「旅する建築」東京・埼玉の隈研吾建築をめぐる

東京エディション虎ノ門「LOBBY BAR」

旅の計画を決めるときってなんだかワクワクしますよね!温泉やグルメなど、目的は様々ありますが、その土地ならではの建築物や街並みを楽しむことも旅の目的のひとつ。
ひとつひとつの建築物には、その土地の歴史や気候、人々の暮らしなどから、使用する素材や手法も様々。
今回は、日本を代表する建築家、隈研吾さんが設計やデザインに携わった、東京・埼玉の観光スポットとホテルを紹介します!
日本の伝統的な建築手法である「木造」、そして隈研吾建築の魅力のひとつ、「自然と調和した建築」には、どのような思いが込められているのでしょうか?

1. 日本の伝統美が詰まったスタジアム「国立競技場」

国立競技場全景

スタジアム=巨大・近代的・ハードな建築物といった印象があるのではないでしょうか?
私もそのひとりでしたが、「国立競技場」に訪れてからは、スタジアム建築のイメージがガラリと変わりました。
国立競技場までのアクセスは、国立競技場駅・千駄ヶ谷駅・信濃町駅・外苑前駅の4駅が最寄り駅になります。
いきなり姿が、ドーンと現れるのではなく、各最寄り駅から少し歩くと徐々に外観が見えてきます。

新国立競技場

近くに行くと、外観の特徴である、木組み、軒庇(のきびさし)がよく見えます。
よーく見ると、スタジアム外周の軒庇は、屋根を重ねたようなデザインに見えませんか?
この重なり合った、屋根のような軒庇は、法隆寺の五重塔からインスピレーションを得ているそうです。

施設案内

施設案内

その他にも、日本らしい繊細な技術による仕掛けがたくさん施されています。
実際に訪れてみると、新たな発見があるかも知れません。
ちなみに国立競技場の外周は、歩く場所にもよりますが、約1000m。
お散歩コースとしてもおすすめです!

国立競技場

住所:

東京都新宿区霞ヶ丘町10-1

アクセス:

都営大江戸線 国立競技場駅から徒歩約1分 / JR千駄ヶ谷駅・信濃町駅から徒歩約5分

2. まるで森の中にいるような空間!パイナップルケーキ専門店「サニーヒルズ南青山」

「サニーヒルズ南青山」外観

「サニーヒルズ南青山」外観

南青山の閑静な住宅街に、突然現れるアートな建築物。
インパクトがありながらも住宅街に馴染んでいる…!隈研吾建築らしさを感じますね。
ここは台湾土産の定番、パイナップルケーキ専門店です。
「外観がパイナップルみたい」って思った方お見事です!笑

外観の地獄組

細い木と木の組み合わせで壁が作られています

この特徴的な木組みの構造を「地獄組」といいます。
一度組んだら外すのが難しいことから「地獄組」と名付けられたそう。
通常「地獄組」は、障子や家具などで用いられる技術で、釘を使わず木と木の組み合わせのみで固定されています。

サニーヒルズ階段

晴れている日は階段に日が差し込みます

中に入った瞬間、暖かい木漏れ日が出迎えてくれます。
建物に使われている木は、全てヒノキです。
ふわっと包まれるような、ヒノキの香りがたまりません…

サニーヒルズ 2階

日当たりの良い2階のおもてなしスペース

さっそく、2階のおもてなしスペースで、パイナップルケーキと台湾烏龍茶をいただきます!
※通常、購入商品を店内でいただくことはできません

パイナップルケーキと台湾烏龍茶

台湾烏龍茶とよく合う…!

甘さ控えめで、とても上品なパイナップルケーキでした。
パイナップルの繊維はそのままなのに、ねっとりとした餡、そして外のクッキーはサクサク、3つの食感を一度に楽しめます。
実は、台湾で主流のパイナップルケーキの餡は、パイナップルと冬瓜をミックスしているものを使用していることがほとんどですが、ここサニーヒルズの餡は100%パイナップルを使用しています!

