古事記の神話に出てくる「愛比売」という神様にちなんで名づけられた愛媛県。夏目漱石の『坊っちゃん』にも登場する道後温泉や、藤堂高虎が築城した今治城があるなど、歴史的なスポットが多く存在します。今回はぜひ訪れたい愛媛の定番観光スポットをご紹介します。
目次
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潮風、潮騒を感じつつ多々羅大橋を一望できる「道の駅 多々羅しまなみ公園」(今治市)
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西国の伊達、宇和島伊達家九代の居城「宇和島城」(宇和島市)
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海賊が海の秩序を守っていた!?能島村上家の貴重な資料を展示する「村上海賊ミュージアム」(今治市)
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内堀にサメが泳いでいることも!?日本三大水城のひとつ「今治城」(今治市)
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海と太陽と珈琲の香りだけが旅人を迎える「JR下灘駅」(伊予市)
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大洲城現存最古の櫓がそびえ立つ「大洲城三の丸南隅櫓公園(お殿様公園)」(大洲市)
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蒸気機関車があり、緑あふれる憩いの場「王子の森公園」(八幡浜市)
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江戸末期から昭和初期の貴重な民具が集う「宇和民具館」(西予市)
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賜りし社号は日本総鎮守!国宝8点、重要文化財672点を擁する「大山祇神社」(今治市)
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米どころ宇和盆地を見下ろす雑巾がけの聖地「宇和米博物館」(西予市)
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南国顔負けの美しさ!海のお花畑と称される「宇和海海域公園」(南宇和郡)
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日本三古湯とも言われる道後温泉のシンボル「道後温泉本館」(松山市)
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ゆるキャラ・バリィさんの頭を飾る冠にもなっている「来島海峡大橋」(今治市)
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根強い人気の秘密は「おもてなし」にあり!観光列車「伊予灘ものがたり」
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日本三大カルストのひとつでありキャンパーの聖地でもある「四国カルスト」(上浮穴郡)
道の駅 多々羅しまなみ公園
潮風、潮騒を感じつつ多々羅大橋を一望できる「道の駅 多々羅しまなみ公園」
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公園
多々羅大橋は大三島と生口島を結ぶ全長1,480mの斜張橋。今治と尾道を繋ぐ橋と表現した方がわかりやすいかもしれません。その美しさは翼を広げた二羽の白鳥に例えられ、フランスのノルマンディー橋とは姉妹橋の関係にあります。袂にある「道の駅 多々羅しまなみ公園」は景観を楽しむのに絶好のビュースポット。エリア内にはノルマンディーで鋳造された「しあわせの鐘」もあるので、ぜひ鳴らしてみてください。お腹が空いたらレストランで魚を味わいましょう。おすすめは地元上浦町の名物「ヒラメ」を使用した平目丸ごと唐揚定食やイベント的に提供しております『幻の高級魚』マハタのお造り。漁獲量が少なく、市場では滅多に出回らない絶品の魚を提供しております。(イベント開催情報は公式HPにてご確認ください。)腹ごしらえが済んだら、自転車を借りてサイクリングなどいかがでしょうか?
