大会長挨拶
日本精神障害者リハビリテーション学会
第32回札幌大会
大会長 池田 望
(札幌医科大学 保健医療学部 作業療法学科)
この度、日本精神障害者リハビリテーション学会第32回札幌大会を2025年10月25日(土)、10月26日(日)の2日間を会期として札幌医科大学にて開催致します。本学会は精神障害をもつ人々のリハビリテーションに携わる多くの職種が一堂に会し、その実践と理論の質を高める場となることを目的に平成7年に設立されました。設立当初より学際的な視点を持つこの学会の特徴は、障害をもつ当事者や家族の参加も得て開催されていることです。
近年、医療研究開発の推進には患者や市民参加(PPI:Patient and Public Involvement)が必須であると考えられるようになりましたが、それは精神障害のリハビリテーションにおいても同様でしょう。本当に必要なサービスを開発するには当事者や関係者相互の「対話」や「協働」が欠かせないのではないでしょうか。そこで、今大会のテーマは「「ともにつくる」を北の大地で考える-共創社会の未来に向けて-」としました。あえて共創co-creationとしたのは、その言葉に「価値の創出」や、自己と他者や環境は完全には分離できないという「非分離性」の意味が含まれているからです。したがって、このテーマには、今学会を多様な人々が繋がり・協力して価値を創り出せる社会やリハビリテーションのあり方を議論する場にしたい、という思いが含まれています。
学会実行委員にも研究者、専門職、当事者、家族など、様々な立場の方に加わっていただきました。開催に向けて皆でともに取り組んでいるところです。プログラムには一般演題の他、特別講演、大会長講演、シンポジウム、自主プログラムなどを予定しております。北海道での開催は過去に2000年の帯広大会、2010年の浦河大会があり、今回の札幌大会は3回目となります。そのような歴史を踏まえ、北海道の地域性に焦点を当てたプログラムも検討しております。
ところで、今大会のホームページのデザインは、北海道在住で障害をお持ちの作家である千葉由佳里さんの作品です。詳細は別ページにございますのでご覧ください。
10月下旬の北海道は紅葉がちょうど見頃となる時期です。もちろん秋の味覚も存分に堪能いただけると思います。多くの方のご来道、ご参加をお待ちしております。