよう―
立石 彩美1)、根本 友見2)
1)順天堂大学 医療看護医学部 精神看護学、2)了徳寺大学 健康科学部 看護学科 精神看護学
 最近、何だかイライラしたり、日々の仕事や人間関係の中で、心も体も疲れていませんか?このワークショップでは、日頃、様々な人間関係の中でお仕事をされている皆さまと一緒に、マインドフルネスを通して、自分の心と体に気づく時間を持てたらと思っております。マインドフルネスは瞑想であり、評価や判断をせずに、今この瞬間に注意を向けていることで得られる気づきです。医療だけでなく、心理、ビジネス、スポーツ、教育、矯正、宗教など、様々な領域での活用が今、広がっています。
 このワークショップでは、マインドフルネスとは何かについてお話した後、参加者の皆様と一緒に、座って呼吸に意識を向ける瞑想や、体の各部に意識を向けるボディースキャン、歩く瞑想、などのマインドフルネスの瞑想をご一緒に体験していきたいと思います。マインドフルネスって何ですか?という初めての方もどうぞお越しください。

WS-14 研修室304

てつがくカフェ―精神看護実践における〈聴く〉ことのチカラ?―
近田 真美子1)、福山 敦子2)
1)福井医療大学、てつがくカフェ「医療とケアを問い直す」、2)神戸女子大学
 精神看護学の分野では、ナラティブやオープン・ダイアローグといった、当事者の言葉の力に着目し実践に活かしていこうという動きがあります。
 しかし、当事者の語りの力に着目できるか否かは、そのことばの意味内容をどう受け止めるかといった聞き手側の〈聴き方〉にも大きく左右されるでしょう。また、聴き方の形式を見ていても、傾聴や共感を軸とした治療的コミュニケーションのような聴き方もあれば、精神症状を悪化させたり体験を想起させるといった理由で、当事者が経験している妄想の意味内容について深く尋ねたり、震災などによる喪失といったトラウマ的な体験の言語化の促進を控える聴き方もあります。精神看護実践の場では、多様な聴き方が存在しているのです。
 そこで、今回は哲学的対話実践という手法を用いて、精神看護実践における〈聴く〉という営みには、そもそもどのようなチカラがあるのか、参加者同士で遡行的に考える場を設けたいと思います。

ワークショップ(3)WS-15~WS-19 第1日目6月24日(土)16:50~18:10

WS-15 研修室301 受付終了

患者さんとの面接の技術を磨く
則村 良1)、小笠原 麻紀2)、五味 麻里3)、中井 有里4)、福岡 雅津子5)、槇本 香6)、久保 博美7)
1)医療法人財団青溪会駒木野病院、2)国立大学法人高知大学医学部附属病院、3)医療法人社団碧水会長谷川病院、4)金沢医科大学病院、5)滋賀県立精神医療センター、6)高知県立大学看護学部、7)社会医療法人近森会近森病院
 本ワークショップはヘルピングスキルを中心に、患者さんに面接を実践する上で必要となる技法とそのトレーニング方法を学ぶことを目的にします。ヘルピングスキルはClara Hillが提唱した職種、各流派を超えた、人間関係、援助関係で共通する心理療法的アプローチです。ヘルピングスキルを学ぶことで、面接の方法、技術を系統的に理解、実践することが可能になります。
 ワークショップの内容として、前半にヘルピングスキルについて簡単なレクチャーを行います。後半ではロールプレイ(看護師と患者さんの1対1の面接)でヘルピングスキルの実践を行い、対人関係想起法を用いて、皆さまと学習を深めていきたいと思います。この機会に面接技術と面接技術向上のためのトレーニング方法を学び、臨床や教育のなかで活かしてみませんか?

WS-16 研修室302

統合失調症を持つ当事者に対する看護実践としての心理教育~語りの場の醸成~
松田 光信1)、河野 あゆみ1)、佐藤 史教2)
1)大阪市立大学大学院 看護学研究科、2)岩手県立大学 看護学部
 心理社会的治療の一つである心理教育は、精神医療における様々な場で、様々な専門職により実践されています。この心理教育を運営する者には、当事者の語りを引き出すことや、語りを通して体験やその意味づけを知り、当事者が抱えている課題の改善に向けて共に考える姿勢が求められます。よって、心理教育の成功の鍵は、運営者がいかに語りの場を醸成するにあると思われます。<
 このワークショップでは、心理教育で語りの場を醸成するために運営者が用いている技とその活用例をご紹介した後、参加者の皆様との情報および意見交換を行いたいと考えています。心理教育にご興味がおありの方、心理教育を実践しておられる方、心理教育について研究しておられる方のご参加を心よりお待ちしています。

