日本最北の土地「稚内市」。人口は約33,000人、夏の平均気温は約17℃、冬は約マイナス5℃。この稚内、実は天気が良ければサハリンも望めるほど、外国に近い町なのです。実際、見る風景や自生する植物など、至るところに外国に似た雰囲気を感じられると思います。今回は、そんな稚内の魅力がわかる観光スポットをご紹介します。
目次
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日本の最北端から見る景色「宗谷岬」
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日本のてっぺんに洗練されたデザイン「日本最北端の地の碑」
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稚内の夕日の名所「ノシャップ岬(野寒布岬)」
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街を守る美しい巨大建造物「稚内港北防波堤ドーム」
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周氷河地形として北海道遺産に選定「宗谷丘陵」
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歴史を今に伝える慰霊碑「氷雪の門」
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晴れた日には遠い樺太まで見える「稚内公園」
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御朱印とおみくじがいただける日本最北端の神社「北門神社」
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日本最大級の規模「ユーラス宗谷岬ウインドファーム」
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見どころたくさん昭和の建築物「旧瀬戸邸」
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利尻島と沈む夕日の絶景が堪能できる「恵山泊漁港公園」
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平和を願う壮麗な白い鶴の形をした「祈りの塔」
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キャンプもできる公園で楽しいひと時を「北海道立宗谷ふれあい公園」
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晴れた日に散策のために訪れたい「メグマ沼自然公園」
宗谷岬
日本の最北端から見る景色「宗谷岬」
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絶景
「日本最北端の地の碑」がある宗谷岬。晴れた日には、海の向こうに樺太の島の影を確認することができます。展望スポットは3方を海に囲まれているため、まさにここが日本の最北端であると実感できるでしょう。樺太を発見した間宮林蔵の銅像が海を臨むようにしてこの地に立っています。付近には「食堂最北端」や「最北端の公衆トイレ」など、最北端であることを印象付ける観光施設が数多くあり、世界平和の鐘や祈りの塔はぜひあわせて巡りたいところ。少し足を延ばして、宗谷港のてっぺんドームを見学してみるのもよいでしょう。
日本最北端の地の碑
日本のてっぺんに洗練されたデザイン「日本最北端の地の碑」
宗谷岬にある日本最北端の地の碑は、宗谷岬を代表するシンボリックな記念碑です。碑の形は北極星をモチーフとしており、台座部分は円形。北を意味する「N」の文字を形作った造形物も見られます。宗谷岬観光の記念撮影スポットとしては定番中の定番であり、海を背にした写真は写真映え間違いなし。冬になると、流氷で真っ白に彩られた海をバックに写真を撮ることもできます。日本最北端にあるということでドライブやツーリングの目的地となることも多く、駐車場や休憩スポット、食堂などドライバーなどの旅行者向けの施設も充実しています。
ノシャップ岬(野寒布岬)
稚内の夕日の名所「ノシャップ岬(野寒布岬)」
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絶景
稚内市中心部から5kmほど北へ向かった場所にあるノシャップ岬。海に沈む夕陽が美しい場所として有名です。また、岬の展望台からは利尻富士や礼文島の姿も確認でき、稚内を代表する景勝地となっています。ノシャップとはアイヌ語で「波の砕ける場所」と「顎のように突き出た」という意味を持つとのこと。その名の通り、半島の先端部分にあるため打ち寄せる波は激しく、風も強いため夏でも涼しさを感じます。近くには「ノシャップ寒流水族館」と「稚内市青少年科学館」があるので、そちらもぜひあわせて訪れてみましょう。
稚内港北防波堤ドーム
街を守る美しい巨大建造物「稚内港北防波堤ドーム」
稚内港に打ち寄せる激しい波しぶきが道路や鉄道にかかるのを防止する目的で造られた、稚内港北防波堤ドーム。その総延長約427m、高さ約13.6mと、かなり巨大な建造物です。道路に面した部分には防波堤を支える古代ローマ建築を彷彿とさせる石柱が並んでおり、直線的に伸びる道路と並行して立つ70本の石柱は圧巻。そのデザインの美しさから記念撮影スポットにもなっています。利尻島や礼文島行のフェリーに乗ればこの巨大な防波堤を海側から見ることもできるので、機会があればぜひ。
宗谷丘陵
周氷河地形として北海道遺産に選定「宗谷丘陵」
宗谷丘陵は宗谷岬の南側に広がる丘陵地帯です。周氷河地形(地中の水分の凍結により形成された地形)として北海道遺産に選定されており、そのなだらかな起伏と遮るものが無い360度の景観は、ここでしか見ることができない情景です。ここでは、風景を堪能しながら歩くフットパスがおすすめ。およそ5kmのショートコースとおよそ11kmのロングコースが設定されており、それぞれ2時間・4時間程度で散策できます。宗谷黒牛の放牧風景や、遠くに見える風力発電の風車などの景色を楽しみながら、「白い道」を通ってゴールを目指してみてください。
氷雪の門
歴史を今に伝える慰霊碑「氷雪の門」