宇和島城
西国の伊達、宇和島伊達家九代の居城「宇和島城」
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城
現存12天守の1つがそびえ立つ宇和島城は、慶長20(1615)年に伊達政宗の長男、秀宗(ひでむね)が入城後、明治を迎えるまで"西国の伊達"9代の居城でした。1666年には二代藩主・宗利が3重3階の層塔型天守を築いています。この白亜の天守の特徴は、玄関が広く、狭間や石落しが存在しない点です。このような細かな部分から時代背景が読み取れるので、目を凝らして見てください。
なお、かつて同所には、築城の名手として有名な藤堂高虎が慶長6(1601)年に建築した天守があり、幕府には修理の名目で届出をしましたが、天守台の石垣を含めて宗利により全面的に建て直されたため、その姿(慶長天守)は絵図でしか窺(うかが)い知ることができません。
村上海賊ミュージアム
海賊が海の秩序を守っていた!?能島村上家の貴重な資料を展示する「村上海賊ミュージアム」
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美術館・博物館
歴史小説のヒットで知名度を高めた村上海賊。彼らは一般に「海賊」と聞いてイメージするような略奪に終始する無法者ではなく、芸予諸島に根差し、瀬戸内海の秩序を守るために不可欠な存在でした。海上交通に関わるのみならず、商売や漁業にも携わっており、茶の湯や連歌に興ずるなど風流な面も持ち合わせていたと伝わっています。そんな彼らの歴史や文化を学べるのが、砦を彷彿とさせる外観の村上海賊ミュージアムです。館内には、能島城跡の出土品や古文書などが展示されています。特に能島村上家伝来の黒韋威胴丸、伝村上武吉・景親着用の陣羽織は見栄えもよく、往時の村上海賊の姿を想像する助けとなるでしょう。屋外には小早船の復元品などが展示されています。
今治城
内堀にサメが泳いでいることも!?日本三大水城のひとつ「今治城」
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城
今治城は藤堂高虎が築いた平城です。海風により砂が吹き上げられる所に因む地名から、吹揚城とも呼ばれています。当時は瀬戸内海に面した海城で、三重の堀を備え、海から船入に漕ぎ着ける事も可能でした。現在でも幅50m以上の内堀が残っており、サメが泳いでいる事もあるそうです。本丸北隈櫓跡には模擬天守が設置されています。ここに辿り着くまでには、桝方虎口や鉄御門などの防衛設備を通過する必要があるので、城攻めの気分が味わえることでしょう。また、夜間には照明デザイナーの海藤春樹氏が手掛けたライトアップが行われ、計算され尽くした照明配置により、今治城が立体的に浮かび上がります。水面に映る城の姿も必見です。
JR下灘駅
海と太陽と珈琲の香りだけが旅人を迎える「JR下灘駅」
下灘駅はJR予讃線の無人駅。かつては、ホーム下に波が打ち寄せる「日本で一番海に近い駅」でした。穏やかな伊予灘の海と空が目の前に広がる絶景を求めて、多くの人が訪れます。上屋とベンチだけというシンプルな造りのホームが、景観に溶け込んでいます。駅舎の向かいにあるのは下灘珈琲。オープンデッキのテーブルの上にはその日の日の入り時間が掲示されています。香り豊かなドリップ珈琲を片手に沈む夕日を眺めれば、旅の良き思い出になることでしょう。冬の寒い日にはまれに「だるま夕日」が現れることもあるとか。9月第1土曜日にはホームをステージに見立てた「夕焼けプラットホームコンサート」で賑わいます。
大洲城三の丸南隅櫓公園(お殿様公園)
大洲城現存最古の櫓がそびえ立つ「大洲城三の丸南隅櫓公園(お殿様公園)」
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公園
大洲城三の丸南隅櫓公園は、その名に冠する櫓を中核とする歴史公園です。大洲城に現存する4つの櫓は、全てが国の重要文化財に指定されていますが、明和3(1766)年再建の南隅櫓こそ、大洲城現存最古の建造物です。櫓には太鼓壁と呼ばれる防弾壁が設けられ、厚い壁の中には、礫や瓦が詰められています。また、この太鼓壁に竹筒を埋め込み、外部から見えないよう壁土で覆っている隠狭間を3箇所備えているのも特徴です。無論、隠狭間は外から確認できませんが、城を攻める立場で考えると、いきなり壁から銃が生えてくるなんて恐ろしく思えます。公園内には、ほかにも2階建ての旧加藤家住宅主屋があります。こちらは国の登録有形文化財で、大正14(1925)年、旧大洲藩主の子孫である加藤泰通(やすみち)氏が建築しました。2階の3面をガラス窓にした「ガラス障子」など、旧大名家らしい格式高いつくりが特徴です。有名な映画の撮影にも使われました。また、大洲市埋蔵文化財センターが併設されており、大洲城をはじめとする市内の遺跡で出土した考古資料を展示しています。