WS-17 研修室305

表情看護(その4) 表情理論と実践の統合
平澤 久一1) 、板東 正己1) 、的場 圭1) 、磯野 洋一2) 、梶川 拓馬3) 、地本 勲4) 、井村 弥生5) 、赤阪 綾6) 、齋 智浩7)
1)大阪青山大学 健康科学部 看護学科、2)関西看護医療大学 看護学部、3)明治国際医療大学 看護学部、4)八尾こころのホスピタル、5)関西医療大学 保健看護学部、6)訪問看護ステーション デューン南大阪、7)老健福祉施設 あいの苑
 援助的で、患者のニーズを満たし、患者の心に焦点を当てたかかわり」が精神看護の基本となるのは言うまでもありません。そうしたかかわりの中で、患者と看護師の内面で起こるエクマンが提唱した驚き、恐怖、悲しみ、幸せ、嫌悪といった6つの基本的感情のみならず他の感情にも表出される表情について理解し、実践に活かすことが重要かつ不可欠のことと言えましょう。最近は、インターネットで表情に関する色々な情報を検索できますが、精神看護に携わり治療的関わりを展開する専門職として表情理論を学び、科学的に実践する必要があります。
 今回のワークショップでは、これまでの内容を踏まえ、表情理論を参加者と共に共有し議論する中で実践と統合し臨床に活用できればと考えております。是非、皆様のご参加をお待ちしております。  

WS-18 研修室401

「働くことをささえる」ものは何か?‐障碍(がい)者のメディア事業所「ここリカ・プロダクション」の活動から‐
滋野 和恵1)
1)日本医療大学 保健医療学部 看護学科
 就労継続支援B型事業所「ここリカ・プロダクション」は、精神障害者が自らの視点を生かし企画・取材した映像作品などを発信している「メディア事業所」です。
 仕事の取り組みは、依頼が来てから内容と進め方を考え、そこに決まったスタイルはありません。なぜメディアなのでしょうか?仕事を続ける上での工夫は何でしょうか?メディアは、人から人に情報を伝える手段であり、人と人とをつなぐ道具でもあります。当事者の体験が多様なメデイアの活用によって開かれた情報にもなっていくでしょう。メディア事業所を標榜して働くことをささえるものは何かについて、「働くことの動機」「働き続けることをささえるもの」「働くことのさきにあるもの」をキーワードに、当事者の視点で発言を頂きます。精神障害をもつ人の「働く」事の概念や、当事者の「働くことをささえる」ものについて、看護の役割は何かをあらためて考える機会になればと思います。

WS-19 講堂

精神看護学実習の地域における展開方法~看護基礎教育における教育実践から~
永井 優子1)、半澤 節子1)、石井 慎一郎1)、路川 達阿起1)、千葉 理恵2)、板橋 直人3)、宮城 純子4)
1)自治医科大学看護学部、2)兵庫県立大学地域ケア開発研究所、3)日本保健医療大学保健医療学部、4)国際医療福祉大学小田原保健医療学部
 自治医科大学看護学部における保助看法指定規則に定められた精神看護学実習については、第14回学術集会(2004)で、精神科病棟で行う「精神看護学実習(2単位90時間)」と「フィールド実習(3単位135時間)」として精神障害者の社会復帰施設で行う2日間について紹介した。2010年度からは3年次後学期に「精神保健看護実習(2単位90時間)」と変更し、学生数105名(5名増)、担当教員数5名(1名増)となった。実習施設は、栃木県内の精神科デイケア施設と精神障害者を対象とした福祉施設で、10か所以上に及んでいる。ほとんどの学生は病棟実習を経験せずに卒業するが、精神科病院へ就職する学生数に大きな変化はない。
 当日は精神科病院での就業経験を持つ卒業生である現教員による評価を含めて、地域で展開する精神保健看護実習における課題について参加者とともに検討したい。

ワークショップ(4)WS-20~WS-25 第2日目6月25日(日)9:20~10:40

WS-20 研修室305

オープンダイアローグの治療的対話実践
藤原 雅司1)、三ツ井 直子2)、濱田 美鈴3)
1)東京都立松沢病院、2)訪問看護ステーションKAZOC、3)みどりの杜クリニック
 オープンダイアローグは1980年代、フィンランドにおいてうまれた治療システムである。日本では2012年頃より脚光を浴び始め、その治療効果や対話を主としたアプローチに期待が高まっている。しかし、精神保健福祉システム等の違いから、オープンダイアローグを日本にそのまま適応することは難しいといわれている。このため、本ワークショップでは、参加者がセッションを通してオープンダイアローグについて知り、体感することで参加者自身の現場で活かすためのヒントを得ることを目的とする。ワークショップの具体的な内容は、主に(1)オープンダイアローグの概要の紹介、(2)リフレクティング・プロセスを取り入れたセッションを行う。リフレクティング・プロセスはノルウェーの精神科医であるトム・アンデルセンによって提唱された家族療法の実践的手法である。ナラティヴ的な側面をもつオープンダイアローグの治療ミーティングにおいて、重要な要素となっている。