トートバッグ

トートバッグは、「サニーヒルズ南青山」外観のデザインです

今回私は、パイナップルケーキとりんごケーキがセットになった「南青山店限定セット」を購入しました。
可愛らしいトートバッグに入っているので、ギフトにもおすすめです。

壁に写る地獄組

壁に映る地獄組の影

壁に映る地獄組の模様も美しいですね。
日が暮れると店内の照明が外に漏れ、建物全体が灯籠のように住宅街を照らします。
一度訪れたことがある方も、時間帯を変えて足を運んでみてくださいね。

サニーヒルズ南青山

住所:

東京都港区南青山3-10-20

アクセス:

東京メトロ 表参道駅から徒歩約7分

3. 日本初上陸!マリオット・インターナショナルの最高級ライフスタイルホテル「東京エディション虎ノ門」

バーカウンター

LOBBY BAR

2020年10月に開業をしたラグジュアリーホテル、東京エディション虎ノ門にやってきました。
エレベーターに乗り、31階のロビーへ!
ロビーに着いた瞬間、ここはジャングル?と感じてしまうくらい、たくさんの大きな観葉植物たちに包み込まれます。

ロビー天井

上を見上げると…

天井のデザインから、隈研吾建築らしさを感じますね。
木のルーバーから漏れ出すオレンジ色の照明が、癒しの空間を作り出しています。

東京タワー

東京タワーがこんな近くに!

窓の外には、東京タワーが!!
この日は残念ながら曇っていましたが、晴れの日や夜のロケーションは美しいこと間違いなしです。

ロフトダブルテラス

ロフトダブルテラス

続いて、お部屋へ!
先ほど紹介した、躍動感あふれるロビーとは対照的な、落ち着いた雰囲気。なんだかホッとする、リビングルームにいるような感覚になりました。「ただいま~」と言いたくなりますね。

キッチン

IHヒーターにオーブンまで完備

ちょっと巻き戻し。
「ただいま~」とドアを開けた瞬間1番に目に入るのが、キッチン!しかもIHヒーターにオーブンまで!長期滞在者には、とてもありがたい設備です。

アメニティ

竹や植物原料で作られたアメニティ

東京エディション虎ノ門は、環境に配慮した取り組みを行なっており、プラスチックフリーが徹底されています。
そのため、アメニティまで竹や植物原料でできています。木製の歯ブラシ、珍しくないですか?

ルームキー

ルームキーも!

ルームキーも竹製です!

テラス

広々としたテラス

お部屋に、こんなに大きなテラスがついています!
晴れている日は、ここで朝ごはんを食べたり、読書をしたり、ヨガをしたり、素敵な朝を迎えられそうですね。
もちろん夜は、東京を一望できるプライベートな夜景スポットに!
都会的なラグジュアリーな雰囲気もありながら、どこか落ち着く癒しのホテルでした。

東京エディション虎ノ門

住所:

東京都港区虎ノ門4-1-1

アクセス:

東京メトロ日比谷線 神谷町駅直結

4. 圧巻の本棚劇場を体感しよう!アート・博物・本の文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」

ミュージアム外観

ところざわサクラタウンへ向かっていると、突如見えてくる大きな岩の塊。
こちらが隈研吾さんがデザイン監修された「角川武蔵野ミュージアム」です。
今までに見たことない大迫力の外観に圧倒されました!
隈研吾さんの建築の中でも、“木”の代表は「国立競技場」、こちらは“石”の代表と呼ばれています。

角川武蔵野ミュージアム入口

近づいてみると…

近づいてみると、何枚もの石板でできているのが分かります。
表面はゴツゴツとしていて自然の荒々しさが強調されています。
石は少し冷たいイメージがありましたが、ここではエネルギーを感じて、建物自体がパワースポットのようでした!

ブックストリート

4階 Edit Town「ブックストリート」

4階まであがって、「ブックストリート」にやってきました。ここには約2.5万冊もの本が並んでいます。
よく見ると、棚が凹凸になっていたり、本が横置きにされています。
この無造作に置かれた様子が一般的な図書館とは違って、遊び心がありますね。
ここで出会えた本はちょっと運命を感じそうです…!

