夏目漱石や正岡子規など、明治時代に活躍した文豪たちとのゆかりが深い松山市。松山といえば『坊っちゃん』にも出てくる道後温泉が有名で、文豪たちにちなんだ場所も多く、明治時代の雰囲気が残る建物は風情を感じられることでしょう。また、美術館やミュージアムなど様々な楽しみ方ができる観光スポットがたくさんあります。
道後温泉本館
日本三古湯と言われる道後温泉の「道後温泉本館」
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温泉
道後温泉は日本最古といわれている温泉であり、夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも登場した愛媛を代表する観光スポットです。道後温泉のシンボルの道後温泉本館は、1994年に日本の公衆浴場として初めての国の重要文化財で、今もなおそのまま公衆浴場として営業しているという珍しい施設です。本館では「湯釜」と呼ばれる大きな円柱形の湯口から湯が注がれており、その独特な雰囲気と相まって非日常的な空間を演出しています。付近には地ビールを提供している飲食店などもあるため、風呂上がりの格別な一杯が味わえます。
※現在、営業しながら保存修理工事中です
坊っちゃん列車ミュージアム
老舗・伊予鉄の130年を越える歴史が詰まった「坊っちゃん列車ミュージアム」
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美術館・博物館
坊っちゃん列車ミュージアムは伊予鉄グループの展示施設。同社の歴史をまとめた約6mの年表、伊予鉄道1号機関車の原寸大レプリカ、松山市内の今昔対比ジオラマ、車輌の部品などが展示されています。そもそも、坊っちゃん列車とは伊予鉄道で昭和29年まで運行していた看板列車の愛称。夏目漱石が『坊っちゃん』で「マッチ箱のような汽車」と表現したことに由来しています。蒸気機関車としての坊っちゃん列車は役目を終えて久しいですが、平成13年に動力をディーゼルとして復活。SL特有の排煙を蒸気で、ドラフト音をスピーカーで再現する芸の細かさに脱帽です。無論、冷暖房などというハイカラな装置はありません。
道後ぎやまんガラス美術館
煌めくような和ガラスを約300点も収蔵する「道後ぎやまんガラス美術館」
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美術館・博物館
道後ぎやまんガラス美術館は江戸、明治、大正の和ガラス製品の展示施設です。収蔵品は西日本最多の約300点。施設名に冠する「ぎやまん」のみならず、江戸初期の薄く儚い「びいどろ」の作品も展示されています。色とりどりの徳利や器、風鈴の類はもちろん、丁寧に扱わないと折れてしまいそうな煙管、持ち上げたらバラバラにまってしまいそうな虫かごなど、当時の職人が工夫を凝らして創り上げた作品は実にユニークで、いつまでも眺めていたくなります。また、道後温泉本館の象徴・振鷺閣の窓にも張られている赤いぎやまんを見ることもできます。訪れた際には作品のフォルムのみならず、ガラスを透過した光の色も含めて、ご堪能ください。
大観覧車くるりん
松山市駅すぐ!松山市内を一望できる「大観覧車くるりん」
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乗り物
大観覧車くるりんは、いよてつ髙島屋の9階に設置された直径約45mの観覧車です。駅ビルなので、松山市駅から直接、いよてつ髙島屋に入ることができます。直通エレベーターは外が見えるタイプもあり、もうじきもっと高い位置から見下ろすことができると思うと、胸が高鳴ります。くるりんの最高到達点は地上約85mにも及び、市街地はもちろん、松山城までバッチリ見えます。1周にかかる時間は約15分。冷暖房完備なので、快適な空の旅をお楽しみいただけます。全方位を見渡せるシースルーゴンドラも2台用意されています。
放生園
道後温泉駅前すぐ!足湯に入れる「放生園」
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温泉
放生園は道後温泉駅前の広場にある観光スポット。建武年間の頃、伊佐爾波神社の境内から御手洗川を引いて作った放生池が前身と伝わっています。既に池は埋め立てられていますが、開湯伝説に登場する白鷺の足跡が残るという鷺石、正岡子規の像、坊っちゃんカラクリ時計など、見所には事欠きません。また、無料で使用できる足湯は道後温泉本館と同じ泉質で、源泉かけ流し。湯釜は本館で明治24年から昭和29年まで使用されていた年代物なので、一見の価値あり。また、夜になるとガス灯の明りで昼間とは違った雰囲気が楽しめますよ。旅先で困ったら隣接している道後観光案内所へどうぞ。
五十一番食堂
看板メニューはお遍路さんから地元民まで虜にした伝統のやきもち!「五十一番食堂」
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グルメ