王子の森公園
蒸気機関車があり、緑あふれる憩いの場「王子の森公園」
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公園
王子の森公園は地域住民の憩いの場所。児童と幼児の遊具エリアが分かれており、幅広い年齢層の子どもが遊べる空間となっています。大正13年製造の9600型蒸気機関車が保存・展示されており、運転室に入ることも可能です。そんな憩いの場を有名にしたのがカイズカイブキの生垣。高さ約150cm、長さ約70m以上の空洞があって、まるでアニメのワンシーンのよう。中は意外に明るいので、お子さまが怖がる心配もないでしょう。また、8月14日には五反田柱祭りの会場になります。県指定無形民俗文化財でもあるこの祭りは高さ約20mの柱に付けた籠を目掛け、紐先に括った松明を次々と放り投げます。夜空に無数の火の玉が飛び交う光景は勇壮かつ幻想的で、見応えがあります。
宇和民具館
江戸末期から昭和初期の貴重な民具が集う「宇和民具館」
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美術館・博物館
宇和民具館は地元の「祭り、暮らし、商い」などを支えた民具の収集・展示を行っている博物館です。江戸末期から昭和初期にかけての貴重な資料を約6,000点も収蔵しています。展示資料は祭礼用の牛鬼の頭、当時の衣服や食器類、宿場町時代の卯之町を再現したミニチュア、昭和48年まで存在した劇場の模型など幅広く、地元のご高齢者にとっては懐かしく、他所の若者からすれば新鮮なものばかり。写場(いわゆる写真館)を再現したコーナーでは、レトロな衣装を借りて、持ち込んだカメラで記念撮影をすることも可能です。なお、チケットは国の重要文化財開明学校(擬洋風建築小学校校舎)と共通なので、あわせての見学をおすすめします。
大山祇神社
賜りし社号は日本総鎮守!国宝8点、重要文化財672点を擁する「大山祇神社」
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神社仏閣
大山祇神社は全国の山祇・三島神社の総本社。神武東征に先駆けて四国に渡った小千命(大山積神の子孫)が勧請鎮祭したのが由来とされています。祭神の大山積神は記紀では山々を守護するとされていますが、ここでは伊予国風土記の記述に基づき、航海さえ司ると考えられています。重要文化財である本殿の正面には御神木「小千命-御手植の楠」があり、その樹齢は約2,600年と言われています。また、宝物館には源平の武者などが奉納した武具の類が数多く存在し、義経の甲冑、弁慶の薙刀など驚愕の収蔵品も多数。全国の国宝・重文指定武具類の約8割がここにあると言われています。現存唯一の女性用甲冑との説がある「紺糸裾素懸威胴丸」(大祝の娘 鶴姫の鎧)も必見です。
宇和米博物館
米どころ宇和盆地を見下ろす雑巾がけの聖地「宇和米博物館」
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美術館・博物館
宇和米博物館は昭和3年竣工の旧宇和町小学校の校舎を移築、リノベーションした施設です。「お米の展示」コーナーでは展示を通して、お米の種類や宇和の米作りの歴史を学ぶことができます。「黒板ルーム」では見渡す限りの黒板に思う存分、落書きすることができます。記念メッセージを書き込んだり、絵を描いたりするのはもちろん、先人の軌跡を見て回るだけでも楽しめるはず。また、施設の最大の特徴は全長109mの日本一長い木造廊下。ここでは「雑巾がけレース」に挑戦することができて、記録に応じた色のバッジが手に入ります。好タイムを叩き出せたら、雑巾がけの猛者たちがタイムを競う「Z-1グランプリ」への参加も考えてみてください。
宇和海海域公園
南国顔負けの美しさ!海のお花畑と称される「宇和海海域公園」
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公園
