東京都中央区に位置する日本橋。付近はかつての江戸時代を感じられる街でもあります。地名の由来となった日本橋川にかかる橋は国の重要文化財となっており、五街道の起点ともなっています。今回は日本橋付近の観光スポットを、その魅力や歴史を紐解きながら紹介していきます!
目次
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徳川幕府直轄の、江戸を代表する陸上交通路起点のひとつ「日本橋」
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日本の貨幣の歴史が学べる施設「日本銀行金融研究所貨幣博物館」
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三井家が江戸時代から伝えてきた日本・東洋の美術品を展示する「三井記念美術館」
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五角形の神楽殿と二頭の龍が目印の「小綱神社」
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ライオン像と共に親しまれている百貨店「日本橋三越本店」
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日本人建築家による最初の国家的近代建築「日本銀行本店本館」
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刃物を扱う、日本を代表する老舗「日本橋木屋」
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川で周遊しながら、東京の今昔を学べる「日本橋クルーズ®」
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日本橋で約200年以上店を構える和紙舗「榛原」
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天井のシャンデリアが目立つ、日本橋を代表する百貨店のひとつ「日本橋髙島屋S.C.」
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老舗洋食屋の創業者が設立した、全世界の凧が見られる展示施設「凧の博物館」
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江戸時代の度量衡に関する重要な史跡「江戸秤座跡」
日本橋
徳川幕府直轄の、江戸を代表する陸上交通路起点のひとつ「日本橋」
徳川家康が幕府を開いた1603年に日本橋は架けられたと伝えられています。架けられた翌年、幕府直轄の主要5つの陸上交通路の起点と定められました。現在の橋は1911年に架橋されたルネサンス様式の石造二連アーチ橋で、その美しいシルエットは見ごたえがあります。欄干の中央部分には美しい麒麟(きりん)像があり、日本橋のシンボルとして多くの観光客に親しまれています。日本橋は現在国の重要文化財となっており、日本の道路網の起点として機能しています。
日本銀行金融研究所貨幣博物館
日本の貨幣の歴史が学べる施設「日本銀行金融研究所貨幣博物館」
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美術館・博物館
貨幣、貨幣に関する歴史的・文化的な資料を収集・保存しているのが、日本銀行金融研究所貨幣博物館です。
貨幣博物館の常設展示は、日本のお金の歴史について、所蔵資料の調査研究を踏まえ、分かりやすく展示しています。何が「お金」として選ばれ、どのように使われてきたか、といったことを本物の資料を通して見て頂くことができます。豊臣秀吉や徳川家康がつくらせた金貨(大判)の実物を見た後、その重さを体感したり、明治時代に発行された最初の日本銀行券を見た後、現在の日本銀行券の偽造防止技術について体験したり、楽しみながら学ぶことができます。また、和同開珎や寛永通宝でどんなものがいくらで買えたかなど、当時の物の値段を通じて、生活のなかで使われたお金について知ることもできます。
三井記念美術館
三井家が江戸時代から伝えてきた日本・東洋の美術品を展示する「三井記念美術館」
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美術館・博物館
三井記念美術館は、三井家が江戸時代以来350年以上にわたって収集してきた日本・東洋の優れた美術品を展示・保存する美術館です。前身は中野区にある三井文庫の別館で、2005年、三井家・三井グループと縁の深い日本橋に移転・開設されました。美術館のある三井本館は昭和初期の日本を代表する重厚な洋風建築であり、国の重要文化財にも指定されています。展示室では、建築当時の壮麗な雰囲気を活かしながらも国宝茶室「如庵」の室内を再現するなど、和・洋を通じた伝統的な「造形の美」の再発見を試みています。
小綱神社
五角形の神楽殿と二頭の龍が目印の「小綱神社」
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神社仏閣
小綱神社は厄除けと金運アップのご利益がある神社です。神楽殿は五角形をしており、大変珍しい造りをしています。社殿向拝の左右にある彫刻の龍は、天に昇る姿と天から降りる姿が対になっています。この龍は神社のご利益にちなみ、強運厄除の「昇り龍」「降り龍」として崇められています。この神社では「まゆ玉みくじ」が人気で、本物のまゆ玉の中におみくじを奉入したものになっています。まゆは一本の糸で紡がれており、「小綱神社の神様とのご縁が一本の糸のように細く長く結ばれますように」との願いから参拝者に授与されているようです。
日本橋三越本店
ライオン像と共に親しまれている百貨店「日本橋三越本店」
