愛知県といえば、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の戦国時代を代表する三英傑が生まれ育った地として有名です。そのため、武将たちにまつわる観光スポットも数多く存在します。今回は彼らゆかりの愛知観光定番スポットはもちろん、さまざまな視点から歴史の見方が変わるようなスポットを多数ご紹介いたします。
目次
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明治時代の建造物が集う野外博物館「博物館 明治村」
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2004年まで個人所有されていた国宝「犬山城」
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明治建築三大巨匠のひとりが設計した「半田赤レンガ建物(旧カブトビール工場)」
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懐かしい昭和の町並みを歩きながら"せともの"が学べる「瀬戸蔵ミュージアム」
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大正時代からの歴史の重みを感じる建築物「名古屋市市政資料館」
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親子連れが楽しめる「体感!しだみ古墳群ミュージアム」
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全国から集めた縁起の良い招き猫数千点を展示する「招き猫ミュージアム」
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空に憧れる子供から空に憧れた大人まで楽しめる「あいち航空ミュージアム」
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御三家筆頭・尾張徳川家所縁の大名庭園「徳川園」
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140年以上の歴史を持つ元祖ひつまぶしの名店「あつた蓬莱軒」
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特殊な遮光幕・スカイロールによる演出が楽しめる「バンテリンドーム ナゴヤ」
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草薙神剣をお祀りする「熱田神宮」
博物館 明治村
明治時代の建造物が集う野外博物館「博物館 明治村」
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美術館・博物館
博物館 明治村は明治期の建造物を移築・保存・展示している野外博物館です。広大な敷地に67件もの移築建造物が存在し、うち11件が国の重要文化財に登録されています。明治20年築の森鴎外・夏目漱石住宅は、つくりは奇抜ではありませんが、鴎外が約1年、漱石が約3年暮らしていたことで知られています。『吾輩は猫である』で描写された掃き出し口(猫くぐり)を見ることもできるので、ファンには堪らない建造物と言えるでしょう。変わった建造物が見たいなら、大明寺聖パウロ教会堂がおすすめ。外観は鐘楼付きの農家なのに、内部はゴシック様式の教会になっています。明治12年築なので禁教は解かれていたはずですが、長年のご禁制の影響を感じられます。建造物以外にも、明治時代のSL・京都市電の体験乗車や、当時のレシピを再現・アレンジしたグルメなどをお楽しみいただけます。
犬山城
2004年まで個人所有されていた国宝「犬山城」
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城
犬山城は1537年に織田信長の叔父・信康が築城した平山城。標高約85m、木曽川を背負う立地から後堅固と評されます。木曽川に映える天守は別名白帝城と言われ、その由来は木曽川沿いに立つその姿が中国重慶市奉節県にある白帝城を詠んだ李白の漢詩「早発白帝城」を偲ばせることにちなんでいます。天守は3重4階(地下2階)・望楼型で、1617年以降、成瀬氏の時代にできたものです。その後、廃藩置県で天守以外が取り壊され、濃尾大地震で天守も半壊していますが、所有権を取り戻した成瀬氏が修繕。そのまま成瀬氏によって2004年まで所有されることとなり、現存12天守、国宝5城に数えられるまでになりました。外観を眺める際には南東の付櫓に注目。最上階の廻縁(ベランダ)からは岐阜城まで見通せます。
半田赤レンガ建物(旧カブトビール工場)
明治建築三大巨匠のひとりが設計した「半田赤レンガ建物(旧カブトビール工場)」
半田赤レンガ建物は明治31年に建てられた煉瓦造りの建造物。当時は半田市で醸造されていたビール銘柄「カブトビール」の製造工場でした。時代は近代ビール産業の黎明期。ビールに麦酒税が課せられる直前でした。設計者は横浜赤レンガ倉庫を手掛けた妻木頼黄。内部には中空構造の複壁や多重アーチ床など、温度と湿度を安定させるための工夫が凝らされています。平成16年には登録有形文化財、平成21年には近代化産業遺産となり、現在は観光地として賑わっています。館内では展示を通して建物やカブトビールの歴史を学べるほか、文献を参考に復刻した2種類のカブトビールを味わうこともできます。ちなみに、北側の外壁上部に無数の弾痕が刻まれていますが、これは米軍の機銃掃射の形跡です。
瀬戸蔵ミュージアム
懐かしい昭和の町並みを歩きながら"せともの"が学べる「瀬戸蔵ミュージアム」
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美術館・博物館
瀬戸蔵ミュージアムは複合観光施設・瀬戸蔵の2階・3階に位置する2層構造の博物館です。展示を通して、陶磁器全般を指す言葉にもなっている「せともの」の歴史や瀬戸の文化を学ぶことができます。入館して最初に現れるのは、昭和3年製の「せとでん」。これは昭和48年まで瀬戸線を走っていた車両で、その音声まで再現されています。この先には昭和30~40年代の瀬戸の町並みが広がり、「せとでん」から降りると、時空を超えたかのような感覚に陥るはず。町中にはモロ(瀬戸焼の工場)や石炭窯、煙突、せともの屋などが再現され、楽しみながら「せともの」への理解を深められます。また、他にも瀬戸焼の歴史が学べるコーナーがあり、貴重な瀬戸焼作品も見る事が出来ます。
