太平洋に位置し、大島や新島、八丈島など複数の島々からなる伊豆諸島。東京都に属していますが、東京のイメージである大都会とは、まったく異なる表情を見せてくれます。島ならではの自然が織りなす風景や島独自の文化を楽しみに、伊豆諸島へ足を伸ばしてみるのもおすすめです。今回は、日本でも有数の自然の美しさを誇り、独自の文化が発展した伊豆諸島を巡るときに欠かせないスポットをご紹介します。伊豆諸島へ旅行するときは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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長い歴史がつくり出した層はまさに巨大なバームクーヘン?!「地層大切断面」(伊豆大島)
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伊豆大島の採れたてのおいしさを届ける「農産物直売所ぶらっとハウス」(伊豆大島)
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世界的にも珍しい世界の火山や大島を学べる博物館「伊豆大島火山博物館」(伊豆大島)
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大島の自然と文化に関する資料約300点を展示する資料館「大島町郷土資料館」(伊豆大島)
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平安時代末期の武将「源為朝」を祀る茅葺屋根の社殿がある神社「為朝神社」(伊豆大島)
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国際的なガラスアートフェスティバルを開催「新島ガラスアートセンター」(新島)
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三宅島の神社信仰の中心!伊豆諸島の総鎮守ともいわれる「富賀神社」(三宅島)
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神津島で獲れた新鮮な魚介類を買うならここ!「よっちゃーれセンター」(神津島)
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美しい花々が魅力的で「花の百名山」にも選ばれる神津島の山「天上山」(神津島)
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岩山を鉈(なた)で割ったような地形に位置する絶景の温泉「地鉈温泉」(式根島)
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新東京百景にも選ばれる美しい自然を望む大パノラマ「神引展望台」(式根島)
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八丈島の自然を観賞できる「八丈植物公園/八丈ビジターセンター」(八丈島)
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利島の象徴ともいえる円錐形のピラミッド型の姿が美しい「宮塚山」(利島)
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美しい海でイルカと泳ぐ「利島ダイビング・ドルフィンスイムサービス」(利島)
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椿と生きる島でつくられる希少な椿油を生産する「利島農業協同組合」(利島)
地層大切断面(伊豆大島)
長い歴史がつくり出した層はまさに巨大なバームクーヘン?!「地層大切断面」
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自然
「地層大切断面」は、大島の南西部に位置する伊豆大島の火山噴火の歴史を表す地層の断面です。高さ約30m、長さ約600mにもおよび、幾重にも重なる層構造から地元では「バームクーヘン」と呼ばれているそう。貴重な自然遺産は海外の火山研究者にも広く知られています。およそ150年から200年に一度という大噴火によって、降り積もった火山灰や火山岩塊などの噴出物が積み重なってつくりあげられた美しい景観。過去2万年間の大地の記憶が宿る地層は、必見です。
ぶらっとハウス(伊豆大島)
伊豆大島の採れたてのおいしさを届ける「農産物直売所ぶらっとハウス」
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グルメ
伊豆大島に住む農家の方々がつくった新鮮な野菜や大島牛乳を使った乳製品など、大島のおいしいものを販売している場所が「農産物直売所ぶらっとハウス」です。開放感あふれるのどかな環境に位置する農産物直売所では、毎朝、地元の農家さんが収穫した新鮮でおいしい野菜や大島で栽培が盛んな観賞用の花々などが集まります。また、直売所の近くには乳牛が放牧されている牧場があり、牧場で搾乳された牛乳を使用したジェラートやソフトクリームを味わうことができます。大島特産のお土産を販売しており、伊豆大島の思い出をお土産に持って帰りたい方におすすめのスポットです。
伊豆大島火山博物館(伊豆大島)
世界的にも珍しい世界の火山や大島を学べる博物館「伊豆大島火山博物館」
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美術館・博物館
