ご挨拶

日本薬剤学会第32年会開催にあたって

この度、公益社団法人日本薬剤学会 第32年会を2017年5月11日(木)〜5月13日(土)の3日間、大宮ソニックシティ(さいたま市大宮区)において開催することとなりました。

薬剤学は、原薬を有効生と安全性の点で、最もバランス良く有益に患者に投与するための製剤に関連する学問です。処方設計から製造工程、調剤、投与までの幅広い領域を包含します。現在では、物理薬剤学、生物薬剤学、医療薬剤学など高度に専門化され、医薬品に携わる人々にとって欠くべからざる学問として発展を遂げています。世界的に新薬の創出が困難になってきている中で、製剤的な工夫により既存薬に新たな価値を付与して製品を生み出すライフサイクルマネージメントの観点からも、薬剤学の重要性がますます増しています。

第32年会のメインテーマは「医療価値を創造する製剤技術を世界へ」です。近年、医薬品産業はますますグローバル化が進み、医薬品開発の国際競争が激化しています。その中で日本発の製剤技術を用いた薬剤が世界各国で発売されており、重要な治療ポジションを担っています。これからも継続して革新的な医薬品を創出するためには、産官学の連携と知識・知恵の結集や異分野技術の融合を通じた新たな付加価値を創造する必要があります。第32年会においては、アカデミア、行政、製薬およびその関連産業、医療現場の各分野より活発な討論をしていただき、世界の医療に貢献できる日本発のイノベーティブな薬剤を世界に広く発信する端緒となれば幸いです。

本年会では、一般演題の口頭、ポスターによる研究発表の他に、招待講演、各種受賞講演、ラウンドテーブルディスカッション、企画シンポジウム、ランチョンセミナー、並びに各分野の企業展示会等、多種多様のプログラムを計画しております。プログラムについては、各分野を代表する組織委員と共に、充実した3日間となるよう作成してまいります。このようなプログラムをベースに本年会が日本及び世界における医療に大いに貢献できるよう、多くの方々にご参加戴き、参加者の皆様の活発なご討論を期待しております。

2016年5月吉日
公益社団法人日本薬剤学会 第32年会
年会長   肥後 成人
(久光製薬株式会社 常務取締役執行役員 研究開発本部長)

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