北海道の美しい湾岸都市である小樽。「北の商都」として明治時代以降発展してきた小樽には、レトロ&ロマンチックな歴史的建造物がたくさん現存しています。今回は、そんな小樽ならではの、歴史と美しさを感じられる観光スポットをご紹介していきます。
目次
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全長は1,140m!小樽の海運を支えた重要な水路「小樽運河」
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約25,000点以上のオルゴールが展示されている「小樽オルゴール堂本館」
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大自然の中にある水族館ならではの魅力が満載!「おたる水族館」
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赤松やにしん御殿が出迎えてくれる、北海道屈指の美術豪邸「小樽貴賓館」
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気取らずに思いのままにワインを楽しめる空間「小樽バイン」
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鎮座百五十年の総鎮守「小樽総鎮守 住吉神社」
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石油ランプ167個の輝くロマンチックな空間「三号館北一ホール」
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歴史ある建物の中でアートを楽しむ贅沢な時間「小樽芸術村」
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丁寧な酒造りをしている、小樽唯一の造り酒屋「田中酒造」
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異国情緒と小樽らしい風景を楽しめる「メルヘン交差点(堺町交差点)」
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小樽市の歴史と自然環境を学べる、約2万点の展示資料がある「小樽市総合博物館 運河館」
小樽運河
全長は1,140m!小樽の海運を支えた重要な水路「小樽運河」
北海道開拓の玄関口として発展した小樽港。その発展により1923年にはしけ(台船)のまま直接倉庫まで運べるようにつくられた水路が、小樽運河です。その後、港の発達とともに役割を終え、埋め立てを巡る論争の末、1986年に現在の姿へと生まれ変わりました。散策路には63基のガス灯が設置され、夕暮れのライトアップは昼間とは異なる雰囲気がとてもロマンチック。また当初の姿のまま現存している石造倉庫群は、レストランになって再利用されています。小樽観光の定番となっているのが小樽運河クルーズ。小樽観光に便利な中央橋が発着場所となっており、個性的なキャプテンの案内によって約40分のクルージングを楽しめます。
小樽オルゴール堂本館
約25,000点以上のオルゴールが展示されている「小樽オルゴール堂本館」
日本最大規模のオルゴール専門店、小樽オルゴール館。本館だけでなんと約3,400種類、約25,000点以上のオルゴールがあります。シックな建物は、1915年に米殻商が本社屋として建造したもので、1989年に小樽市指定歴史的建造物に登録されました。当時の姿が残されている天井や手すりの装飾、2階の回廊はぜひチェックしたいところ。正面入り口の前のシンボル・世界最大の蒸気時計を見たら、おみやげのオルゴールを探しましょう。
おたる水族館
大自然の中にある水族館ならではの魅力が満載!「おたる水族館」
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動物園・水族館
約250種類5,000点もの海の生きものを展示し、小樽を代表する水族館である、おたる水族館。水族館本館から歩いて約5分のところにある「海獣公園」エリアでは、海を簡単な柵で仕切っただけの豪快なプールが用意されています。ほぼ野生と言っても過言ではないような環境下で、アザラシやトドが暮らしている姿を見ることができるでしょう。また、海藻が生い茂り、魚が群れ、ウニやナマコなどの生き物などが生息しているプールも。世界的にも珍しいネズミイルカや多種のアザラシ、大迫力の大きな魚、真冬の小樽の海水温と同じ冷たいプールなど、ここにしかない見どころあふれる水族館です。
小樽貴賓館
赤松やにしん御殿が出迎えてくれる、北海道屈指の美術豪邸「小樽貴賓館」
北海道を代表する大富豪がかつて築いた別邸、小樽貴賓館(旧青山別邸)。明治時代から大正時代にかけて、ニシン漁で莫大な利益を得た青山家が建てたため、別名「にしん御殿」とも呼ばれています。6年半もの歳月をかけてつくられたこの豪邸は貴重な美術品たちで飾られており、国登録有形文化財にも指定されています。1階ホールでは北海道ゆかりの画家による豪華絢爛な天井画を見ることができる他、庭には約400株の牡丹、250株の芍薬の花が咲き誇ります。また、館内では食事ができる部屋も用意されています。美しい庭園を楽しみながら、洗練されたにしん料理を味わいましょう。化学調味料は一切使わずに大釜でじっくり炊き上げた一夜干し身欠きにしんをぜひご堪能あれ。
小樽バイン
気取らずに思いのままにワインを楽しめる空間「小樽バイン」
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グルメ