宇和海海域公園と呼ばれるエリアは色鮮やかな熱帯魚やサンゴの生息地として知られています。特に鹿島周辺はレジャーが充実しており、様々な方法で海中を楽しむことができます。たとえば、ユメカイナ(平日はガイヤナ)は半潜水式の水中観光船で、水面下に沈んだ展望室から海中をガラス越しに観察できます。水に濡れなくて済むので、小さなお子さまやご高齢者でも楽しめます。また、夏休みには海水浴やシュノーケリング、シーウォーカーなどいろいろなマリンレジャーを楽しめます。
道後温泉本館
日本三古湯とも言われる道後温泉のシンボル「道後温泉本館」
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温泉
道後温泉は日本最古といわれている温泉であり、夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも登場した愛媛を代表する観光スポットです。道後温泉のシンボルの道後温泉本館は、1994年に日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財で、今もなおそのまま公衆浴場として営業しているという珍しい施設です。本館では「湯釜」と呼ばれる大きな円柱形の湯口から湯が注がれており、その独特な雰囲気と相まって非日常的な空間を演出しています。付近には地ビールを提供している飲食店などもあるため、風呂上がりの格別な一杯が味わえます。
※現在、営業しながら保存修理工事中です
来島海峡大橋
ゆるキャラ・バリィさんの頭を飾る冠にもなっている「来島海峡大橋」
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美術館・博物館
来島海峡大橋は四国と大島を結ぶ総延長およそ4kmの3連吊橋です。大島側の第一大橋は960m、中央の第二大橋は1,515m、四国側の第三大橋は1,570mあります。自転車・歩行者専用の道路も併設されているので、晴れた日に来島海峡の絶景を眺めながら橋を渡ってみるのはいかがでしょうか。運が良ければ、激流が生み出す八幡渦を見ることができます。来島海峡大橋自体を景観として楽しみたい場合は、四国側からであれば糸山展望台、大島側からであれば亀老山展望公園に行くのがおすすめです。
伊予灘ものがたり
根強い人気の秘密は「おもてなし」にあり!観光列車「伊予灘ものがたり」
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乗り物
伊予灘ものがたりはレトロモダンな観光列車。海を眺めながら、地元食材を使用した料理を堪能できます。プランによって発着駅やメニューが異なりますが、事前予約制の食事以外に地酒やスイーツの購入も可能です。運行区間は松山駅~伊予大洲駅・八幡浜駅。海側のシートでは伊予灘の絶景を望むことができますが、山側の席もおすすめ。床が高く、海を眺めるのに不自由しません。停車、徐行、アナウンスを駆使して、区間内の名所を紹介してくれるので名所を見逃すことなく安心して列車の旅を楽しめます。また、出発時には駅員・スタッフによるお見送り、沿線からは地域住民による歓迎の手振りなど、おもてなしの心が随所に見受けられ心温まる場面も。旅という名の物語を存分にお楽しみください。
四国カルスト
日本三大カルストのひとつでありキャンパーの聖地でもある「四国カルスト」
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絶景
カルストとは地表に現れた石灰岩が雨などによって浸食されることで出来上がった地形のこと。中でも四国カルストは秋吉台、平尾台と並ぶ日本三大カルストのひとつで、日本最長のカルスト台地です。標高も高く夏は避暑地としても人気です。天狗高原に降り立てば、景色は石鎚連峰から太平洋までを見渡せる大パノラマ!美味しい空気と絶景に、日常の疲れも癒されることでしょう。雄大な自然を感じられることから、キャンパーの聖地としても知られています。牛がのんびりと放牧されており、まるで外国のような雰囲気を持っていることから、最近ではSNS映えスポットとしても注目を集めています。
愛媛には戦国の世に活躍した村上海賊のミュージアムや藤堂高虎が築いた今治城など注目すべき観光スポットがたくさんあります。ぜひ愛媛の観光名所に訪れてみてはいかがでしょうか。
※最新の基本情報は公式サイトをご確認下さい
※2020年12月1日時点の情報です