「伊豆大島火山博物館」は、伊豆大島にある火山「三原山」や世界中の火山について学ぶことができる世界でも珍しい火山専門の博物館です。火山に関する資料が豊富に展示されています。資料を見るだけでも火山に関する知識を学べますが、館内にはシミュレーターカプセルがあり、映像で火山の地底探検を体験可能できます。楽しみながら火山について学ぶことが出来る体験型スポットでもあります。また、300席ある映像ホールでは、大島の美しい自然や大島で暮らす人々の生活をデジタルシネマ映画で上映しています。
大島町郷土資料館(伊豆大島)
大島の自然と文化に関する資料約300点を展示する資料館「大島町郷土資料館」
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美術館・博物館
「大島町郷土資料館」は、大島の歴史や豊かな自然、祖先が残した貴重な文化を学べる資料館です。民具を中心に約300点の展示物の並ぶ館内には東京都の指定文化財に認定されている資料もあります。郷土資料館のそばには、大島の民家を移築した古民家があり、大島の昔の暮らしを感じることができるでしょう。その他にも、大島の火山活動や縄文時代の土器・石器、婦人の風俗祭礼、伝承などに関する資料も展示されています。大島の厳しい自然環境のなかで育まれた、歴史と文化を深く学びたい方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
為朝神社(伊豆大島)
平安時代末期の武将「源為朝」を祀る茅葺屋根の社殿がある神社「為朝神社」
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神社仏閣
大島にある「為朝神社(ためともじんじゃ)」は、平安時代末期の武将「源為朝」を祀る神社です。身長2mを超える巨体で、剛弓の使い手として世に名を轟かせた源為朝は、保元の乱で捕らえられたのち、大島に流されたという説があります。神社の祠がある社殿は、社殿としては貴重な茅葺屋根(かやぶきやね)の造り。敷地内には為朝のために特別に許されたという、通称「赤門」といわれる格式高い朱塗りの門があります。この「為朝神社」のほか、為朝上陸の地にある「八幡神社」、刀を研いだ湧水など、島内には為朝ゆかりの場所が複数あります。歴史や建物に興味がある方は、興味を惹きつけられるスポットでしょう。
新島ガラスアートセンター(新島)
国際的なガラスアートフェスティバルを開催「新島ガラスアートセンター」
「新島ガラスアートセンター」は、新島の特産物「抗火石」を原料とする新島ガラスに触れられる施設です。抗火石は火山岩の一種で、一般的にガラスの原料となる石英を8割ほど含みます。抗火石に含まれる鉄分によって、オリーブ色に発色することが新島ガラスの特徴で、天然の色ガラスです。「新島ガラスアートセンター」はガラスを作成するだけではなく、ワークショップや作品制作を通じて、人材育成や国際交流の場を提供しています。また、国際的なガラスアートフェスティバル「新島国際ガラスアートフェスティバル」を開催しており、日本のみならず、海外からも多くの方が参加するほどの盛況ぶりです。
富賀神社(三宅島)
三宅島の神社信仰の中心!伊豆諸島の総鎮守ともいわれる「富賀神社」
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神社仏閣
「富賀神社(とがじんじゃ)」は、都心から約180kmの場所に位置する三宅島の神社信仰の中心となる神社です。伊豆諸島をつくり、発展に導いたとされる神様が鎮座していることから、伊豆諸島の総鎮守ともいわれ、伊豆諸島を安らかに守っています。境内からは、古墳時代の装身具の一つである勾玉や古来の器である土器、古代の鏡などが発掘され、三宅島の歴史の深さを物語ります。神輿が6日間かけて島内を一巡する伝統がある夏の大祭(実施は隔年)は、「富賀神社の巡り神輿」として東京都無形民俗文化財に指定されており、大祭に合わせて訪問するのもおすすめです。
よっちゃーれセンター(神津島)
神津島で獲れた新鮮な魚介類を買うならここ!「よっちゃーれセンター」
「よっちゃーれセンター」は、都心から約180kmの場所に位置する神津島の新鮮獲れたての魚介類を加工販売する海産物販売センターです。ムロアジやキンメなどの干物やサメのジャーキー、アカイカの一夜干し・塩辛など、さまざまな商品を販売しています。神津島で水揚げされた美味しいお魚を食べていただくために、素材にこだわった安心・安全な料理・商品づくりを心がけています。2Fは食堂になっていますので、島の魚をぜひご賞味ください。
天上山(神津島)
美しい花々が魅力的で「花の百名山」にも選ばれる神津島の山「天上山」
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自然
「天上山」は神津島にある台形状の標高572mの山で、かねてより島の神聖な場所とされ、現在では国立公園の特別保護区に指定されています。山頂部では1年中、伊豆諸島の固有種をはじめとした花々を観賞でき、その美しさは「花の百名山」にも選ばれるほど。また、天上山から望む黒潮の大展望台として、「新東京百景」にも選定されています。神津島を代表するトレッキングスポットでもあり、毎年5月下旬頃にはオオシマツツジの花が見頃を迎えるため、その時期には花を観賞しながらトレッキングを楽しめるでしょう。
地鉈温泉(式根島)
岩山を鉈(なた)で割ったような地形に位置する絶景の温泉「地鉈温泉」
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温泉
