「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも認定されている高野山は、弘法大師・空海によって開かれた1200年以上の歴史がある霊場です。117もの寺院が密集しており、一日では回りきれないほどの広さを誇ります。自然や建造物、パワースポットなど、各地に見どころが満載です。今回は高野山に行ったらぜひ訪ねてみたい観光スポットを厳選してご紹介します。
目次
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修験道の開祖・役行者が開創した「大威徳寺(牛滝山大威徳寺)」
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足が竦むほどのスリル!吊り橋効果も狙える「谷瀬の吊り橋」
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千年の歴史がある消えずの火が絶えず燈り続ける「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 奥之院」
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総本堂を含む19もの建造物が林立する「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 壇上伽藍」
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天然の希少なお守り・三本松葉が見つかる「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 三鈷の松」
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国内で2番目!巨大金剛力士が守る「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 大門」
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壇上伽藍・根本大塔を意識した朱色の「高野山ケーブルカー」
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授戒や写経が体験できる「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 高野山大師教会」
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高野山の自然を満喫できるワイド車窓が魅力の「こうや花鉄道 天空」
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日本国内最大の石庭「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 蟠龍庭」
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金胎不二を表現した圧巻の立体曼荼羅!「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 根本大塔」
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調度品にも六文銭が!真田親子が蟄居した「蓮華定院」
大威徳寺(牛滝山大威徳寺)
修験道の開祖・役行者が開創した「大威徳寺(牛滝山大威徳寺)」
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神社仏閣
もみじの名勝地でもある「牛滝山」にそびえる大威徳寺(だいいとくじ)。別名を牛滝寺ともいいます。境内の多宝塔は国の重要文化財に指定されており、色合いも鮮やかで必見です。役小角(えんのおづぬ。役行者とも)が開創したといわれており、葛城山の法華経が収められた経塚や神社などを巡って行う修行「葛城修験」の10番経塚も存在します。ちなみにこの「葛城修験」は、令和2年度の日本遺産にも認定されました。毎年紅葉のシーズンには「牛滝山もみじまつり」も開催され、令和2年度には「牛滝山もみじまつり Instagramキャンペーン」が実施されるなど、多くの人で賑わいます。
谷瀬の吊り橋
足が竦むほどのスリル!吊り橋効果も狙える「谷瀬の吊り橋」
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絶景
十津川にかかる鉄線の吊り橋です。高さは約54m、長さは何と約297mもあります。歩くたびにゆらゆらと揺れるので、スリル満点の空中散歩が楽しめます。山に囲まれた絶景を望むロケーションにありますが、あまりに揺れるので足がすくんでしまう人も多いです。まさに吊り橋効果で、カップルが渡れば今よりもっと仲が深まるかもしれません。橋の下にはキャンプ場もあり、多くのアウトドア好きをも集めます。十津川村は以前「遠都川村」と表記されており、これは都から遠く離れた場所という意味があったそう。ここなら、日常からも遠く離れた体験ができるかもしれません。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 奥之院
千年の歴史がある消えずの火が絶えず燈り続ける「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 奥之院」
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神社仏閣
奥之院は壇上伽藍とともに高野山の二大聖地となっている場所。参道には織田信長や武田信玄、豊臣秀吉など戦国大名の墓石が並んでいます。また、お化粧をすると美人になるといわれている「化粧地蔵」や人々の苦しみの身代わりになってくれている「汗かき地蔵」なども安置されています。「御廟橋」から先は聖域として扱われるため、撮影は厳禁。服装を整え、礼拝をしてから渡りましょう。待ち受ける燈籠堂には2万基以上の献燈が灯っており、千年燃え続けているという「消えずの火」もここにあります。そして、最奥にあるのが入定の地である弘法大師御廟。1200年に渡って一日二回の生身供(弘法大師への配膳)が行われており、見学も可能です。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 壇上伽
総本堂を含む19もの建造物が林立する「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 壇上伽藍」
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神社仏閣
奥之院とともに高野山の二大聖地になっている壇上伽藍。弘法大師・空海が最初に開いたとされており、境内には根本大塔、金堂など19もの建造物があります。金堂は高野山の総本堂、御本尊は秘仏となっている薬師如来です。平安時代から総本堂として知られており、あの平清盛も巨大な曼荼羅(まんだら)を寄進したそうです。内部の壁画は日本画家・木村武山の作品で、菩薩像は移動するこちらの目線に合わせて菩薩像の瞳も動いているように描かれています。その他にも御影堂(みえいどう)や御社(みやしろ)など、見どころがたくさんあります。特に見た目にも美しい根本大塔では、十六大菩薩が見られるため内部も必見です。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 三鈷の松