1673年に呉服店「越後屋」として創業し、1904年に「デパートメントストア宣言」をした日本初の百貨店。日本橋三越本店の本館は、2016年7月に国の重要文化財に指定されました。西洋の古典様式建築の威容を誇り、本館ライオン口には待ち合わせの場所として親しまれる「ライオン像」が訪れた人をお迎えし、メイン通路を抜けた中央ホールには、豪華な美しさの「天女像(まごころ)」が一際目を引きそびえ立っています。
日本銀行本店本館
日本人建築家による最初の国家的近代建築「日本銀行本店本館」
日本銀行は1882年に隅田川に架かる永代橋のたもとで開業しました。その後、日本橋の金座跡地に新店舗建設が計画され、足掛け7年の歳月をかけて1896年に現在の日本銀行本店本館の建物が竣工しました。建築設計を指揮したのは、赤煉瓦が特長的な東京駅を設計したことでも知られる、近代建築の父・辰野金吾です。日本銀行の本館は、1974年に国の重要文化財に指定されています。
事前に予約をすれば、地下金庫や客溜など当時の面影が残っている本館内部を見学することができます。また、オンライン本店見学「おうちで、にちぎん」(https://www.boj.or.jp/announcements/education/ouchi.htm/)を公開中です。
日本橋木屋
刃物を扱う、日本を代表する老舗「日本橋木屋」
1792年に創業した日本橋木屋(きや)は、刃物を扱う老舗です。初代・加藤伊助が本家の木屋からのれん分けしてもらい創業しました。現在木屋を名乗っている商店は、刃物店のみとなっています。木屋では牛刀や鎌型、冷凍包丁、骨スキ、中華包丁などを取り扱っています。切れ味や使い易さ等が大事なので、自分の好みにあった包丁を見つけたい人は木屋に行ってみると良いでしょう。また包丁以外にも調理器具を多く取り扱っているので、料理が好きな人や良い調理器具を探している人におすすめです。
日本橋クルーズ®
川で周遊しながら、東京の今昔を学べる「日本橋クルーズ®」
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乗り物
日本橋は、日本橋川を始め、神田川、隅田川など個性豊かな川と繋がり、様々な周遊コースを楽しめるのがポイント。名橋の数々だけでなく、昼と夜とで異なる絶景を味わうことができます。季節によって乗船券がすぐに売り切れになるほどの人気ぶり。日本橋川方面コースでは、32個の獅子像が配置されているので、探しながらクルーズを楽しむのも良いでしょう。隅田川方面コースでは、永代橋とともに計画された清洲橋を眺めることができます。清洲橋はドイツの吊橋がモデルとなった優美な橋で、永代橋と一緒に国の重要文化財に指定されました。
榛原
日本橋で約200年以上店を構える和紙舗「榛原」
榛原(はいばら)は、日本橋にある200年以上続く和紙舗です。創業時より和紙のある暮らしを提案しており、「はがき」や「扇子」といった身近なものから、「六角筆筒」や「朱印帳」といった色鮮やかな小物まで、紙にまつわる多彩な商品が用意されています。手仕事の美しさと、日本の文化を感じることができるでしょう。場所も日本橋駅B6出口直結の東京日本橋タワー内と好アクセスなのも嬉しいポイント。
日本橋髙島屋S.C.
天井のシャンデリアが目立つ、日本橋を代表する百貨店のひとつ「日本橋髙島屋S.C.」
1933年に日本橋髙島屋はオープンしました。オープン時は日本生命の建物を借り受けていましたが、後に日本生命が転出し、戦後復興から高度経済成長期に徐々に規模を大きくし、1965年には1街区を占める巨大店舗になりました。正面玄関から一歩店内に入ると、広く豪華な玄関に圧倒されるでしょう。玄関には広々とした吹き抜け、大理石の柱があり、また天井にはシャンデリアが飾られています。この玄関は、創建時の建築家・高橋貞太郎氏のデザインと増築を実施した様々な有名建築物を手がけた村野藤吾氏の融合作品です。また2018年には本館・新館・東館・ウオッチメゾンの4館体制で日本橋髙島屋S.C.になりました。是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか
凧の博物館
老舗洋食屋の創業者が設立した、全世界の凧が見られる展示施設「凧の博物館」
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美術館・博物館
日本橋の超有名店で、1931年創業の老舗洋食屋「たいめいけん」。その創業者である茂出木氏が、凧好きが高じて、1977年に「凧の博物館」を設立しました。「たいめいけん」の中にある凧の博物館には日本全国から集められた凧がなんと約3,000件も展示されています。日本だけでなく、世界の凧・凧絵など多岐にわたっております。展示された凧は全て、オリジナルの江戸凧です。江戸凧とは鎖国が行われ、日本独自の文化が開花した庶民と武士の中から生まれたもの。またこちらで見られる江戸凧は、凧絵師の橋本禎造氏が描いたものです。昔懐かしい凧の歴史を知りたい人におすすめの博物館です。
江戸秤座跡
江戸時代の度量衡に関する重要な史跡「江戸秤座跡」
江戸時代に使われていた「秤(はかり)」。この秤の基準を統一するために作られたのが「秤座」という事業所です。秤座では秤の製造だけでなく、検査や販売なども行っていました。江戸と京都の2箇所に設置された秤座のうち、「江戸秤座」は東国三十三箇所を受け持っていた守随(しゅずい)家が管轄していました。秤座自体は明治時代に廃止されてしまいましたが、江戸の経済を知る上で重要な史跡として今も残されているのです。
現在の東京の街並みが作られるまでに、たくさんの建物に歴史が刻まれてきました。歴史を少しでも知ると、より感慨深いです。観光をしながら歴史を知っていくのもおすすめですので、日本橋を訪れる際はぜひ紹介した場所を訪れてみてはどうでしょうか。
※2023年12月1日時点の情報です。
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