「地鉈温泉(じなたおんせん)」は、都心から約160km離れた場所に位置する式根島にある温泉。断崖の続く海岸線の岩山を鉈で切り分けたかのような地形にあることから、その名前がつけられました。泉質は鉄分を多く含んだ硫化鉄泉。神経症や冷え性に効果が期待できるとされ、別名「内科の湯」ともいわれています。源泉の温度は約80度。そのままでは入浴できないため、海水と混ざって入浴に適した温度になっているところを狙って入浴することになります。海を望む絶景のロケーションにある「地鉈温泉」は、露天風呂番付で東の張出横綱に番付されています。
神引展望台(式根島)
新東京百景にも選ばれる美しい自然を望む大パノラマ「神引展望台」
「神引展望台(かんびきてんぼうだい)」は、式根島内で最も高所である「神引山」(標高99m)の展望台です。リアス式海岸の様子をはじめ、空気が澄んだ晴れた日には、周辺の島々や伊豆半島、富士山などを望む大パノラマが魅力。その美しさから新東京百景にも選ばれています。頂上までは100段の階段を上ることになりますが、階段は比較的上りやすく、体力が心配な方も安心です。駐車場にはトイレも完備されています。式根島に訪れたら「神引展望台」へ行き、美しい自然を望む絶景をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
八丈植物公園/八丈ビジターセンター(八丈島)
八丈島の自然を観賞できる「八丈植物公園/八丈ビジターセンター」
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自然
「八丈植物公園」は、都心から約290kmに位置する八丈島にある、豊かな自然を楽しめる20ヘクタール越えの公園です。園内には、ハイビスカスやブーゲンビリアなどの熱帯・亜熱帯性の植物を中心に、さまざまな花が展示されています。また、多くの野鳥が棲んでおり、バードウォッチングも可能です。「八丈ビジターセンター」は「八丈植物公園」の園内にあり、八丈島の自然や文化に関する展示物やビデオで詳しい情報を学べる博物展示施設です。施設内には解説員が常駐しているので、島の自然や見どころを聞いて島内観光に繰り出しましょう。
宮塚山(利島)
利島の象徴ともいえる円錐形のピラミッド型の姿が美しい「宮塚山」
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自然
伊豆諸島の一つ、利島(としま)にある円錐形のピラミッド型の姿が美しい山が「宮塚山」です。利島は都心から約140kmの場所に位置する周囲約8km、面積4.12平方キロメートル、人口約300人の小さな島。そんな利島のシンボルともいえる宮塚山は、標高508mで誰でも気軽に登ることができる山です。多くの人が訪れる山とは異なり、あまり人が通らないからこそ、豊かな自然や静かな山歩きを満喫できます。世界最大のユリといわれる「サクユリ」や、島の面積の約80%を占めるともいわれる約20万本の「ヤブツバキ」など、鮮やかな花々を観賞しながら宮塚山に登ってみてはいかがでしょうか。
利島ダイビング・ドルフィンスイムサービス(利島)
美しい海でイルカと泳ぐ「利島ダイビング・ドルフィンスイムサービス」
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自然
利島(としま)の美しい海で、スキューバダイビングやイルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムを楽しめる「利島ダイビング・ドルフィンスイムサービス」。アオウミガメやさまざまな種類のサメなど大型の回遊魚と一緒に泳いだり、カンパチ、イサキ、ヒラマサなどの群れを間近で観察したりすることができます。普段味わえないような経験に興奮することでしょう。運が良ければ、稀に出現するクエやハンマーヘッドシャークに遭遇することも。また、利島にはミナミハンドウイルカが棲んでおり、イルカが利島周辺にいるときには、一緒に泳ぐドルフィンスイムを楽しめます。
利島農業協同組合(利島)
椿と生きる島でつくられる希少な椿油を生産する「利島農業協同組合」
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美術館・博物館
「利島農業協同組合」では、国産100%の椿油「神代椿」を、生産から製品化までを担っています。島全体が椿林に覆われていることから、「椿の島」ともいわれる利島(としま)。日本有数の椿の生産量を誇り、島内にある椿の本数は約20万本といわれています。日本を代表する椿の生産地でつくられる椿油は、日本古来の品種である「ヤブツバキ」の種子から採取される油のみを使用。利島ならではの地質や独特な栽培・精製方法を活かした希少な植物油です。2019年には、「神代椿」ブランド商品のうち「神代椿-雫-」が、オーガニックコスメの世界統一基準である「COSMOS ORGANIC」に国内で初めて認定されました。利島が誇る、珠玉の一品をぜひお土産にいかがでしょうか。
日本の首都、東京都とは思えないほどの豊かな自然と島独自の文化が発展した伊豆諸島。船や飛行機でしかアクセスできないからこその魅力が、そこにはあります。伊豆諸島へ訪れる際には、今回ご紹介したスポットを参考に、ぜひ観光や自然体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。
※2021年11月1日時点の情報です。
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