天然の希少なお守り・三本松葉が見つかる「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 三鈷の松」
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神社仏閣
三鈷の松は、壇上伽藍にある金堂と御影堂の間にあります。空海は唐から帰る際、真言密教を布教する場所を探す目的で三鈷杵(さんこしょ)という密教法具を日本に向かって投げました。その三鈷杵がこの松の木に引っかかっていたことで、高野山開創が決まったと伝えられています。松の葉は通常2本か5本ですが、珍しい3つに分かれた松の葉を持っておくとご利益があるともいわれています。そのため、三鈷の松の周りにはいつでも参詣に訪れた人々の姿があります。壇上伽藍を訪れた際にはぜひ探して、見つけたら大切にお守りにしておきましょう。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 大門
国内で2番目!巨大金剛力士が守る「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 大門」
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神社仏閣
総本山金剛峯寺 大門は、高野山の総門です。結界の入り口とされてもいるので、高野山巡りはここからスタートするのがおすすめといえます。国内最大級の木造二重門であり、現在目にすることができる姿でも約200年前に再建されたものです。国の重要文化財にも指定されています。左右には国内で2番目に大きい金剛力士像が安置されています。その身体や表情は迫力たっぷりで、現代人の目から見ても恐れを感じてしまうほどです。近くにはひとつだけ願い事を叶えてくれるという「お助け地蔵」の姿もありますので、叶えたい望みのある方はお参りをお忘れなく。
高野山ケーブルカー
壇上伽藍・根本大塔を意識した朱色の「高野山ケーブルカー」
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乗り物
南海電鉄高野線の極楽橋駅と高野山の入口である高野山駅を結ぶケーブルカーです。高低差約328mを、5分ほどで一気に登り切ります。真っ赤な車体は見た目もお洒落です。1930年に開通と、国内でも有数の歴史を持っています。車窓が大きいため、周囲の景色を眺めながら移動することが可能です。特に初夏はアジサイやシャクナゲが、秋はもみじが観光客の目を楽しませてくれるため人気となっています。辿り着く高野山駅は建造物として国の登録有形文化財にも登録されており、特徴のある駅が選ばれる「近畿の駅百選」にも選定されています。
蓮華定院
調度品にも六文銭が!真田親子が蟄居した「蓮華定院」
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神社仏閣
あの真田信繫(幸村)が暮らしたことでも知られている真田家の宿坊です。真田家の家紋である六文銭が随所に描かれており、歴史好きにはたまりません。当時を再現した部屋も遺品とともに公開されています。いくつか存在する庭園も見どころのひとつ。どれも情緒溢れる佇まいが魅力で、特に阿弥陀如来の梵字を表しているという枯山水の庭園は必見です。また、朝方と夕方には瞑想と勤行の修行体験をすることもできます。どちらも参加は自由ですが、心が洗われる貴重な体験として人気を博しています。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 高野山大師教会
授戒や写経が体験できる「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 高野山大師教会」
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神社仏閣
大師教会は高野山における真言宗布教の総本部。高野山開創1100年記念として1925年に大講堂が建立されました。本尊には弘法大師、そして脇仏として愛染明王と不動明王が安置されています。大講堂の奥には「授戒堂」があり、一般の方でも「授戒体験」をすることが可能です。授戒とは10の戒律を守る誓いを立てること。体験を終えると菩薩戒牒の御守りをもらうことができます。また、教化研修道場では写経体験をすることもでき、こちらも人気のプログラムです。「般若心経」を清書しながら、心を落ち着かせる時間をとってみてはいかがでしょうか。
こうや花鉄道 天空
高野山の自然を満喫できるワイド車窓が魅力の「こうや花鉄道 天空」
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乗り物
南海電鉄高野線を運行する「天空」は、世界遺産高野山へと向かう観光列車です。急カーブが続く山岳路線で、高低差約440mある「橋本駅」と「極楽橋駅」の間を、約50分かけて駆け上ります。窓に向かってひな壇式の座席があり、四季折々の風景を楽しめるパノラマビューが見事です。4人掛けのボックス席や鉄道好きにはたまらない先頭展望席もあり。また、気持ちのいい空気とともに自然を感じられる展望デッキもあります。旅の第一の目的をこの「天空」に据える人も多いほど人気の列車ですので、ぜひ利用してみてください。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 蟠龍庭
日本国内最大の石庭「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 蟠龍庭」
蟠龍庭(ばんりゅうてい)は、日本国内で最も大きいと言われている石庭です。昭和後期に作庭され、その広さは何と2,340平方メートルにも及んでいます。蟠龍とは、地上でとぐろを巻き潜んでいる龍のことです。白い砂が雲海を、石が龍を表現し、奥殿を守るように配置されています。白川砂は京都のものが、花崗岩(かこうがん)は弘法大師誕生の地である四国のものが使われています。定期的に夜間のライトアップイベントも行われており、光に照らされた光景も一味違う侘び寂びが感じられると人気です。参詣者には新別殿の大広間でお茶とお菓子のサービスがあり、休憩がてらほっと一息つくこともできます。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 根本大塔
金胎不二を表現した圧巻の立体曼荼羅!「高野山真言宗 総本山金剛峯寺 根本大塔」
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神社仏閣
根本大塔は、日本で初めて建立された多宝塔。その美しい朱色に、思わず目を奪われます。高さは約48.5mあり、真言密教の根本道場における象徴として建てられました。その美しさに外側だけで満足してしまいそうですが、内部も必見です。御本尊は胎蔵大日如来、その周りを金剛界の四仏が取り囲みます。そして大塔を支える16本の柱にはそれぞれ十六大菩薩の姿が描かれており、堂内そのものが空海独自の立体曼荼羅を表現しているのです。ちなみに夜はライトアップも行われます。高野山の宿坊にお泊まりになる方は、ぜひ昼とは違う姿もその目に焼き付けに行きましょう。
世界遺産・高野山には行くだけで心が洗われそうな魅力的な名所が満載です。高野山を訪れた際にはぜひ今回ご紹介した観光スポットにも足を運んで、歴史やパワーを感じる旅を満喫してみてください。
※2021年3月1日時点の情報です。
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