WS-21 研修室401

全部見せます!!岐阜県精神看護CNSの役割開発
桐山 啓一郎1)、小野 悟3)、村岡 大志3)、伊藤 環4)、高島 孝晃3)、石川 かおり2)
1)朝日大学、2)岐阜県立看護大学、3)公益社団法人岐阜病院、4)岐阜県立希望ヶ丘こども福祉医療センター
 精神看護CNS過疎地域と言っても過言ではない岐阜県で、精神看護CNS・プレCNSの交流や自己研鑽を目的に1年前から行われている「ぎふ精神看護検討会」。本ワークショップでは、検討会の1年のあゆみと、岐阜県内で精神科病院、総合病院(リエゾン精神看護)、小児専門病院で精神看護CNSが行っている役割開発を紹介します。その後、参加者の皆様と精神看護CNSの役割開発についてディスカッションしたいと思います。

WS-22 研修室402

多領域・多職種協同によるMental Health Literacy教育~宮城県における小中高校生を対象とした実践報告~
佐藤 利憲1)、内田 知宏2)、高橋 由佳3)、相澤 治3)
1)福島県立医科大学 看護学部、2)尚絅学院大学 人間心理学科、3)認定NPO法人 Swtich
 近年、児童・思春期を対象にメンタルヘルスに関する知識や情報を提供する、Mental Health Literacy(MHL)教育が注目され、精神疾患をもつ人への偏見・誤解の解消や、心身の健康を保持するための生活習慣の獲得という点からも、学校でのMHL教育は大きな意義があると考えます。
 私たちみやぎこころのデザイン教育実行委員会は、2013年からMHL教育を始め、2015年には、多領域・多職種のメンバーが協同して、MHL教育で使用する児童生徒向けのワークブックを作成し、現在まで宮城県内の小中高校(計25校)で出前授業を実施しています。
 本ワークショップでは、MHL教育の活動紹介や模擬授業の他、参加者の皆様とMHL教育に関する意見交換も行いたいと思います。教育現場におけるMHL教育に関心のある方だけではなく、子どもの心の健康に関心のある方、家庭や地域でのMHL教育の実践を検討されている方、精神医療・保健・看護・福祉に携わる方など、多くの方の御参加をお持ちしております。

WS-23 研修室403

看護における認知行動理論・認知行動療法の教育体制の現状と課題
岡田 佳詠1) 白石 裕子2) 國方 弘子3)
1)国際医療福祉大学 成田看護部、2)国際医療福祉大学 福岡看護学部、3)香川県立保健医療大学 保健医療学部

 平成28年度診療報酬改定で「認知療法・認知行動療法」の算定要件が一定の条件を満たす看護師に拡大されるなど、看護師による認知行動療法の実施が期待されるなか、看護師への認知行動療法の普及のみならず、看護師による認知行動療法の質の担保も求められている。そこで昨今国内では、看護における認知行動理論・認知行動療法の教育体制の構築が大きな課題となっている。一つは看護基礎教育や大学院教育のなかで、もう一つは継続教育のなかでどのように認知行動理論・認知行動療法を教育するのか、またこれらを総合しどう系統立てて教育していくのかということである。企画者らは、これまで看護基礎教育や大学院教育、継続教育のなかで認知行動理論・認知行動療法の教育に携わってきている。ワークショップでは、各自の教育研究経験を踏まえ、看護学生および看護師への認知行動理論・認知行動療法の教育の現状と課題を提示し、ディスカッションしたい。

WS-24 研修室303

看護に活かしましょう!ソマティック・エクスペリエンシングの視点とエクササイズ
室伏 圭子1)
1) 一般財団法人 精神医学研究所付属 東京武蔵野病院
 SE®はソマティック心理療法の一つです。「トラウマは個々の出来事の問題ではなく、それらの出来事に対して神経系がいかに反応するかという問題である」という立場から「身体的な(Somatic)経験(Experiencing)」としてのトラウマを扱い、身体的に感じられる様々な反応や、感じられるイメージを通じて、凍りついたまま行き場を失っている神経系の、トラウマのエネルギーを安全に解放していきます。(SE®JAPANホームページより) 発題者は2017年3月に、3年間のSE®研修を終える予定です。研修では、身体の内部および外部環境からの情報に「気づく」練習をしてきました。看護実践にSE®の視点と技法を活かすことは可能であると考えています。  WSでは、「ポリヴェーガル理論WS」の配布資料(アンソニー・ツイッグ・フィーラー氏と国際メンタルフィットネス研究所による)を参考に、SE®の理論的根拠の一つである「ポリヴェーガル理論」を紹介します。そしてSE®エクササイズを一緒に実践します。