4・5階 本棚劇場

ブックストリートを抜けると、、、次は本棚劇場につながっています。
高さ約8m、蔵書数は約3万冊もの巨大本棚です。360度本に囲まれるのは、初めての体験でした!
この独特な本棚の構造は、様々な情報がつながった「人間の脳」をイメージしているそうです。

no title ©佐貫綾郁


プロジェクションマッピングイメージ

本棚劇場「プロジェクションマッピング」

本棚劇場では定期的に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとしたプロジェクションマッピングを上映しています。
デジタルとアナログの融合を感じられる新感覚のプロジェクションマッピングはまさに圧巻です!
(プロジェクションマッピングの様子は、youtube動画の11:20~お楽しみいただけます!)

武蔵野回廊

5階 武蔵野回廊

続いて5階の武蔵野回廊へ。「武蔵野」と名前がつくこのフロアは、武蔵野地域の魅力を発信するエリアです。
こちらの本棚も、隈研吾さんがデザインしていて、木材にはすべて埼玉県産のヒノキが使用されているんです!
同じ本棚といっても、本棚劇場とは違って迫力よりもぬくもりを感じるあたたかなデザインになっています。

角カフェ

2階 角カフェで一休み

ちょっと一休みするなら、角カフェへ!
ブーケのような照明や形の違う長いすがあり、全体的にアートのようでミュージアムをめぐった後に休憩するのにピッタリ。
クッションには所沢名産の“さつまいもカラー”が使われています!

隈研吾展オリジナルプリントラテ

角カフェ限定ラテ

岩の建築物がプリントされた「隈研吾展オリジナルプリントラテ」は、角カフェ限定です。
限定品に弱いので、しっかり頂きました!(笑)
所沢名物のさつまいもを使用した「オイモボール」と合わせて楽しめます。

武蔵野坐令和神社(通称:むさしのれいわじんじゃ)

武蔵野坐令和神社(通称:むさしのれいわじんじゃ)

ミュージアムの隣には、隈研吾さんデザイン監修の「武蔵野坐令和神社(通称:むさしのれいわじんじゃ)」があります。
元号「令和」の典拠となった『万葉集』の舞台でもある武蔵野に建つ神社として、「令和」の考案者である国文学者の中西進さんが命名しました。
令和の神社はスタイリッシュですね!

天井画

鳳凰が描かれた天井画

神社内の天井画はデザイナーの天野喜孝さんが手掛けています。
KADOKAWAのシンボルである「鳳凰」が描かれていてとてもダイナミックです。

締切守

おみやげに人気!

こちらのお守りで気になったのは「締切守」
まさにKADOKAWAならでは!色もカラフルで、人気のお守りです。

ミュージアムから神社まで、いろんな隈研吾さんの建築に触れることができる角川武蔵野ミュージアムへぜひみなさんも足を運んでみてください!

角川武蔵野ミュージアム

住所:

埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン

アクセス:

JR武蔵野線 東所沢駅から徒歩約10分

街ぶらトリップ関東編~隈研吾 建築をめぐる旅~

ご紹介した隈研吾の建築をこちらから動画でご覧いただけます。

※音声付き動画です。再生時の音量にご注意ください。

まとめ

隈研吾建築をめぐる旅は、いかがでしたか?
その他にも東京には、隈研吾さんが設計やデザインに携わった、こだわり溢れる観光スポットはまだまだございます。ぜひ、YouTube動画をご覧ください!
東京観光をする際、参考にしてみてくださいね。

この記事は2022年1月28日時点の情報です

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この記事を書いた人

吉川綾乃

コンテンツ制作担当

吉川綾乃

旅の楽しみは、本場のグルメを食べること。好き嫌いがないので、なんでも食べられます!
海外旅行では、スーパーマーケットや市場を見て歩くのが好きです。思い出の味をお家で再現するために、お土産は大体調味料。おすすめ調味料は、ベルギー産のマスタードです!