山口県の下関市にある、日本海にぽっかりと浮かぶ角島。「一度は訪れたい」と多くの人が思ってしまうほどの絶景の地と知られています。エメラルドグリーンの海の中を一直線に伸びていく角島大橋や、白い砂浜は、日本海とは思えないほどの美しさ。この魅力により、様々な映画やテレビ番組、コマーシャルのロケ地としても取り上げられています。今回はそんな角島とその周辺にあるメジャーな観光スポットから穴場まで、角島の魅力を見ていきましょう。
角島灯台
灯台の父リチャード・ヘンリー・ブラントンの最後の作品「角島灯台」
下関市の北西端にある貴重な文化遺産、角島(つのしま)灯台。稼働を開始したのは1876年です。当時の日本海側では初めての大型灯台であり、「灯台の父」と呼ばれるイギリスの技術者リチャード・ヘンリー・ブラントンが設計したことでも有名です。使用されているフレネルレンズ(灯台の光を遠くまで送る役割)はかなり大型で、第1等灯台に指定されるほど。海上保安庁が募集した「日本の灯台50選」にも選ばれています。灯台内部には105段のらせん階段があり、そこを上ると360度見渡せる壮大なパノラマの絶景が広がります。2016年には「この先の2人の航路を照らす」という意味を込めた「恋する灯台」として認定されました。
角島灯台公園
空と海が広がる開放的な憩いの場「角島灯台公園」
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公園
角島灯台の周辺は公園として整備されており、散策するための遊歩道や広場などがあります。夏になると散策路の花壇はハマユウ(ヒガンバナ科の多年草)が咲き誇り、眼前に広がる日本海の絶景も相まって非常に美しい光景となります。また、時期を問わず日本海へ沈む美しい夕陽を見ることができるのも魅力のひとつです。灯台に隣接された角島灯台記念館は、職員の宿舎だった退息所を利用した西洋風の建物であり、角島の歴史を紹介するとともに日本各地にある灯台の場所や施設概要を展示しています。
牧崎風の公園
海風に揺れるダルマギクの群生地「牧崎風の公園」
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公園
牧崎風の公園は島の最北端に位置しています。この公園はダルマギク(見頃11月中旬)が群生する場所として有名であり、眼前に広がる日本海を一望できるよう遊歩道が整備されているので散策にぴったり。風の強い日は岩場に打ち寄せる波しぶきが圧巻で、自然の力強さを感じることもできます。この地では奈良時代から牛の放牧が行われており、今でも公園に隣接した牧場があるので、放牧された牛の姿に癒されるかもしれません。
角島ダルマギク群生地(牧崎風の公園)
岩場に力強く咲く「角島ダルマギク群生地」(牧崎風の公園)
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自然
角島内にはさまざまな植物が自生していますが、中でもダルマギクは10月下旬から11月中旬の秋頃に咲く美しい花です。島の北部にある牧崎風の公園にはそのダルマギクが群生している場所があり、角島ダルマギク群生地として開放され、立ち入ることができるようになっています。ダルマギクの花言葉は「打たれ強い」。その花言葉のとおり、この地のダルマギクは日本海側の冷たい風や激しい波に耐えるよう、海岸沿いの丘や岩場に群生して咲いています。そのたくましく美しい光景をぜひ見に来てください。
夢崎波の公園
英国風公園「夢崎波の公園」
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公園
角島灯台公園に隣接し、日本海を望む海岸沿いにあるのが夢崎波の公園です。その名の通り浜に打ち寄せる波をイメージして造られており、園内の花壇も波のような形になっています。その花壇には下関市の指定天然記念物であるハマユウをはじめ、ダルマギクやハマヒルガオが自生しており、年間を通して美しい姿を楽しむことができます。角島灯台の設計者であるイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンにちなんでイングリッシュガーデンのような造りになっており、日本海に沈む夕日を見ることのできる絶好スポットです。
瀬崎陽の公園
角島大橋と海士ヶ瀬が一望できる「瀬崎陽の公園」
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公園
瀬崎陽の公園は、角島大橋を角島側から見ることができる公園です。本土側から見る景色と同じく、コバルトブルーの海と白い橋の美しいコントラストを眺めることができるのはもちろんのこと、美しい海岸線の景色も楽しむことができます。また、園内には角島大橋開通を記念した石碑が建てられています。ドライブの休憩がてら立ち寄ってみるのもよいでしょう。
つのしま自然館
北長門海岸国定公園の自然をわかりやすく紹介している「つのしま自然館」
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美術館・博物館
周辺の萩や長門とあわせて北長門海岸国定公園に指定されている角島。その角島で見られる貴重な動植物や島の成り立ちなどを楽しく学べる施設が、つのしま自然館です。館内にはクジラ・海&漂着物・植物・貝・鳥といった5つのブースがありそれぞれ工夫を凝らした展示を行っています。中でもクジラブースは、1998年に角島大橋付近で発見された「ツノシマクジラ」という新種のクジラの骨格標本が人気のブースです。また、「剥製・貝類コレクション室」もあり、本物に近い剥製品や貴重な貝類を見学できます。
しおかぜの里 角島
角島の中心で地元の魚介類を味わえる「しおかぜの里 角島」
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グルメ
しおかぜの里 角島は、角島のほぼ中央に位置し、レストランや土産物販売店・休憩所などを備えた道の駅のような施設です。レストラン「フレッシュしおかぜの里」の名物はウニやサザエなど角島さんの新鮮な海産物をふんだんに使ったしおかぜ御膳。また「磯味亭」ではご当地名物フグの唐揚げをトッピングした「磯味亭カレー」が絶品です。土産物店ではふぐ茶漬けや角島産青のりのふりかけといった定番土産の他に瓶ウニやちりめんじゃこなどの海産物、そして日本酒やしょうゆなども購入できます。
ホテル西長門リゾート
展望露天風呂であったまりながら紺碧の海が一望できる「ホテル西長門リゾート」
角島大橋とその先につながる角島を一望できる海岸沿いに建つホテル西長門リゾート。全室がオーシャンビューであり、朝昼晩とこの美しい絶景を独り占めできます。ぜひ利用しておきたいのが温泉展望大浴場。海に面した露天風呂から眺める絶景はまさに天国といっても過言ではなく、心まで癒されます。なお、温泉展望大浴場は宿泊者だけでなく日帰り入浴も可能です。地元山口県の新鮮な食材を用いた約70種類の料理を味わえるビュッフェレストランもあり(夕食・朝食のみ)、旅の疲れをゆっくりと癒すことができるこのエリア有数のリゾート施設です。
角島大浜海水浴場
まるで南国!日本海に沈む夕日もおすすめ「角島大浜海水浴場」
角島大浜海水浴場は、つのしま自然館の北側に位置するビーチです。遠浅のため安心して海水浴やバーベキューを楽しむことができます。それだけでなく海水浴場内には、バンガロー、休憩所(売店)、シャワー施設、炊飯塔が完備。エメラルドグリーンの海を眺めながらキャンプも楽しめる場所として、ファミリーにも人気です。また、昼はもちろんのこと、ここから見える日本海の夕日は息を呑むほどの美しさ。その美しい風景は数々のコマーシャルや映画の撮影場所として使われており、2005年に公開された映画のロケ地にもなりました。
いかがでしたか?角島には洋式灯台など、歴史のある建物が多く、さらにはダルマギクやコバルトブルービーチなど、自然も多いのがわかります。見どころいっぱいの角島観光を、ゆったりと楽しんでみてはいかがでしょうか。
※2021年3月1日時点の情報です。
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