小樽バインは、1912年に建築された「旧北海道銀行本店」を改築したワイン&カフェレストラン。この建物自体が小樽市指定歴史的建造物にも指定されているので観光と食事の両方を堪能できます。工場から直送された生ワインが気軽に飲めるよう、グラスワインは常時約10種類揃えられています。北海道の旬の食材をたっぷり使ったお料理が、ワインのおいしさを引き立ててくれます。また、併設されるワインショップには、地元の小樽ワインはもちろん、100銘柄以上のワインが揃っているのでお土産にもピッタリです。ビール派の方には、本格的ドイツ製法で造られた地ビール「おたるワイナリービール」もおすすめです。
小樽総鎮守 住吉神社
鎮座百五十年の総鎮守「小樽総鎮守 住吉神社」
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神社仏閣
住吉神社は、古事記にも出てくる「住吉三神」と、そのゆかりのある神功皇后を祀っている神社。1868年の幕末動乱の時期に創建された神社で、明治維新の影響で社地造成が中止になったこともあります。その後も鎮座100年で社殿を改築、130年では道内でも最大級の神輿「百貫神輿」の修復、鎮座140年の際には神輿五基・馬車一台を奉安する神輿蔵を建設、鎮座150年で石段参道石畳など境内改修を執り行い歴史を守ってきました。神功皇后が住吉三神を祀ることで無事に航海を終えたという古事にならい、航海安全の神様としても信仰を集めています。また、御朱印は墨書きのシンプルなものと副参道鳥居と青海波模様の書置き二種類が特徴です。
三号館北一ホール
石油ランプ167個の輝くロマンチックな空間「三号館北一ホール」
堺町でひときわ目立つ石蔵倉庫「三号館」は、かつてニシン漁が栄えていた時代に漁業用倉庫として使われていたもの。三号館北一ホールは、その三号館の中にあるカフェです。この三号館を所有している老舗のガラス製造販売会社「北一硝子」は、今から100年以上前に石油ランプを作り始めたことをきっかけに発展していきました。そのため、店内照明には発展の象徴とも言える石油ランプのみを使用しており、幻想的な雰囲気の中でケーキやスイーツ、コーヒーなどを楽しめます。ランプは全て人の手によって灯され、その光景は誰でも見ることができるので、10時から30分の作業見学を狙って訪れるのも良いかもしれません。
小樽芸術村
歴史ある建物の中でアートを楽しむ贅沢な時間「小樽芸術村」
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美術館・博物館
小樽芸術村は、20世紀初めに建てられた歴史的建築物を活用し、国内外の優れた美術品・工芸品を展示公開している3つのミュージアムの総称です。ステンドグラス美術館では、約100年前にイギリスで作られた教会ステンドグラスを展示しています。美しい光の空間をお楽しみください。旧三井銀行小樽支店は銀行建築の資料館です。1927年に建てられた建物の、貴重な内部をご覧いただけます。似鳥美術館は、小樽芸術村のメイン施設です。日本画や洋画、彫刻、ステンドグラス、ガラス工芸など、国内外の多彩なコレクションを一挙にお楽しみいただけます。
田中酒造
丁寧な酒造りをしている、小樽唯一の造り酒屋「田中酒造」
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グルメ
小樽で唯一、蔵で酒を醸造し、店舗で販売する造り酒屋の老舗「田中酒造」。創業120年を超え、北海道産米を100%使用した小樽の地酒「宝川(たからがわ)」の銘柄を守り続けています。年間に製造する日本酒の量はわずか500石(1升ビン換算で約5万本)。メーカーが大量に生産して1日に出荷するくらいの量を、一年中丁寧に製造しています。その田中酒造の店舗は、本店と亀甲蔵(きっこうぐら)の2つ。本店では1927年創業当時の店内の様子を復元しており、当時の看板などを見ることができます。日本酒以外には、リキュール、本みりん、甘酒なども販売しています。亀甲蔵では、実際に酒造りを行っている様子をガラス越しで見学することができます。見学の最後には試飲もさせてもらえるのでお楽しみに。
メルヘン交差点(堺町交差点)
異国情緒と小樽らしい風景を楽しめる「メルヘン交差点(堺町交差点)」
メルヘン交差点とは、小樽堺町通りの始点にある、五本の道路が集まる広場。この広場の見どころといえば、なんといっても石造りの常夜灯とオルゴール堂の前に設置されている蒸気時計です。常夜灯は、明治時代に小樽港に船を停泊させる船乗りたちのためにあった木造の灯台を再現したもの。そして蒸気時計は、発祥の地であるカナダ・バンクーバーの時計職人レイモンド・サンダース氏が2年もかけて完成させたものです。メルヘン交差点は記念写真の撮影場所としても、多くの人に愛されています。日が暮れると明かりが灯り、昼間とは違う雰囲気に包まれますので、小樽堺町通りで買い物した後に立ち寄ってみるのもおすすめです。
小樽市総合博物館 運河館
小樽市の歴史と自然環境を学べる、約2万点の展示資料がある「小樽市総合博物館 運河館」
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美術館・博物館
美しく豊かな自然と活気ある人々の交流に育まれた小樽、その歴史と自然を紹介しているのが運河館です。この博物館は市指定歴史的建造物「旧小樽倉庫」を利用しています。第一展示室には北前船やニシン漁業、まちの変遷を知ることができる古写真や古地図が展示されており、第二展示室には動植物の自然史資料が展示されています。これらの展示によって小樽市が歩んできた歴史と恵まれた自然について、分かりやすく学べるようになっています。また、復元商家は、小樽が繁栄していた大正時代の街並を再現したもので、当時の面影を感じることができます。
小樽には、小樽港や小樽運河を中心に近代化してきた歴史があります。その歴史を物語る建築物の多くが、今もなお現存している点が、小樽の街の魅力のひとつです。小樽に観光で訪れた際は、ぜひご紹介したスポットへ足を運んでみてください。
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※2020年12月1日時点の情報です