名古屋市市政資料館
大正時代からの歴史の重みを感じる建築物「名古屋市市政資料館」
体感!しだみ古墳群ミュージアム
親子連れが楽しめる「体感!しだみ古墳群ミュージアム」
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美術館・博物館
体感!しだみ古墳群ミュージアムは守山区上志段味にある古墳のミュージアムです。志段味古墳群から出土した埴輪や土器などが展示されています。志段味古墳群の成り立ちをまとめたアニメーション、触ることができる埴輪の原寸大レプリカ、カツラと衣装で古代人の気分が味わえるコーナーなど、楽しみながら学べる展示が多いので、お子さまが古墳に興味を持つきっかけになるかもしれません。また、絵本や古墳つみ木などが充実している乳幼児向けの「こどもこふん」エリアもあるので、下の子を遊ばせている間に上の子が展示を楽しむ、なんてこともできます。埴輪作りや古代の火おこし体験などイベントも豊富。外に繰り出して本物の古墳を案内してくれる古墳ガイドツアーも用意されています。
招き猫ミュージアム
全国から集めた縁起の良い招き猫数千点を展示する「招き猫ミュージアム」
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美術館・博物館
招き猫ミュージアムは数千点のコレクションを展示する、招き猫専門の博物館です。展示品は郷土玩具や骨董もの、日曜雑貨まで幅広く、日本文化の一面を伝える見ごたえのある展示となっています。招き猫の歴史や、招き猫と所縁の深い寺社仏閣についても学ぶことができるので、ここを訪ねた前と後では、街中で出会った招き猫を見る目が変わることでしょう。ミュージアムショップは、様々なジャンルのアーティストが技巧を凝らし創り出したキャットアートをご覧いただけるスペースです。併せて覗いてみましょう。また、呉須と呼ばれる藍色の顔料を使ってオリジナル招き猫を作る「染付体験」もできます。絵が得意でなくても大丈夫。心を込めて描いた招き猫は、きっとあなたに福を招いてくれるでしょう。
あいち航空ミュージアム
空に憧れる子供から空に憧れた大人まで楽しめる「あいち航空ミュージアム」
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美術館・博物館
あいち航空ミュージアムは航空機をテーマとしたミュージアムです。館内に入るとすぐに、日本の航空史に名を残した航空機100機の1/25スケール超精密模型があり、その作りの精巧さはマニアも唸るレベル。サイエンスラボでは、実験や工作を通じて飛行機が飛ぶ仕組みを楽しく学ぶことができます。また、動く座席で愛知県周辺の自然や都会上空を上下左右に突き進みながら迫力ある遊覧飛行の疑似体験が楽しめる「フライングボックス」も人気です。極めつけは、パイロットや整備士の「職業体験」。本格的なシミュレーターの操縦や、本物の工具を使った整備が体験できます。もしかすると、お子さまの将来の夢が決まってしまうかもしれませんね。
徳川園
御三家筆頭・尾張徳川家所縁の大名庭園「徳川園」
徳川園は龍仙湖を中心に据えた池泉回遊式の大名庭園。1695年に尾張藩主・徳川光友が造営した隠居所が前身です。のちに名古屋市の所有となり、徳川園として解放されますが、空襲で大部分が焼失。庭園として復活したのは2004年です。2014年には空襲を免れた黒門など5件が登録有形文化財になりました。庭園としての見所は枚挙に暇がありません。例えば、龍門の瀧は尾張家江戸屋敷・鳴鳳渓の趣向を継ぎ、定期的に水量が増えて飛び石が水没します。三段構成の大曽根の滝は岩組みに工夫があり、上・中・下段のしぶきに変化が生まれています。全てのものに意味がある。そう思うと、普段は気にも留めないものまで面白いものに見えてきますよ。
あつた蓬莱軒
140年以上の歴史を持つ元祖ひつまぶしの名店「あつた蓬莱軒」
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グルメ
あつた蓬莱軒は創業明治6年の老舗鰻料理店です。当初は「蒲焼」と「かしわ」が名物でしたが、現在の看板メニューは「ひつまぶし」。なんと、このお店が元祖だとか。始まりは二代目店主・勘三郎の時代。出前の度に丼が割れてしまうことに悩み、大きな木の器に全員分の鰻丼を詰めるように変えたそうです。しかし、今度は鰻ばかり食べられてご飯が余るという新たな問題が発生。そこで、鰻をバラしてご飯に混ぜ込んでみた所、美味しいと評判になったそうです。ちなみに、お櫃の中身を4等分すると「ひつまぶし」をより美味しく頂けます。1杯目はそのまま、2杯目は薬味入り、3杯目はお茶漬けで、4杯目はお気に入りの方法で食べるのがおすすめです。
バンテリンドーム ナゴヤ
さまざまな演出やグルメが楽しめる「バンテリンドーム ナゴヤ」
バンテリンドーム ナゴヤは中日ドラゴンズのホーム球場です。二重ガラスになっている屋根中央部はスカイロール(遮光幕)による採光調節が可能。開閉をコンピューター制御することでさまざまな図柄が作れます。デーゲーム終了後にスカイロールオープンショーが開催されることもあるので、運が良ければ見られるかもしれません。演出面では横幅約106mの「106ビジョン」、天井のフルカラーLED照明も見ものです。その他に、各種なごやめしや球弁(たまべん)と呼ばれる野球場のお弁当、選手プロデュースグルメも楽しめます。通年営業のグッズショップ「プリズマクラブ」もあり。ドラゴンズの人気マスコット「ドアラ」のグッズやおみやげをチェックしてみては。
熱田神宮
草薙神剣をお祀りする「熱田神宮」
愛知県には武将にまつわる観光スポットから、子どもと一緒に楽しめるミュージアム、球場などがあります。有名な観光名所から穴場のスポットまで、事前にリサーチしていろいろと巡ってみるのが良いでしょう。大人同士でも、家族連れでも楽しめる愛知県に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
※2020年12月1日時点の情報です。
※最新情報は各施設の公式サイトをご確認下さい。