稚内公園内にあり、稚内のシンボル的存在ともいえる氷雪の門。正式名称は樺太島民慰霊碑といい、樺太で戦死した人々の霊を慰めるために建立されました。高さおよそ8mの門が両側に建ち、中央に海の向こうの樺太に背を向けて天を仰ぐように立つ女性のブロンズ像が位置しているこの慰霊碑は、当時の悲しい記憶を今に伝える貴重なものです。高台にあるためここからの景観はすばらしく、眼前に広がる海や稚内市街を一望できます。なお、稚内公園内には他にも九人の乙女の碑や開基百年記念塔などのスポットもあるので、あわせて巡りたいところです。
稚内公園
晴れた日には遠い樺太まで見える「稚内公園」
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公園
稚内公園は稚内市街からほど近くにある都市公園です。氷雪の門をはじめとしたさまざまな記念碑やモニュメントが並び、稚内観光では絶対に外せないスポットになっています。中でも九人の乙女の碑は小説や映画にもなっており、昭和20年のソ連軍の侵攻により命を落とした真岡郵便局の電話交換手9人の悲しい物語として知られております。また、展望台からは稚内市街地をはじめ、宗谷岬付近まで一望できます。公園内には無料休憩所「ゲストハウス氷雪」があります。
北門神社
御朱印とおみくじがいただける日本最北端の神社「北門神社」
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神社仏閣
御朱印をいただける神社としては、日本最北端の場所に位置する北門神社。1785年に建立した宗谷大神宮を前身とし、1896年に現在地に移築した歴史ある神社です。御祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、武甕槌神(たけみかづちのかみ)、事代主神(ことしろぬしのかみ)をお祀りしており、小さな子どもを連れた狛犬の像があることから、出産や子育てにご利益があるといわれています。北海道内のいくつかの神社で引くことができる「えぞみくじ」(ご当地みくじ)があるのもうれしいところ。この神社のえぞみくじは、名物のカニをモチーフにしたかわいらしいものです。
ユーラス宗谷岬ウインドファーム
日本最大級の規模「ユーラス宗谷岬ウインドファーム」
ユーラス宗谷岬ウインドファームは、宗谷丘陵にある57基の風車が建ち並ぶ風力発電所です。タワーの高さおよそ68m、ブレード(羽根)はおよそ30mと、最高到達点は約100mになります。巨大な風車群が、北海道遺産の周氷河地形に点在する光景は壮観の一言。施設近くでは、イギリス発祥のフットパスも楽しむことができ、天気が良ければ利尻富士も眺めることができます。
※個人のお客様は発電施設への見学や風車の近くまで行くことはできません。ご注意ください。
旧瀬戸邸
見どころたくさん昭和の建築物「旧瀬戸邸」
瀬戸漁業株式会社の設立者であり、日ソ漁業交渉において政府代表顧問の座にあった瀬戸常蔵氏(1909-1987)の居宅が、現在、国の登録有形文化財に登録され一般公開されています。大正時代の旅館のような外観を持ち、赤レンガの煙突が印象的。建物の内部は当時の様子を再現する形になっており、宴会場や台所、居室など当時の生活をうかがい知ることができます。中でも囲炉裏に飾られた鉄製の帆船は見事。きっとこの造形美に見入られることでしょう。
恵山泊漁港公園
利尻島と沈む夕日の絶景が堪能できる「恵山泊漁港公園」
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公園
恵山泊漁港公園はノシャップ岬の近くにあり、利尻富士を真正面に眺めることができる景色のよい公園です。園内にはジボールの形をした時計と戯れるイルカのモニュメントが設置されており、記念撮影スポットに最適。ここでぜひ見ておきたいのは、何といっても日本海に沈む美しい夕陽です。空と海が真っ赤に染まる様子や利尻富士の美しいシルエットも堪能できるので、ぜひ日没時を狙って訪れてみてください。周辺には、稚内名物の流氷まんじゅうなどを購入できる土産屋もあります。
祈りの塔
平和を願う壮麗な白い鶴の形をした「祈りの塔」
祈りの塔は、宗谷丘陵の高台に建てられた高さおよそ20mの祈念塔です。昭和58年に起きた大韓航空機撃墜事件の被害者を慰霊し、世界の恒久的平和を祈る目的で建てられました。この事件は宗谷岬から近い樺太沖で発生しており、日本人を含む16の国の犠牲者が出たことから、台座部分は16枚の羽の形をしています。また、塔の周囲は同じく平和を祈ってアルメリアの花が咲き誇る花壇が設けられており、春から夏にかけて美しい花を咲かせます。
北海道立宗谷ふれあい公園
キャンプもできる公園で楽しいひと時を「北海道立宗谷ふれあい公園」
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公園
北海道立宗谷ふれあい公園は、稚内市街地と稚内空港の中間地点にあり、キャンプ場や芝生広場などを備えた複合レジャー公園になります。キャンプ場には車の乗り入れが可能な区画されたオートサイトや寝具と家電が備わったロッジなどがあり、シーンに合わせて利用可能。炊事棟もあるのでバーベキューなども楽しむことができます。コンビネーションスライダーやローラースライダーなどで遊べる屋内遊戯場や全36ホールのパークゴルフ場もあるので、気になる施設に訪れてみてください。
メグマ沼自然公園
晴れた日に散策のために訪れたい「メグマ沼自然公園」
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公園
稚内空港近くにあるメグマ沼自然公園では、沼周辺にある湿地帯を歩いて散策できます。エゾノリュウキンカやミズバショウなど、およそ200種以上の植物が自生しており、散策路を使って園内をぐるっと1周しながらさまざまな光景を堪能することができます。なお、遊歩道は約3.5キロあり、フットパスのコースに組み入れられています。また隣接する動物ふれあいランドでは馬やヤギとふれあい、餌やり体験などもできるためこちらもあわせて訪れたいところです。
外国に近い町ならではの地形や天候、文化などが感じられる美しい風景が広がる稚内。ぜひ、日本最北の地に観光旅行に出かけて、その魅力を堪能してみませんか。
※2021年3月1日時点の情報です。
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