京都 東山

詩仙堂

詩仙堂と春のサツキ

京都市左京区一乗寺にある、曹洞宗大本山永平寺の末寺「詩仙堂」。
1641年、江戸時代の文人・石川丈山が59歳の時に造営し、その後90歳で没するまでの約30年間を悠々自適に過ごした山荘跡です。丈山はこの地で、漢詩・書・作庭に励んだと伝えられ、隷書体にて記した漢詩などは今も詩仙堂で見ることができます。
木漏れ日が注ぐ石段を登ると、京都市内にあるにもかかわらず、驚くほど静かで落ち着いた庭園に癒されます。四季折々の彩りや日本ならではの風情に満ちたこの庭園は、英国王室のチャールズ皇太子・故ダイアナ妃が訪れたことでも知られています。

詩仙の間

詩仙堂の正式名称は「凹凸窠(おうとつか)」であり、「でこぼこした土地に建てた住居」という意味だそうです。
その中心には「詩仙の間」があり、江戸時代の絵師である狩野探幽が描いた、中国(漢晋唐宋時代)の詩人三十六人の肖像画が四方の壁に掲げられています。各詩人の頭の上には、石川丈山が隷書体で記した漢詩も見られます。詩仙たちが描かれた部屋を中心とすることから、ここは「詩仙堂」と呼ばれるようになりました。
この詩人三十六人の肖像画は、日本の三十六歌仙にならい、石川丈山と林羅山が意見を交わしながら選定したのだとか。経歴・性格が似ている者を相対するように配置し、それぞれの組み合わせに意味を持たせるなど工夫が凝らされています。

詩仙堂と紅葉の庭園

詩仙堂が誇る、日本情緒あふれる「唐様庭園」。建物のなかから美しい庭園風景を眺めたり、四季の移ろいを感じながらゆったり散策を楽しむこともできます。
春にはキリシマツツジやアヤメが美しく色づき、夏にはホタルブクロやキョウガノコが咲き、新緑に囲まれて不思議と涼しさを感じられます。
なかでも素晴らしいのが、秋の紅葉です。白砂やサツキの刈り込みの奥に、遠近感をもって紅葉が広がります。白・緑・赤・黄色とさまざまな色が合わさり、まるで一つの絵画のよう。座る位置によっても景色が変わるため、お好みの場所を探してみるのも楽しいものです。

詩仙堂と雪景色の庭園

冬になると、詩仙堂は雪化粧をほどこして格別の景色を見せてくれます。
屋根から庭園まで一面が白く染まった雪景色に、センリョウやマンリョウの赤い実が美しく映えます。また、周囲の音が雪に吸収されて辺りがしんと静まり返るなか、「ししおどし」がこつんと鳴り響く様にも日本ならではの情緒が感じられます。石川丈山が考案し、詩仙堂発祥と言われるししおどしは、「日本の音百選」にも選ばれる美しい音色を聞かせてくれます。
春夏秋冬、どの季節に行っても新しい発見がある詩仙堂。京都旅行の際にはぜひ立ち寄っていただきたい、おすすめのスポットです。

詩仙堂

住所:

京都府京都市左京区一乗寺門口町27番地

アクセス:

市バス 一乗寺下り松町下車、東へ徒歩約7分

開門時間:

9:00~17:00(受付は16:45まで)

拝観休止日:

5/23丈山忌

拝観料:

大人500円、高校生400円、小中学生200円

お問い合わせ:

075-781-2954

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