WS-25 研修室304

精神力動論と看護を語る~事例を読み解きながら~
小林 信1)、須藤 公裕2)、本武 敏弘3)、葛島 慎吾4)、寺田 美樹5)、寺岡 征太郎1)、田上 美千佳6)
1)東京医科大学医学部看護学科、2)医療法人社団薫風会山田病院、3)社会医療法人芳和会菊陽病院、4)文京学院大学保健医療技術学部看護学科、5)国際医療福祉大学小田原医療保健学部、6)東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
 精神力動論(以下、力動論)とは、臨床における人間の心の理解や行動の理解をするときに活用する理論です。本ワークショップは、力動論の看護ケアへの有用性や可能性、対象を深く理解して実践する看護ケアのあり方などについて、じっくりと参加者の皆さんと確認し共有する時間をもちたいと考えています。具体的な内容として、力動論に関する基本的なレクチャーを行った後、企画者がケースプレゼンテーションし、そしてグループ毎に力動論に基づいたケースの理解と看護ケアの実際について、そこに登場する人たちの心の動きや行動の意味を皆さんと語りあい、シェアしていきたいと思います。参加者一人一人が日頃の看護ケアを振り返ったり、これからの看護のヒントを得ることができるようにしていきたいと考えています。私たちと一緒に力動論と看護について語ってみませんか。

ワークショップ(5)WS-26~WS-31 第2日目6月25日(日) 10:55~12:15

WS-26 研修室301

マインドフルネスを援用した看護職のストレスマネジメント
藤野 成美1)、白井 ひろ子2)、古野 貴臣1)、藤本 裕二1)、脇崎 裕子3)
1)佐賀大学 医学部 看護学科、2)聖マリア学院大学 看護学部 看護学科、3)天草市立看護専門学校
看護職は、人々の生・老・病・死に深く関わるため、ストレスが大きい職業の一つといわれています。望ましい人間関係を築き、良好なコミュニケーションを図るには、まず自分自身の感情をしっかりと見つめ、自分自身をありのままに認めるところからスタートします。ここが従来の心理スキルトレーニングとマインドフルネスとの大きな相違点であると考えます。マインドフルネスとは、自分自身や自分の経験に対して価値判断や批判を加えずに、自分の思考、感情、身体的感覚、行動から逃げずにありのままに受け入れる能力です。今回は、マインドフルネスを実際に体験する機会とともに、弁証法的行動療法(dialectical behavior therapy :DBT)、マインドフルネス、ストレスマネジメントに興味のある方と一緒に意見交換を行いたいと考えております。また、精神科看護師が感じるストレスに対するマインドフルネスの活用についてもご紹介します。多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

WS-27 研修室302

フィンランド西ラップランド地域にあるケロプタス病院でのオープンダイアローグの実践とその方法
西池 絵衣子1)、末安 民生2)
1)慶應義塾大学看護医療学部 2)岩手医科大学 医歯薬総合研究所看護・政策研究部門
 今回発表者らは、当事者、支援者の「語り」に重きを置いた「オープンダイアローグ(以下、OD)」の実践施設であるフィンランド西ラップランド地域にあるケロプタス病院でODの実践について調査、研修の機会を得た。ODが限られた範囲における精神科急性期治療システムであることは知られている。しかし、それと同時にフィンランドの精神科医療の歴史の反省のなかで生まれてきたことはあまり知られていない。スタッフは院内教育において家族療法と精神療法の研修を受けており、支援する上でスタッフの関係性を重視したかかわりなど重要な要件がある。
 今回は、その教育研修体制に長く関与し、開設当初から第一線で活動しておられるTAPIO氏(心理士)にインタビューする機会を得たので、どのような歴史とともに実践的な方法へと進んでいったのかを紹介し、今後の日本における精神保健看護の在り方について参加者とともに考える機会としたい。