五十一番食堂は四国八十八ヶ所霊場第51番札所・石手寺の入口に店を構えています。名物は白と緑、2種類のやきもち。これは、こしあん入りの餅を焦げ目が付くまで鉄板で焼いたもので、白は米粉のみ、緑は国産ヨモギが入っています。モチモチした食感と程よい甘さが魅力で、いくらでも食べられそう。100円でお釣りが来る価格設定なので、お財布に優しいのもうれしいポイント。甘く香ばしい香りに誘われて購入するお遍路さんは数知れず。地元の人でもおやつ代わりに買っていくほど好まれています。食堂内ではうどん、そば、おでん、丼もの、飲み物なども提供しているので、ガッツリ食べたい場合は食堂内へどうぞ。
愛媛県美術館
モネやセザンヌの絵画も楽しめる「愛媛県美術館」
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美術館・博物館
愛媛県美術館は鑑賞(みる)、創作(つくる)、学習(まなぶ)をテーマとした参加創造型の美術館です。松山城がそびえ立つ勝山(城山)の麓、国指定史跡・松山城跡内に位置しています。新館(本館・西館)、南館の3棟から成り立っていて、新館はコレクション展、企画展、特別展の開催場所として使用されています。コレクションはクロード・モネやポール・セザンヌなど海外の著名な画家の作品から、杉浦非水、畦地梅太郎、真鍋博など郷土出身の作家の作品まで幅広く、約12,000点が収蔵されています。企画展やコレクション展は多様なテーマで開催しています。南館は県民アトリエ、貸しギャラリーとして解放されており、地域の創作活動の拠点として機能しています。
子規堂
二度の焼失を乗り越えて復元された、正岡子規の暮らした家「子規堂」
子規堂は正岡家の菩提寺である正宗寺の境内にあります。初代・子規堂は大正15年に柳原極堂が建てたもので、正岡家旧居の建材を使用していました。しかし、昭和8年に火災で焼失。昭和10年に再建された二代目・子規堂も昭和20年に空襲を受けてしまいました。現在の子規堂は戦後間もなく建てられたもので、子規が17歳まで暮らした家の間取りが再現されています。堂内には子規の遺墨や遺品が展示されており、勉強部屋では子規の使っていた文机を見ることもできます。ちなみに、境内には初代・子規堂よりも古い明治37年製の埋髪塔があります。ここには子規の遺髪が埋まっているとされ、現在でも当時の姿を見ることができるのです。
えひめこどもの城
保護者のケアも万全!遊びと学びがたくさん詰まった「えひめこどもの城」
えひめこどもの城は約35ヘクタールの敷地を持つ児童厚生施設です。子どもたちに創造力、自主性、社会性を培ってほしいという思いの詰まった「遊びと学び」の空間になっています。中核である「あいあい児童館」は西洋の城をイメージした全天候型施設で、本を読んだり、楽器に触れたり、大型遊具で身体を動かしたり、子どもが好奇心の赴くまま遊べる環境が整っています。乳幼児向けコーナーではお子さまと遊びながら、臨床心理士に相談することもできます。料理や工作の体験も可能なので、プログラムをチェックしてみましょう。屋外にも芝生広場や約360mを滑走するボブスレーなど豊富な遊び場があり、中学生以上なら本格的な四輪バギーの運転やジップラインも楽しめます。
の・ボールミュージアム
野球用語を翻訳した正岡子規の雅号を継ぐ「の・ボールミュージアム」
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美術館・博物館
の・ボールミュージアムは坊っちゃんスタジアム内にある野球歴史資料館です。名称はベースボールを愛した正岡子規(幼名は升と書いて、のぼる)の雅号「野球(のぼーる)」に由来しています。展示エリアはプロ野球とアマチュア野球に分かれていて、プロ野球コーナーにはイチローのグラブなど、スター所縁の品が展示されています。一方、アマチュア野球コーナーではバットを構えた子規のオブジェや愛媛の野球年表を見ることができます。名場面シアターでは愛媛代表校の名試合を振り返ることができますよ。館内には投球技術が問われるバーチャルピッチング、知識が問われる野球クイズなども用意されているので、あなたの野球愛を試してみては?
坊っちゃんカラクリ時計
総工費は約1億円!?放生園の象徴「坊っちゃんカラクリ時計」
道後温泉駅前広場・放生園において、ひときわ目を惹くのが坊っちゃんカラクリ時計です。これは道後温泉本館の建設百周年事業の一環として平成6年に設置されたもので、総工費約1億円と実しやかに囁かれています。竹下内閣の「ふるさと創生事業」で自治体に1億円が交付されたというのが真相のようですが、実物を目の当たりにすると、やはり値打ちものに見えます。大きさはビルの2階ほどもあって、外見は本館の振鷺閣にそっくりです。白鷺や赤いぎやまん障子も再現されています。また、真骨頂は内蔵のカラクリ。決められた時間になると時計がビルの3階ほどに伸長し、軽快なメロディと共に『坊っちゃん』の登場人物が現れ、広場を彩ってくれます。