WS-28 研修室401

摂食障害のケア検討会
遠山 梓1)、遠藤 恵美2) 、湯浅 度恵3)
1)東京都立小児総合医療センター、2)横浜市立大学附属市民総合医療センター、3)長野県立こころの医療センター駒ヶ根
 摂食障害の看護では、身体的問題の管理、患者の心理背景の理解、患者とその周囲との関係性の理解、家族への支援が必要で、患者・家族との関係を築くことに多くのエネルギーを要します。治療にはある程度の期間を要するため、看護師はしばしば患者・家族の言動に巻き込まれたり、無力感や不全感を感じることがあります。
 本ワークショップでは、摂食障害のケアの検討を通して、摂食障害のケアを検討していくネットワーク作りを目的にしています。3つの病院(小児病院の心療小児科と児童・思春期精神科、総合病院の精神科、精神科病院の児童精神科)における摂食障害のケアの現状について問題提起し、患者・家族へのケアを参加して頂いた方々と意見交換していきたいと考えています。精神科・小児科だけでなくそれ以外の診療科や地域で摂食障害に関わっている多くの方々の参加もお待ちしております。

WS-29 講堂

これからの精神看護学におけるシミュレーション教育の発展と課題
守村 洋1)、河村 奈美子2)、岩本 祐一2) 、佐藤 史教3)、緒方 浩志4)、戸田 岳志4)、中村 創5)、 伊東 健太郎1)、山本 勝則6)、星 幸江1)
1)札幌市立大学 看護学部、2)大分大学 医学部、3)岩手県立大学 看護学部、4)九州看護福祉大学 看護福祉学部、5)千歳病院、6)岩手保健医療大学 看護学部
 大学教育において学生の看護実践力を高めることの必要性が謳われ、その1つの教育方法としてシミュレーション教育をとり上げられる。看護学の各領域においてシミュレーション教育の発展には温度差があり、精神看護学領域では後発部隊であることは否めない。それでも各大学での創意工夫により、全国各地に徐々に普及し始めてきている。
 今回のワークショップでは、精神看護シミュレーション教育を導入している4大学(札幌市立大学、大分大学、岩手県立大学、九州看護福祉大学)それぞれでの取り組みを報告し、今後の発展と課題について議論することを目的とする。最後には学会開催地・札幌の利を活かし、模擬患者と学生に登壇してもらい、札幌市立大学の精神看護シミュレーション教育プログラムを実践してみる(LIVE)。 精神看護シミュレーション教育に興味がある学会員の参加、および、ご意見等をいただけることを期待している

WS-30 研修室402

語りを促す「メタ認知トレーニング」で患者さんの心を軽くしよう!
則包 和也1)、北野 進2) 、冨樫 剛清3)
1)弘前大学大学院保健学研究科、2)東京都立松沢病院、3)医療法人社団碧水会 長谷川病院 
 私たち精神科看護師は、患者さんの心が少しでも軽くなるように、日々様々なアプローチで働きかけています。今回紹介するメタ認知トレーニング(以下、MCT)は、患者さんの発言を促し、言葉をやりとりしながら実施するグループワークであり、患者さんが、自分で自分の心を軽くすることを可能にするアプローチであると考えます。
本ワークショップでは、MCTについて簡単に説明し、実施方法とちょっとしたコツを、ロールプレイと演習で楽しく理解できるように工夫しました。
どうぞ、お気軽にご参加下さい。

WS-31 研修室304

熊本震災における行政と連携した子どもの心の支援
花田 裕子1)、永江 誠治1)、島元 真梨乃2)、岩崎 茉利恵3)、西村 凌平4)、米島 慶5)、淵 ルリ子5)
1)長崎大学 大学院 医歯薬学総合研究科、2)青渓会 駒木野病院、3)神戸赤十字病院、4)神奈川県立こども医療センター、5)長崎大学 医学部保健学科
 今年4月14日と16日夜に熊本で震度7クラスの地震が連続して発生した。私たちは。月2回週末御船町の保育園や認定こども園を中心にボランティア活動を継続的に行っている。このボランティアには教員を含めて22人のボランティアが日程を調整しながら参加した。参加者のうち18名は学生であり、学生だからできる活動も多くあった。その他の活動として、災害と子どものメンタルヘルスの講演会の講師、御船町のこども未来課が実施したアンケート調査の解析に協力した。アンケートの記述から子どもの反応のリスク度をトリアージしてハイリスクの可能性がある子供の面接を実施した。ボランティア活動の実際を報告して、今後も必ず起こる災害時の子どものメンタルヘルスサポートの在り方について、精神看護の専門職としてできることを参加者とともに討議したい。

※会員登録がお済でない方のお名前も掲載しております。発表に際しては会員の登録がひつようですので、5月22日までに入会手続きをお済ませください。入会手続きがお済でない場合は、抄録にお名前を掲載することができませんので、よろしくお願いいたします。